ハリー王子とメーガン妃が「国外追放」?

DAILY BEAST公式サイトより
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英国のハリー王子とメーガン妃が、「国外追放」になるらしい。
21日の英紙「サンデー・タイムズ」電子版が先ず報じたもので、英王室関係者はサセックス公爵(ハリー王子)夫妻が出産後は国際的な任務を与えられて海外に移住する計画を立てているという。

王子の助言者たちは、英王室のロックスターのような人気者の立場を利用した任務を考案中で、恐らくはアフリカを中心に英連邦を代表してチャリティ活動などを行うことを考えているともいう。

また大衆紙「ザ・サン」電子版は、二人は南アフリカかザンビアを拠点に年に3~4ヶ月活動する予定で、この計画はエリザベス女王やチャールズ皇太子も賛成していると伝えた。

ハリー王子夫妻はアフリカでデートをしたのをきっかけに結婚したと言われており、アフリカの自然を好んでいると伝えられるので一見この計画は彼らの希望に応えるものとも思える。

兄弟の関係が疎遠に?

ケンジントンパレス公式ツイッターより
ケンジントンパレス公式ツイッターより

 しかし、その背景には悩ましい英王室の事情があるらしい。
「ある意味で、兄のウィリアム王子は弟(ハリー王子)を数年間でも国外にやりたいのだ。メーガン(妃)はできるだけ遠くに追いやりたいと考えている」

王子たちの友人の一人は「サンデー・タイムズ」紙にこう語ったという。
ハリー王子の結婚以来世間の関心が夫妻に集中してウィリアム王子夫妻の影が薄くなったこともあって、兄弟の関係が疎遠になっていると伝えられていた。先の復活祭の礼拝集会でも、二人は話もせず顔も合わせなかったことから確執が取りざたされていた。

そこで、ハリー王子夫妻は将来王位を継承するであろうウィリアム王子夫妻への脚光を奪わないように海外へ追いやられるのではないかと言われ始めており、米国のマスコミは遠慮なく「exile(国外追放)」という表現でこのニュースを伝えている。

過去にもあった「国外追放」

実は英国王室には「国外追放」の前例がないわけではないのだ。
エリザベス女王の叔父のエドワード八世は、離婚歴のある米国人シンプソン夫人と結婚するために1937年に退位したが、その後はほとんどをフランスで過ごし実質的に「国外追放」の形で余生を過ごした。

そのエドワード八世が新婚当初過ごしていたのがロンドン郊外のウィンザー城近くにあるフロッグモア・コッティジだった。コッティジ(小屋)と言っても一〇寝室ある邸宅だが、奇しくも今はハリー王子とメーガン妃がロンドン市内のケンジントン宮殿から出産のためにこのコッティジに移り住んでいるのだ。

 歴史は繰り返すのだろうか?

【執筆:ジャーナリスト 木村太郎】
【イラスト:さいとうひさし】

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理屈は後から考える。それは、やはり民主主義とは思惟の多様性だと思うからです。考え方はいっぱいあった方がいい。違う見方を提示する役割、それが僕がやってきたことで、まだまだ世の中には必要なことなんじゃないかとは思っています。
アメリカ合衆国カリフォルニア州バークレー出身。慶応義塾大学法学部卒業。
NHK記者を経験した後、フリージャーナリストに転身。フジテレビ系ニュース番組「ニュースJAPAN」や「FNNスーパーニュース」のコメンテーターを経て、現在は、フジテレビ系「Mr.サンデー」のコメンテーターを務める。