駐車違反をした外交官ナンバーの車の違反金の踏み倒しが約3000件にのぼることがFNNの取材で初めて明らかになった。外交特権の悪用の実態に迫る。

堂々と駐車違反・・・外交官ナンバーの車

交通量の多い東京都心の通りに止まる駐車違反の車。

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ナンバープレートは、青色で“外”という文字がある。
これは大使館関係者らが使う、いわゆる“外交官ナンバー”だ。

今回、外交官という立場を悪用して駐車違反金の踏み倒しを繰り返していた、驚きの実態が明らかになった。

多くの大使館が集まる東京・港区。
取材をしていると、早速、外交官ナンバーの駐車違反車両を発見した。

目の前にはトルコレストランがあった。
戻ってきた運転手を直撃した。

記者:
駐車違反ですよね?

運転手:
はいはい、だから何?そこで食事してたんだ。

記者:
安全ではないですよね?

運転手:
安全じゃないのはわかっているよ。

記者:
気にしない?

運転手:
気にしないよ。駐車場がないから。

“外交特権”の悪用

国内の登録数はおよそ2000台に及ぶ外交官ナンバー。
駐車監視員による取り締まりは行われるが、いわゆる外交特権の悪用による駐車違反金の踏み倒しが横行しているのだ。

通常、駐車違反をした場合、反則金や放置違反金を納めなければ、裁判にかけられたり、預貯金などを差し押さえられたりする。

しかし、外交官の場合は、ウィーン条約に基づく外交特権により、裁判や差し押さえが免除される。

外交官ナンバーの違反金踏み倒しは年間約3000件

この特権を悪用し、放置違反金を5年間支払わずに時効を迎えた数は、2017年度だけで約3000件。

これは1件あたりの違反金を1万5000円とすると、1年間の踏み倒し総額は4500万円にも上る計算だ。

違反金踏み倒し トップはロシア 2位は中国

さらに取材を進めると、ある国の外交官ナンバーを多く目にした。
それは「79」(ロシア外交官ナンバー)。

駐車禁止エリアに止められたロシアの外交官ナンバー車両。

さらに他の場所でも、堂々と止められているロシア外交官ナンバーの車を発見した。

記者が運転者に「ここに駐車するのは違法なのですが?」と問いかけたが・・・

運転手は何も答えず、車に乗って去っていった。

放置違反金の踏み倒し約3000件のうち、国別では、ロシアが約25%でトップ。次いで中国が約20%を占めている。

FNNの取材に対し、ロシアと中国の両大使館は、回答していない。

一方、日本の外務省は「法令尊重の注意喚起を行っているが、今後も注意を払っていく」とコメントしている。

(「Live News it!」4月24日放送より)

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