質の良い大きな牡蠣を!震災後にゼロからの再出発で考案した自然に優しい養殖法

  • 震災による津波で牡蠣養殖用の筏を失ってしまう…
  • 大量生産ではなく、自然に負荷をかけない養殖を!
  • “海が命を育む力”を生かした漁業は世界でも注目

2011年に起きた東日本大震災。宮城県南三陸町も津波に襲われた。

志津川で長年、牡蠣の養殖業を営んでいた宮城県漁協志津川支所・後藤清広さんも、津波によって養殖用の筏(いかだ)をほとんど失ってしまった。

後藤さんは「筏も加工設備も全て流されました」と当時を振り返る。 

自然に負荷をかけない養殖を

ゼロからの再出発を余儀なくされた後藤さんが考えた養殖法が今、世界中の環境保護団体から注目されているという。

後藤さんは、「実は、震災前は立派な牡蠣は捕れなかったんです。以前は、大量生産ばかりに目がいって。そのうちに成長が悪くなり、いつの間にか自然に負荷をかけていたんですね」と話した。

震災前は養殖用の筏をびっしりと並べていたが、津波で流されてしまい、筏の量を3分の1に減らして再開したところ、これまで収穫までに3年かかっていたのが、わずか1年ほどで大きくて質の良い牡蠣が捕れるようになった。

後藤さんが考案した、自然環境に負荷をかけない養殖法は世界的に評価され、2016年には水産養殖の国際的な環境認証「ASC認証」を取得。世界自然保護基金(WWF)など、海外の環境保護団体も視察に来ている。

“海が命を育む力”を生かした、本来の漁業の姿。

後藤さんは「今までは自分のことだけという漁業だったのですが、それでは必ず行き詰まってしまう。持続可能な動きが広がればいいかなと思います」と語った。

震災を機に、原点に回帰した漁業のあり方を見い出した後藤さんの思いは、未来への大きな一歩につながっていく。

SDGs

SDGsとは、2015年9月の国連サミットで、全会一致で採択された「持続可能な開発目標」。
https://www.fujitv.co.jp/futurerunners/sdgs.html

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