国連“制裁決議”違反の「弾道ミサイル」と断定

北朝鮮が5月9日発射した飛翔体について、アメリカの国防総省は「弾道ミサイル」だと断定。複数の弾道ミサイルで、300km余り飛行した後、海上に落下したと分析している。

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国連安保理の制裁決議は、短距離、長距離に関わらず、「弾道ミサイル」の発射を禁止していて、今回の発射は決議違反にあたる。

また、韓国国防省は、飛翔体は 2発で、高度40km余りの短距離ミサイルと推定している。

北朝鮮メディアが“発射”の写真を掲載

北朝鮮の労働新聞は10日朝、「金正恩委員長が長距離攻撃手段の訓練開始の命令を下し、成功裏に行われた」と報じ、複数の飛翔体が発射される様子などの写真を掲載した。

金委員長は「不意の事態にも対処できるよう、態勢を維持しなければならない」と強調したという。

北朝鮮の発表画像には“新型兵器”の姿も・・・

北朝鮮メディアが発表した画像をさらに分析すると、“新型兵器”が写っていることがわかった。

こちらの画像では、ロシア製の「イスカンデル」に似たミサイルの発射機に、走行用のベルトが見える。

フジテレビの能勢伸之解説委員によると、これは新型の車両で、道路のような整備された場所でなくても移動できるため、予想しにくい場所からでもミサイルを撃てる能力を示しているという。

何発発射?韓国軍の捕捉の限界か?情報戦か?

そして次に注目すべきは発射した数だ。
公表された写真には少なくとも4発のロケット砲弾が、同時に写っている。

しかし、韓国軍合同参謀本部は9日、“2発の発射を確認”と発表していて、韓国軍が実際には捕捉できなかった飛翔体が複数ある可能性が考えられる。

このことから、今回の訓練で結果的に北朝鮮側は、「どんな兵器をどのように発射すれば、韓国軍に気付かれにくいか」を知ることができた可能性があるという。

ただ、北朝鮮と韓国との間で情報戦を繰り広げている可能性もある。

また、今回の画像がCGなどで修正されていたり、韓国軍の発表も意図的なものである可能性もある。

(「Live News days」5月10日放送より)