お父さんに共感できる?「牛乳石鹸」のPR動画が物議

共感できる・できないの断絶がとんでもなくでかい

カテゴリ:話題

  • 妻と息子と暮らす男性の一日を描いた牛乳石鹸のPR動画に賛否
  • 「作った意味がわからない」「不快」など主に女性から批判的な声
  • 一方で主人公に共感する男性が少なからずいて、男性が熱く語る珍しい“炎上”動画

牛乳石鹸が父の日に合わせて6月15日に公開した動画「牛乳石鹸WEBムービー 与えるもの篇」が今になって物議をかもしています。

動画は、男性が出社前にゴミ出しをする場面から始まる。きょうは息子の誕生日、妻から頼まれたケーキとプレゼントを買うが、「家族思いの優しいパパ、時代なのかもしれない。でも、それって正しいのか」と男性の心情を表すナレーション。その後、仕事でミスをした後輩を飲みに連れていく。帰宅した男性に対し、妻は「なんで飲んで帰ってくるかな」と呆れたような一言、男性はそのまま風呂場へ。入浴後、妻に謝罪し改めて息子の誕生日会が始まる。動画の最後に「さ、洗い流そ。」の文字。

この動画についてSNS上では8月中旬ごろから物議をかもしていて、
設定や作った意味が分からない。」
不快な気持ちになりました
購買者(奥様方)を敵に回し兼ねないストーリー性
こんな気持ちで世の中の父親は子供の誕生日を過ごしてるのかと思うと辛すぎる
と批判が殺到する一方で
何が不快なの?」
男としての、父親としての葛藤が良く出ていると思います
考え方を押しつけてはいないし、あんな感じの家族って普通にいると思う
と擁護する意見も出るなど賛否わかれて“炎上”しています。

牛乳石鹸に企画意図を聞くと、「本動画は6月の父の日に合わせて制作した動画です。家族や息子のことを大切に思いながらも、時に迷いながら、それでも前を向いて頑張っている父親の姿を描いています

共感できる・できないの断絶がとんでもなくでかい

三浦瑠麗
まず牛乳石鹸売れないだろうっていうね。これ一番安直なコメントなんですけど、要は石鹸買うかどうか、どの石鹸を買うかを差配しているのは世の中では女性なんですよ。女性が石鹸を買っているのに、なぜ女性に反感を買いそうな動画を作るのかというとちょっとわからないっていうのがある。

私が見たとき一番最初に思ったのが「なんてこの家庭って不幸なんだろう」。この不幸さに胸がつぶれる思いをして、みんなそんな大変な思いをして生きてるの?って。

松浦茂樹(スマートニュース):
それが「大変な思いをして生きてるからこそ知ってほしい」が可視化されて共感、自分もこのお父さんも同性として嫌なものが露わになって「ほらみんな、俺らこんな大変なんだぞっていう共感を持ってる男性が少なからずいるのが今回のポイントなのかなって思った。

僕はこういう生活してないから、このお父さんに共感を覚えないんだけど、何かしらの部分でこういう嫌なことを抱えながら生活している人が「そうだ。そうだ。」っていう共感が出ちゃって、そこに対して理解できない人は全くわからないという断絶がとんでもなくでかい

三浦
最初に炎上したのは女性がキレたわけですよね。「これ殺人事件の前フリなんじゃないか」とか「洗い流しているの血なんじゃないか」みたいなコメントがすごかった。結構有名なコメンテーターとかコラムニストの方とかが次々に盛り上がってリツイートしまくっていて…。

松浦
すごいブラックだな(笑)

三浦
みたいなのがくるほど男性がダークに見えて女性がキレたわけじゃないですか。でも、そのキレてる女性の側はたぶん自分がそういう風に言っちゃったこと、つまり相手の事情を考えずとりあえず今自分が大変だから「何々買ってきて」って追い打ちかけちゃったり「ゴミ出ししてないの?」みたいな負の記憶をいじくられてムカッとするっていう部分があるんだろうな。

松浦
逆な意味での「そういう嫌なところもあるんですよね」っていうのが自分の旦那以外のところでああいう風に見せつけられて「それはそれで違うだろ」みたいな嫌さっていうのも出ちゃうのかな。

三浦
こんなに世の中の男性が熱くしゃべるCMの炎上ネタってあんまりないんじゃないかと思って。

松村未央アナ
「そうだ。そうだ。」って思ってるんですかね。

松浦
この手のウェブCM動画っていうのは「ポジティブでみんな明るく楽しく」みたいな形で、面白いっていうプラス方向に働くバズの方が多い。炎上ネタは嫌悪感、例えば「食べられちゃう女の子」とか生物的な嫌悪感がそうなんですけど、今回はライフスタイルに対する嫌悪感なんですよ。

テレビも新聞も雑誌もウェブメディアも「男女共同でこういう形でやってって、理想があっていろいろ大変かもしれないけど、そういうところに向かってみんな頑張っていきましょうよ」と励ましてるんだけど、いざこういう現実を突きつけられてボロボロ出てしまう

三浦
周りの男性に聞いてみたんですよ。まず夫に見せたんですね、炎上してるって言わずに。そしたら「何?このCM意味わかんない」みたいなこと言って、まず牛乳石鹸である意味がわかんないよねってのはあるけど、傷ついたのは子どもの誕生日に夫婦喧嘩をしていること、これがありえない。飲みに行くのダメだっていうのもそうなんだけど、夫婦喧嘩をしてることが耐えられない、平和主義者からすると。そういう風に思う男性もいるわけですよ。

松村
私はですね、「なんて不幸なんだろう」と思ったのとちょっと似てるんですけど、後輩と飲み会に行くのは別の日でもいいんじゃないというのと、電話したら出てよって思いますね。仮に行かざるを得なかった飲み会でも連絡は出てよって思います。

三浦
電話出ないって、気づかなかったんじゃなくて酔っ払ってたんじゃなくてわざと胸ポケットにしまったところが傷つきましたよね。

松浦
それが男性視点から言うと「いや、話してるんだからさ、自分の時間でもあるんだからちょっと待てよ」と。

松村
誕生日ですよ。

松浦
誕生日なんだけど、誕生日忘れちゃう人もいるわけじゃないですか旦那さんとかで。そういう世界観が男性だけで話すとボロボロ出てきて「みんな大変なのね」みたいな。

三浦
ひとつ論争を承知で言うと、周りのママ友とか見てると3歳とかで幼稚園に移ってくとだんだん変わってくのよママの方が。その中でママの世界が全部子どもだけになって、お受験の例えば一桁番号じゃないと願書の意味ないとか知識がたまっていって、それを共有してないパパに対して耐えられなくなってきて、結構公開処刑したりするんですよ。ママパパ友が集まってるとこで「あんたそんなのもわかってないの?」みたいな、その軽んじ具合がちょっと耐えられないときはある。

松浦:
つらいよね。周りに聞いてると昔の家長制じゃないですけど「お父さんって大黒柱だ」みたいな世界観は僕の世代の上のお父さんは確かに大黒柱だというのは見てるから、それがある意味での知ってるお父さんのロールモデルになっていて、それと比較して自分を小さく見ちゃうところもあるのかなと思ったりとかします。

三浦
稼いでないと対等じゃないっていうのはあるけど、でも人間としては対等なんだよね、専業主婦だとしても。その人間としての対等っていうのは昔はあんまりなかったんだから、今人間として対等となったときにお互い優しくできるかがすべてじゃない。この動画ではお互い優しくないでしょ二人とも。それ二人の責任だよね。

松浦
だから「そこを追求して直していきましょうよ」ってポジティブに転がしたいところが、「『さ、洗い流そ。』っていうのはポジティブなんだっけ?」っていうのが一番ひっかかるポイント。


(執筆:FLAG7)

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