年功序列はもう古い? “年上部下”の実情を調査

特集「“年下上司”と“年上部下”の関係」第1回

カテゴリ:ビジネス

  • “年上部下”を持つビジネスパーソンは5人に1人
  • 年齢の差=経験の差 “年上部下”は、“人生”の先輩
  • 上司とはいえ、“年上部下”には気を遣う人が多数

「年齢」を優先するべきか、「仕事上の立場」を優先するべきか。

人口ピラミッドが逆三角形となる中、若手が台頭すれば当然増えるのが「年下の上司」と「年上の部下」だ。この両者の関係は、一体どうなっているのだろう?

ホウドウキョクでは、“年下上司”と“年上部下”を取り巻く環境やリアルな声を探るため、25~39歳までのビジネスパーソン300人を対象に「“年下上司”と“年上部下”」についてアンケート調査(※)を行った。

“年上部下”、いる?いない?
アラサー男たちの職場事情とは

まず前提として、このような“年齢の逆転”を実際に体験している人はどれくらいいるのだろうか?

Q.あなたには「年上の部下」はいますか?(またはいたことがありますか?)

「いる」と回答したのは、22.7%(68人)。77.3%(232人)の人は「いない」とという結果だった。最近では、若手の管理職抜擢や代表取締役の就任によって若返りを図る企業の話題を目にする機会も多い。そのため、もっと年下上司は増えていると感じていたが、もう少し、市場の変化は穏やかなようだ。

“年上部下”は人生のお手本
頼りがいのある部下は好印象

では、“年上部下”を持つビジネスパーソンはの本音を、もう少し掘り下げてみよう。

Q.「年上の部下」と仕事をしていて、良かったこと、助かったことはありますか?

この問いでは、「ある」派が60.3%(41人)、「ない」派が39.7%(27人)となり、半数以上は、“年上部下”の存在に助けられた経験があることがわかった。

具体的にどんなシーンで助けられているのだろう? 「“年上部下”に助けられたことがある」派のみなさんに、フリーコメントで回答してもらったところ、「人生経験・知識」「仕事面」「常識・マナー」、この3つについての回答が目立った。

【人生経験・知識】
「私よりも経験豊富なので、自分のいたらない所や知らない知識を教えていただいたりして、仕事に活かせたことがあったため」(35歳男性/卸売業・小売業)

「人生経験が豊富で、的確なアドバイスをくれる」(28歳男性/医療・福祉)

「意外な人脈がある」(26歳男性/製造業)

「人間関係の構築がうまいところ」(29歳男性/卸売業・小売業)

「人生の相談をできた点」(28歳男性/その他)

【仕事面】
「面倒な顧客を柔軟に対応してくれた」(38歳男性/不動産業・物品賃貸業)

「常に冷静に物事にあたってくれる」(28歳男性/その他)

「その人の仕事が丁寧だった」(38歳男性/卸売業・小売業)

「自分がわたわたしている時にすごく頼りになった」(27歳男性/その他)

「目上の人として見ることで、安心して仕事を任せられる」(39歳男性/運輸業・郵便業)

「カッカしやすい時にうまくなだめてもらえる」(27歳男性/金融業・保険業)

【常識・マナー】
「社会マナーを学ばせていただいた」(27歳男性/医療・福祉)

「礼節を知らなかったが教えてくれた」(25歳男性/運輸業・郵便業)

「作法や振る舞いについて詳しい」(39歳男性/卸売業・小売業)

亀の甲より年の功。長く生きているということは、積み重ねてきた経験や知識の量も多いということ。年上部下を持つことによって、年長を貴ぶ気持ちを改めて実感したのかもしれない。

コミュニケーション不足につながる?
“年下上司”から“年上部下”への不満

一方で、“年上部下”に対しての不満を漏らす声も少なくない。

Q.「年上の部下」と仕事をしていて、困ったこと、やりにくかったことについて、具体的なエピソードを教えてください。(フリーコメント)

この問いについては、おもに「コミュニケーション」や「勤務態度」に違和感を覚える人が多い印象。いくつか回答を紹介しよう。

【コミュニケーション】
「厳しくできない」(39歳男性/その他)

「敬語を使うべきか迷った」(27歳男性/農業・林業)

「言わなければいけないことをストレートに言いにくい」(39歳男性/その他)

「怒りにくい」(29歳男性/卸売業・小売業)

「強気で指導したり、仕事を頼んだりするのがやりにくかった」(36歳男性/運輸業・郵便業)

また反対に「おっさんに敬語を使われること」(26歳男性/その他)という意見もあり、一緒に仕事をする仲間として大切な、スムーズなコミュニケーションが上手く取れないことに悩む人もいる。

【勤務態度】
「個人主義すぎて協調性がない」(28歳男性/その他)

「わがままを言う」(29歳男性/卸売業・小売業)

「愚痴が多い」(38歳男性/製造業)

「人によってプライドが高くて言うことを聞かない人が多い。素直さがない」(27歳男性/運輸業・郵便業)

「教えても自分のやり方を通す」(38歳男性/医療・福祉)

上記コメントを見てもわかるように、言うことを聞かない“年上ワンマン部下”も少なくない。やはり、年下に物言われるのは気分が良くないというのは年上の本音か。年上部下が年下上司を認め、互いに良い関係になるには、時間がかかるのかもしれない。

自分よりも若い力を素直に認めることができないのは、年長者の矜持でもあるが、「騏驎(きりん)も老いては駑馬(どば)に劣る」ということわざもある。年を重ねた方が有利なこともある反面で、若さには勝てないこともあるということ。超高齢化社会に突入したニッポン、年齢と役職の逆転はこれから増え続けていくだろう。年長・年少、それぞれより一層の尊敬と歩み寄りが大切になりそうだ。


文=明日陽樹/考務店

(※インターネットによる独自調査。調査期間:2016/11/25~28実施。調査協力:ネオマーケティング)