投資初心者は “月3000円投資”でお金の不安を解消できる?

特集「いつまで初心者で通すの? 自分の“足もと財政”管理術」第5回

カテゴリ:ビジネス

  • 最強は「貯金」+「投資」の2本立て運用
  • 月々3000円でも10年後には36万円まで膨らむ
  • 投資なら『1』の元手を『1.1』『1.2』…と増やせる

増える喜びがあるのが投資! 家計管理のモチベーションもアップ

先行き不透明なこの時代、転ばぬ先の杖として見直しておきたい自分の“懐”事情。シリーズでお伝えしてきた“足元の財政”を見直す特集、最終回は、「投資のススメ」だ。

この記事を読んでいる多くの人が貯金すらもままならいと思っているだろう。このようにお金に不器用な人間でも投資を始めてもいいのだろうか? この問いに背中を押してくれたのは、家計再生コンサルタントの横山光昭さん。

「超低金利の時代、銀行に預けるだけではお金はいつまで経っても『1』のまま。その点、投資は複利の効果で、『1.1』『1.2』…と少しずつ増やせる可能性があります。『貯金と節約』は、ひたすら削り、がまんし、貯めるだけ。そこで新たに提案したのが “3000円投資生活”です。投資は、増える喜びがあるため、家計管理のモチベーションも上がるとの声も届いています」(横山さん、以下同)

投資というと、なんとなく怖い人も多いだろう。だが一度に大きなお金を投じるから失うのが怖いのだ。たとえば外食を一回する程度の金額、3000円ならどうだろうか。毎月3000円でも投資でき、そして少しずつ利益を上げられるのだ。

バランス型投資信託でコツコツ積み立てる

ではさっそく3000円の投資を始めたいのだが、どのようにしたらいいのだろうか? もっとも簡単にスタートする方法は、次の通りだ。

3000円投資生活
=毎月「バランス型投資信託」を積み立てで購入する


「3000円投資生活では、選ぶものは決まっています。『バランス型投資信託』です。これは、日本・海外の株式や債券がバランスよく組み合わさっている商品です。ひと口買うだけで、複数の対象に投資することができ、リスク分散もできます」

投資というと、個別株や国債、社債、不動産など様々な商品がある。この商品選びに頭を悩まされ挫折する人も多いだろう。だが、3000円投資はそこで頭を使う必要はない。「バランス型投信」を選べばいいのだ。

ちなみに投資信託とは、「投資家から集めたお金(ファンド)をプロのファンドマネージャーが運用し、その成果に応じて収益を投資家に分配する」というもの。投資家一人ひとりの資金では、一度に投資できる数に限りがある。だが多くの人のお金を集めれば幅広い銘柄に投資でき、一部が値下がりしてもその他でリスクを抑えることができる。「バランス型投信」は幅広い国と商品に投資するため一度に価格が暴落するリスクも少ない。それほど多くの“掛け”に出たくない人にも向いている。

「基本的には長い時間、ほったらかしにしておいて大丈夫です。リーマンショックのような世界的恐慌の場合、一時的にはどんな商品も値を下げます。けれども、時間をかければ回復は見込めます。長期的に見れば3〜4%も期待できるでしょう」

3000円投資は無理のない額でリスクの少ない商品を購入することが基本。長い時間をかけてお金を育てていくのだ。

基本は「投資+貯金」。複利で元手を増やそう

しかし、たかだか3000円の投資でそんなに儲けることができるのか? 結論は、大儲けはできないが、貯金よりははるかに得をする。

下の表は、月々3000円を利回り3%で運用した場合。

10年後には元金36万円が41万円となる。投資では儲かったお金を再度投資に回すこと(複利効果)で、より多くの儲けを得られることを目指す。投資ではタネ銭が大きければ大きいほど大きいリターンを狙える。

ちなみにこれに月々1万円の貯蓄をした場合、資産はさらにふくれあがる。

貯金+投資。3000円投資の基本は、2本立てで資産を築くこと。

「最初は無理のない金額で投資を始めましょう。慣れてきたなら1回に1万円を買うなど、額を増やしてもいいでしょう。私の顧客で、3000円投資から始め、少しずつ投資額を増やし、毎月5万円、ボーナス時には60万円を投資に回したところ、8年間で1000万円を貯めることができた人もいます」

低コストで投資できる「インデックスファンド」

毎月の積立額を増額する場合、「バランス型投資信託」でもいいがもうワンステップ進んだ商品の購入も横山さんはお勧めする。毎回の投資額を1万円まで増やした場合、選択肢も増える。

「バランス型投信と同じく、投資信託のひとつ『インデックスファンド』がお勧めです。日経平均やダウ平均株価など、指標や指数に連動するような運用を目指します。最大の魅力は手数料が安いこと。購入時に手数料がかからない『ノーロード』と呼ばれるタイプもあります」

「インデックスファンド」は「バランス型投信」とは違い、自分で投資先や投資配分を決めることができます。「インデックスファンド」を買うなら国内外の株式や債券4つを揃えるとリスクが分散される。4つそれぞれ25%づつ持つのが基本スタイルだ。

「ちなみに私は経済状況を踏まえ、今後の成長が見込めそうな外国株の比重を高くしています。自分の考えに合わせてバランスを変えることもでき、それが投資の楽しさでもあります」

<外国株の比重を高くした投資配分の例>
日本株 15%
外国株 45%
日本債券 25%
外国債券 25%

この「インデックスファンド」の場合も“積立”で購入を。積立の場合、3000円の少額からでも始められる。また日々変動する投資信託の価格に悩まなくてもいいところがメリットだ。一度に大量に購入するよりも、少量をコツコツ購入する方が、高値づかみするリスクを平準化できる、という考え方もあるからだ。

大きな金額がなくても投資ができ、利益も上げることができる。そのためには、コツコツ積立てる息の長い投資をしよう。3000円投資生活を始めるにあたり、再度おさらいしておきたい。

「3000円投資生活の基本は、やっぱり『貯金』あっての『投資』です。まずは余剰資金を作ってから始めましょう。ですが、投資を始めれば、世界経済に敏感になり、節約・貯金生活だけでは得られないほど視野も広がります。知的好奇心をフルに活かし、楽しく将来へ備えましょう」

楽しくなくては続かない。もちろんリスクはゼロではないが、自分の持っている好奇心のアンテナをフル活用して「投資」という新しい扉を開けることも、選択肢に入れてみてはいかがだろうか?

3000円投資について、より詳しく知りたい方は横山さんの著書「はじめての人のための3000円投資生活」(アスコム)をチェックしよう。


■横山光明
よこやまみつあき/家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー、株式会社マイエフピー代表取締役社長。お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、これまで10,000人以上の赤字家計を再生。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。著書は累計95万部を超える『年収200万円からの貯金生活宣言』シリーズを代表作とし、著作は累計181万部となる。


文=西澤まどか
イラスト=八重樫王明
構成=高木沙織