「仕事にやりがいを感じない…」その理由と対処法とは?

特集「U39世代の現在地」第3回

カテゴリ:ビジネス

  • 「仕事にやりがい」およそ4割が実感なし
  • やりがいを感じないのは現代の業務体制のせい?
  • 有限ではなく、無限のやりがいを見出す方が良い

アラフォー世代の約6割はやりがいを感じているが…

従業員一人ひとりの個人の力は、企業全体の業績につながる。個人のモチベーションを高めるためには、昇給・昇格や達成感、私生活の充実など様々な要因があるが、35〜39歳世代は、いったい何が「やりがい」につながっているのだろうか? 『ホウドウキョク』では、仕事に対する「やりがい」について、300人の男性(35〜44歳)を対象に独自のアンケート調査を実施した(調査方法:インターネットによる独自調査。調査期間:2016/9/7〜13まで実施。調査協力:ネオマーケティング)。

そもそも、どれほどの人が仕事にやりがいを感じているのだろうか?アンケートの結果は以下の通り。

「とても感じる」「まあまあ感じる」と回答した「感じる」派の数と「あまり感じない」「まったく感じない」と回答した「感じない」派の人の数を比較すると、6:4でやりがいを感じる人の方が優勢という結果に。

では、多数派の人たちが、具体的にやりがいを感じる瞬間とは?

現在の仕事にやりがいを「とても感じる」「まあまあ感じる」と回答した人に追加で「あなたは仕事でどのような時にやりがいを感じますか」という質問をした。その回答をランキング化すると、次のような結果となった。

●やりがいを感じる時TOP5
1位:自分の仕事が評価され昇進した時(34.1%)
2位:困難な状況に直面し、それを自分の工夫で解決した・できた時(33.5%)
3位:自分の仕事が評価され昇給した時(33.0%)
4位:給与や報酬によって自分の暮らしが豊かになっていくのを実感した時(27.8%)
5位:仕事の進め方や方針について、自分の裁量によって進めることができる時(25.6%)

3・4位のような経済的な満足と、2・5位のような技術・技量の満足に分かれた。経済的な満足の方が、目に見えやすく、実感しやすいように思うが、お金には代え難い喜びを仕事で感じている人は数多いようだ。

一方、やりがいを感じない人たちは、どうだろう。やりがいを見い出せないことにも、何か理由がありそうだ。同様に、その結果をランキング化したものが、以下。

●やりがいを感じない原因TOP5
1位:給与・待遇の低さ(63.7%)
2位:今の会社や職場で頑張った先にいい未来が想像できないという先々の不透明さ(36.3%)
3位:仕事・業務内容への飽き(32.3%)
4位:人事評価のあいまいさ(25.8%)
5位:会社や職場の業績の悪さ(23.4%)

断トツで多いのは、給与・待遇面での不満。意外にも、人間関係の善し悪しは、ランク外だった。

仕事にやりがいを感じられない理由とは

仕事のやりがいというのは、それぞれ違って当然。一概に何が正解とは言えないだろう。しかし、「こうすればやりがいを感じられる」という何かヒントのような物があれば、仕事にやりがいを見出せない約4割の人たちにとっては、救いというもの。そこで、リクルートワークス研究所の主幹研究員・豊田義博氏にお話をうかがった。

「仕事のやりがいを見出す」には条件があるという。

「『技能多様性(マルチ性)』『自分の仕事の社会的価値』『案件全体にかかわれる事』『自律的に出来る事』『反響・フィードバックがある事』の5つの条件があると言われています」(豊田さん、以下同)

やりがいを見出せない人が多い理由について、豊田さんは「現代ならではの業務体制が原因になっている」と続ける。というのも、業務の細分化により、それぞれの部門で、高度な専門性を求められるようになってきたことで、「案件全体にかかわる」という事が、なかなか難しい状況になっているのだとか。

また、業務の細分化は、他にも影響を及ぼしているという。

「例えば、『テレビを作る』仕事をしていたとします。テレビの部品の一部を作っている人にしてみれば、テレビの売れ行きが良くても、自分の作った部品が直接貢献しているとは、なかなか感じられませんよね。他の業種でも、業務の細分化により、反響や手応えが得づらくなっているのではないでしょうか」

やりがいには「有限」と「無限」がある

目的や達成感がないよりは、やりがいを感じながら仕事した方が良いだろう。
しかし、やりがいを見出すためには、何をすれば良いのだろうか?

「ずっと同じ仕事をしていると、自分の中で、『あれはこう、これはこう』と、固定概念が生まれます。どんどん視野が狭くなっていくのです。仕事にやりがいを感じない人は、もっと外の世界を見てみましょう。あらためて自分の仕事に向き合うと、違った見方ができるようになると思いますよ」

「外の世界を見る」というのは、社外の勉強会に参加したり、副業をしてみたり、小さい事でも良いそう。大切なのは、「色々な経験をする事」と豊田さんは言う。また、やりがいには「無限」と「有限」があるのだとか。

「金銭や地位にやりがいを見出す人は多いと思いますが、どんなに優秀でも役職に就ける人数は限られているし、昇給にも限界があります。一方、自身のスキルアップや社会貢献は、どうでしょうか? 人は生涯において発達するものであり、成長に限界はありません。社会課題もまた尽きないものです。会社に機会を与えてもらうのを待つのではなく、自分自身の人生のリーダーは自分だ、という意識で、あくまで“自分”を中心に考えると良いかもしれません」

一人ひとりが自分の仕事にやりがいを持つ事は、企業全体の空気にも、きっと影響を与え、自分に良い結果をもたらしてくれるはず。今一度、「自分の仕事」を見つめ直してみてはいかが?


文=明日陽樹/考務店