天皇家で初となる海外での長期滞在

即位まであと6日に迫った4月25日、皇太子ご夫妻は三種の神器を受け継ぐなど5月1日の即位に伴い行われる儀式のリハーサルに臨まれた。

今回、FNNの新たな取材により皇太子さまが国際感覚を磨かれたイギリス留学時代の秘話が明らかになった。

海外の要人とも英語で談笑される皇太子さま。もてなすには英語力だけでなくその場にふさわしい話題を選ぶ豊かな教養が求められる。

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皇太子さま:(2011年)
私自身、英国に留学した際に経験した様々な事柄が今日の私の貴重な財産となっており…

今から36年前の1983年。皇太子さまは、イギリスの名門オックスフォード大学に2年数か月留学された。天皇家では初めてとなる海外での長期滞在だった。

「プリンス・ナルヒト」で周りの同級生はビックリ

皇太子さまのイギリス生活を2年にわたって取材したのがイギリス在住のジャーナリスト加藤節雄さん

イギリス在住のジャーナリスト・加藤節雄さん:
先生が一人一人の名前を呼ぶんです。「ミスター・ジェームズ」とか「ミス・○○」とか。突然「プリンス・ナルヒト」って。今まで“ミスター”とか“ミス”だったのが、いきなり“プリンス”って呼ばれて周りの人がビックリして「おぉー」って…皇太子さまもつられてニコニコしていた

住み込みの警護担当が明かす皇太子さまの素顔

当時、皇太子さまの警護を担当したロジャー・ベーコンさんに取材することができた。

当時警護を担当していたロジャー・ベーコンさん:
これが私と同僚が住んでいた部屋です。

皇太子さまの隣の部屋に住み込み24時間態勢で任務にあたったという。

ロジャー・ベーコンさん:
皇太子さまの部屋は私たちの部屋の奥にあります。鉄板で保護されたドアを通らなければなりません。さらに私たちの前を通らなければ部屋にはアクセスできないのです。だから極めて安全でした

皇太子さまは勉学に打ち込む一方イギリス王室と親交を深め、ケンジントン宮殿ではチャールズ皇太子やダイアナ妃と面会も。

更に、エリザベス女王とも交流されるなどイギリス文化を吸収された。

留学時代について皇太子さまは「テムズとともに」の中で「警備もさることながら、イギリス生活も教えてくれた」とロジャーさんに感謝を示されている。

当時皇太子さまはロジャーさんとイギリス伝統のパブにも通われたという。

ロジャー・ベーコンさん:
彼(皇太子さま)は自由を楽しみ、よく笑顔を見せていました。

ロジャー・ベーコンさん:
真面目だけどジョークが大好きで、とても社交的な方でした。一緒にいてとても幸せを感じました。パブに行ったり人々と会うことを楽しんでいた。

ジャーナリストの加藤さんは留学した2年間で皇太子さまの印象は大きく変わったと話す。

イギリス在住のジャーナリスト・加藤節雄さん:
2年たっているから堂々とイギリス人と対等に話をしているし、話題も尽きないくらい色んな話ができる。英語もお上手になりましたし、すごい成長ぶりだと思いました。21世紀に皇室が生き残る全てのものを身につけてきていると思います

海外留学をはじめとする数々のご経験は陛下となられるこれからも貴重な財産であり続ける。

(「Live News it!」4月25日放送分より)

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