発毛&育毛の最前線!健康な髪を“お引っ越し”

特集「いつ身に降りかかるかわからない…オトコの薄毛問題」第3回

カテゴリ:国内

  • 薄毛を根本的に解決するのは「発毛」
  • 近年、「赤色LED」の発毛効果に注目が集まっている
  • 「自毛植毛」という手術治療も登場

薄毛(AGA)に関心を持つ男性が増加、かつ低年齢化する傾向にある昨今。コンビニエンスストアでも当たり前のように育毛関連商品を見かけるようになっている。中には、より積極的な対策や治療を行いたいと考えている人も多いだろう。他ジャンルと同様、日進月歩の進化を遂げている発毛&育毛関連業界の最前線を追った。

「人工的」な対策以上に進化する「根本的」な発毛&育毛治療。現在の注目株は?

「薄毛の対処法としてはカツラや増毛、植毛など多くの選択肢があります。しかし髪は身体の一部ですから、代用ではなく自分の髪を生やす“発毛”が唯一本質的な問題解決。カツラや増毛など、かぶせたり、くくりつけたりする対処法は、一時的で薄毛自体を改善しているものではないため、根本的な問題解決にはなっていないといえるでしょう。また、カツラや増毛をしていることを気付かれていないかと、周りの視線が普段以上にストレスになる場合も多々あります。対して、発毛は自分の髪の毛が再び生えてくるわけですから、薄毛の悩み自体を解消することができるわけです」

そう語るのは、リーブ21代表取締役社長の岡村勝正氏。マッサージやシャンプー、または薬の服用など発毛を促進する手段は多岐にわたるが、なかでも最新技術となるのが「LED」の活用だ。

「近年では赤色LEDの発毛効果への有用性が認められております。赤色LEDが毛乳頭細胞を活性化させることにより、抜け毛を抑制し、発毛育毛の効果が期待できるというものです。リーブ21では、このLEDについて調査、研究し、商品開発を進めております」
(同)

一方、「植毛」にも、大きな進化が見られる。たとえば医学博士の音田正光先生が総院長を務める親和クリニックでは、人工毛を使用せず、自分の毛を利用し植毛する「自毛植毛」を推奨している。

「『自毛植毛』とは、簡単に言えばまだ健康な自分の毛髪を、毛のないところに引っ越してきましょう、という手術を行う治療法です。主に用いられるのは後頭部の毛髪。ここに生えている毛髪は、一般的に男性型脱毛症になりにくいんです。“引っ越し”ですから全体の毛量は変わりませんし、移植元には小さな傷が残りますが、後頭部なのでほとんど目立ちません。

自毛植毛の大きなメリットとなるのが、一度植毛すれば移植した毛髪に関しては再び薄毛の心配がなくなるところです。老化による薄毛を除けば、移植した毛髪は基本的には一生涯に渡り薄くなることはありません。人工の毛髪を植えた場合のようなメンテナンスの必要もありません。もちろん自分の毛髪なので、自然と伸びてきますからヘアスタイルも自由自在。手術も簡単で、入院の必要はありません」


音田先生によれば、人工毛の移植は頭皮に異物が入ってくることになるので、身体の免疫防御反応によって、定着させることが難しいとのこと。しかし、自分の毛を用いる「自毛植毛」なら、元が自分の組織なので身体が受け入れやすいということだ。ただし、ドクターの技量が非常に結果を左右する部分であるため、手術を受ける際には病院選びに注意してほしいという。

もちろん、薄毛治療の定番となる内服薬や外用薬も進化しており、続々と新薬が登場している状況だ。

「正式に認可されているAGA治療薬としては、『プロペシア』という内服薬が注目されています。これは日本皮膚科学会の推奨度も高いものです。『プロペシア』に含まれている『フィナステリド』という成分は正式に発毛効果が認められています。最近は、さらにプロペシアよりも強い効果をもつとされる『ザガーロ』という新薬も登場しています。また『ミノキシジル』という成分が含まれた外用薬(塗り薬)も、発毛効果が認められています」
(音田先生)

「発毛」なのか「育毛」なのか、取るべき道を選ぶポイントは自分の性格次第!?

LEDによる発毛促進や自毛植毛といった本格的な治療をすることに対して、まだ抵抗があるという人もいるだろう。その場合には、発毛の一歩手前の段階となる「育毛」から始めてみるという手もある。全国から薄毛に悩む男性がたくさん訪れるというヘッドスパ専門店「PULA」の経営者、辻敦哉さんはこう語る。

「薄毛の原因は様々ですが、頭皮の環境を清潔に適切な状態に保つことは、薄毛対策に不可欠。サロンでは独自の技術を使って頭皮の汚れや毛穴のつまり、乾燥など、髪のコンディションを改善させます。またマッサージなども組み合わせ、頭皮の血行をよくして、育毛を促します。お客様にあわせ、自宅でもできる育毛法やシャンプー法のご提案、生活習慣の改善などのアドバイスもしています」

この場合も医薬品から手術、マッサージなど、様々な方法があるが、なにより育毛は継続が重要。先述の音田先生も「薬を飲んだからといって、二週間程度で効果はでません。最低半年は継続して、髪や頭皮の状態を観察してほしいと思います」と、継続の重要性を強調している。根気が必要となる育毛を選ぶか、根気はいらないが大掛かりな手術や治療を行うため、ある程度のリスクを伴う発毛を選ぶかは、個人の判断といえるだろう。

現在、アメリカやイギリスなど諸外国では、iPS細胞や幹になる細胞を利用して髪の毛を再生させようとする再生医療への取り組みが盛んだ。今後、技術が発展し薄毛が気になる部分を、自然に素早く再生可能…というような時代が到来するかもしれない。とはいえ、今のところは医療技術の革新に期待しつつ、自分にあった「継続できる」方法を見つけるしかなさそうだ。

取材協力

■リーブ21
http://www.reve21.co.jp/

■親和クリニック総院長・音田正光
https://shinwa-clinic.jp
『薄毛革命 「自毛主義」のすすめ』
http://amzn.asia/dpI2TBc

■ヘッドスパ専門店「PULA」・辻敦哉
https://www.spa-pula.com



取材・文=藤野ゆり(清談社)