いま、新業態のサブスクリプション(月額定額制)が次々に生まれている。音楽や動画配信、本や雑誌の読み放題はほぼ定着した。いまやジムにもあるし、ラーメン店も話題になった。さらに今年は自動車大手も参入するなど、生活のあらゆるシーンに浸透しつつある。

そうした中、アメリカで利用者が急増している「シャンプー&ブロー専門店」がサブスクリプションを導入したうえで、銀座に初上陸(5月11日オープン)する。果たして利用シーンは?満足度は?

定額制の「シャンプー&ブロー専門店」Jetset銀座店 
定額制の「シャンプー&ブロー専門店」Jetset銀座店 
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NYや西海岸で利用者急増中

髪は切らない。頭を洗い、乾かしてセットするサービスに特化した「シャンプー&ブロー専門店」が、働く女性が多いNYのほか、気候的に乾燥している西海岸で増加している。
出勤前、もしくはパーティやデート前に利用する。美容院で髪を切るほどでもない、そこまでの時間もない、でも“今日は”きちんとセットし直したい。そういう時に利用することが多いらしい。

銀座に誕生するこの新サービスのターゲット層は30代-40代の働く女性だ。40代の女性とともに実際に利用してみた。 

髪サラサラで心身ともにリフレッシュ

まずは10数分かけて念入りに頭を洗う。男性と女性では皮脂の量が異なるので、客の皮脂量などをみて時間を考え、オリジナルのシャンプーで洗っていく。シャンプーは男性にも受け入れてもらえるよう、ローズなどの甘い香りではなく、バジルを使用。たしかに、優しい香りではあるが、“女性向け”という感じでもなくさっぱりとした気分になる。洗髪のあとはマッサージ。思わず気持ちよくて眠くなる。

その後、丁寧にブロー。髪はいっぽんいっぽんがサラサラになり、頭皮はマッサージ効果もありかなりすっきり。頭がとても軽くなったような気分になり、いつも自分でやっていた洗髪はなんだったのだろうかと疑問にすら感じた。まさに心身ともに入れ替わった気分。
30分のコースだったが、あっという間の出来事だった。

利用した女性は、前とあとで表情がまるで別人に。子育て真っ盛りなので、髪のケアが満足にできないなか、トリートメントもきちんとしてくれ、大満足の結果だったとのこと。特にアイロンは自分でできないプロの仕上がりに感動していた。独身で働いていて、勤務先や自宅近くにあれば絶対に通っていた、と笑顔で語った。

女性の仕上がり
女性の仕上がり

サブスクリプション業界は急成長中

2018年12月から2019年3月における、国内のサブスクリプションサービス市場(音楽やファッション、定期宅配など8サービス)を調査した矢野経済研究所によると、2018年度のサブスクリプションの市場規模は5,627億円。2019年度は6,485億円と15%拡大し、2023年度には8,623億円に達するという
 
特に音楽配信がその成長に寄与しているとはいえ、新しいサービスが次々に生まれていることも、市場規模の拡大につながっている。

この店舗「Jetset」の気になる料金は、ブローとアイロンで月額16000円から。洗髪とブローなら月額18000円。すべて込みにした場合、月額23000円だ。サブスクリプション市場が拡大中のいま、消費者は「所有」することよりも「利用」することに重きを置きつつあることがわかる。サービスは文句なし。果たして消費者がこの価格をどう見るか。時代に乗ることができるかどうか、これからが試されている。 

(執筆:フジテレビ プライムオンラインデスク 森下知哉)

森下知哉
森下知哉

「そのニュースは未来の事件・事故を防ぐことにつながるのか。生活はより豊かになるのか」が取材テーマ。
2001年フジテレビにアナウンサーとして入社。夕方の報道番組「FNNスーパーニュース」のリポーター・キャスターを9年担当したのち、2009年に海外特派員としてNYへ。2013年に帰国したのち、社会部(司法・警視庁)、政治部(官邸・与党)を担当。好きな映画は「APOLLO 13」「リトルミスサンシャイン」。自動車・大型自動二輪のほか潜水士、船舶免許1級の資格を保有。なのにどちらかというとインドア派。