読めますか?たった10年で消滅寸前の「ギャル文字」「ケータイ小説」を改めて味わう

当時「ケータイ小説」の解説本を書いた速水健朗がブームを振り返る

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  • ケータイ小説は最後のヤンキー文化である
  • 速水が100点つけたAD作の「ケータイ小説」見本
  • 超難問「ギャル文字」読めますか?

この放送があった7月19日は芥川賞受賞作が大きな話題になったが、一方10年前に流行った「ケータイ小説」は風前の灯となっている。「ケータイ小説」とは今ガラケーと呼ばれる当時の携帯電話で書かれ、読まれた小説のこと。かつて日本中の女子中高生の間で大流行したのだが、急激に廃れ今では知らない世代が増えているという。


10年前に女子高生だった人は覚えてる

鈴木理香子アナウンサー:
みなさん「ケータイ小説」を読んだことはありますか?

ロケットニュース24編集長 GO羽鳥:
全然ないです。

速水健朗:
ぼくは「ケータイ小説」の解説本を書いてます。
当時日本では「ケータイ小説」が書籍化されて200万部を越えたとか話題になったんですけど、中国では日本の「ケータイ小説」が翻訳されて、もっと多く売れていたかもしれません。おかげで僕の解説本も中国で発売されたんですが、そっちはそんなに売れてない。

鈴木:
私は今33歳で、やっぱり読んでないんですけど、ちょっと下の世代のADさん達はドンピシャの世代で、今日はケータイ小説を取り上げるって盛り上がっていたそうです。

ケータイ小説は最後のヤンキー文化

速水:
「ケータイ小説」は1ページの文字数が少なくて改行が多い、アメーバブログみたいな感じです。ああいうノリで、みんな自分の物語を書いて、当時あった「ケータイ小説」の投稿サイトにアップしてました。だいたい恋人が病気で死んじゃうような話で、同じような話がいっぱいありました。それを読んで「いいね」みたいな感じでコメントしたり、SNSができる前のSNSみたいな感じでした。

鈴木:
ちなみに『teddybear』というケータイ小説は、歌手の浜崎あゆみさんの名前や実際にある曲名がそのまま書かれていることが特徴だと言われているそうです。

速水:
今、「ケータイ小説」がどうなっているか検証したネット記事がバズっていて、僕の本が引用されています。浜崎あゆみと「ケータイ小説」の関係性について書いたのは僕なんですよ。記事に書いてある何割かは僕の話で、正直ちょっと怒ってます(笑)。

昔は暴走族の女の子版を「レディース」と呼んでて、そういう人たちが読むレディース雑誌の投稿欄が、「ケータイ小説」や浜崎あゆみの歌詞の内容と、とても近いという話を書いたんです。あと「ケータイ小説」って、実際には都心の本屋であまり売れてないんですよ。「ケータイ小説」の舞台になるのか郊外が多く、読んでるのも郊外の子たちで、ヒットしたのは地方のツタヤや郊外の本屋だと、こういう話を書きました。

羽鳥:
ああ分かります。「チャンプロード」みたいな雑誌ですね。

「チャンプロード」…ヤンキーや暴走族向けの雑誌。現在は休刊。

速水:
そうそう、ヤンキー文化なんですよ。ヤンキーからギャルへ変わっていく時代の流れの中で、おそらく「ケータイ小説」は最後のヤンキー感があるモノだった。ギャルについて行けない子たちが、ちょっと「ケータイ小説」を書いてたんです。

速水が100点つけたAD著「ケータイ小説」

鈴木:
実際に「ケータイ小説」はどんなものなのか。ドンピシャ世代である当番組のADさんが書いてくれました。

鈴木:
(音読しようとするが言葉に詰まってしまう)
ごめんなさい!この小っちゃい「ゎ」は、「わ」って読めばいいの?…助詞の「は」として読めばいいのね?

速水:
アナウンサー的には読めなかったわけですが、これは完璧な「ケータイ小説」ですよ。
→まず擬音を使う
小さい「ぉ」とか「ゎ」が入ってる
会話で話が進む
語尾に三点リードっていう「…」がついている。僕らライターの世界だと三点リードは必ず2文字続けて点を6つにするんですけどね。

鈴木:
ロケットニュースもそうですか?

羽鳥:
うちもそうですよ。

速水:
そういう出版のルールをことごとく破っているんです。
とにかく改行を入れるとか完璧じゃないですか。
→普通、会話の後は物語が何か展開するのに、ポエムが始まっちゃう。
→しかも、よく「空」が出てくるところも抑えていて、もう100点あげちゃう。

鈴木:
ブーム真っ只中の2007年は「文芸書ベストセラー」のトップ3を「ケータイ小説」が占め、さらに映画化されたりして社会現象となりました。代表的な作品には『Deep Love』、『恋空~切ナイ恋物語~』、『天使がくれたもの』などがあります。

速水:
どれもミリオン超えた大ヒット作です。

鈴木:
私、映画は怖くて見られませんでした。レイプとか妊娠とか、本当にリアルな高校生の問題が描かれていて、ちょっと向き合いたくないなと思ったんです。

速水:
映画だとずいぶんソフトにはなっていたんだけど、小説自体は本当にそういう感じでしたね。だいたいオラオラ系の彼氏が出てきて、デートDVとかで殴られたりするんだけど、「やっぱりやさしい!」みたいに、互いに依存する典型的なダメな関係になる。でも、いいタイミングで彼氏が交通事故か病死するんです。それで「悲しい」って言って最後は「空」が出てくるんですよ。

同時期に流行った「ギャル文字」って読める?

鈴木:
その当時は『ギャル文字』も流行っていましたが、やはり現在は見なくなってしまいました。今日は初級から上級までの問題を用意したので、みんなで解いてみましょう!

鈴木:
羽鳥さんなんて書いてあります?

羽鳥:
『ホウドウキョク』!

鈴木:
はい正解!つづいてこちらは中級です。

羽鳥:
…こんばんはきょうも…「い」てくれてありがとう?

鈴木:
正解は『こんばんは きょうも「み」てくれてありがとう』です!

羽鳥・速水:
あーそうか!

鈴木:
最後は上級なんですが、もうこんな文字を携帯で出せるってことに感動します。

さて、あなたは読めるでしょうか?ヒントは冒頭『FLAG7』の後は漢字です。

羽鳥:
見えた!薄目にしたら見えましたよ!

では正解はこちら!↓↓↓↓↓↓↓↓↓

羽鳥:
これすごくない?誰が作ったんですか。

鈴木:
いつもスタジオにいるADさんですよ。

速水:
一回こういう原稿を依頼してあげてください(笑)。


(執筆:FLAG7)