過去最大級GW10連休の“長さ”は「五月病」にどんな影響がある? 専門家に聞いた

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  • 毎年ゴールデンウィークが終わると心配な「五月病」
  • 今年は異例の10連休となったが、休みの長さは五月病に何か影響が出るのか?
  • まだ間に合う!五月病を予防するGW後半の過ごし方

平成から令和にかけてとなったゴールデンウィーク(GW)が終わるまであと少し。

長期休みの10連休となった今回、旅行先でゆっくり過ごしたり、レジャーを楽しんだりしている人も多いのではないだろうか?
 
だがそんな連休が終わると、待っているのは溜まった仕事の処理もそうだが、日々仕事という日常だ。そこで、この時期に気をつけなければならないのが「五月病」だろう。新入社員など4月からの慣れない仕事環境からくるストレスなどが原因と言われている。 

今年のGWは過去最大級の10連休となったが、「休みが楽しすぎて会社に行きたくない」とすでに憂鬱になっている人もいるだろう。

日本人はあまり長期休暇になれていないが、休みの長さが五月病の発症に何かしらの影響を与える可能性はあるのだろうか? 
また、残り数日となった今、予防するためにどんな過ごし方をすればいいのだろうか?
産業医で一般社団法人日本ストレスチェック協会の武神健之代表理事に話を聞いた。 

五月病となる要因は大きく分けてふたつ

ーー五月病って一体なに?

年度が替わり、学校や職場などの生活環境が変わって間もない頃、目立った病気などがあるわけでもないのに「なんだか調子が良くない」と感じてしまう。その状況がゴールデンウィークを経ても改善しない。こうした症状が、一般的に「五月病」と呼ばれています。

産業医として1万人以上の働く人と面談をしてきた経験から、五月病の原因の多くは4月の過ごし方に起因していると感じています。新しい生活環境への変化に上手に適応しきれないため、翌月の5月になってから体や心の不調が現れてしまっているのです。


ーー新しい生活環境への変化に適応しきれないとはどういうこと?
 
新生活のスタートで生じがちな「問題」は、学生時代の友人たちとの疎遠と、新生活への高すぎる期待が生むストレスです。このストレスが大き過ぎると、メンタルヘルス不調にまでこじらせてしまう可能性があるのです。
 
そして、もう1つの原因として、GW明けから海の日(今年は7月15日)まで、祝日のない期間が約2カ月間続くこともあげられると思います。祝日のない期間が一年で一番長い時期に、体調不良をリセットできることなく、悪化させてしまうのでしょう。

「10連休で例年よりも五月病を予防しやすいのでは」

ーー今年のGWは10連休と例年より長い。休みが長いほど五月病になりやすかったりするの?
 
そのような医学的根拠は聞いたことがありません。休みの長さと五月病には、関連性がないと思います。

むしろ10連休もあるので、長期旅行に出掛けたり、自分が好きなことに熱中できる時間がたっぷりとあるので気分転換をしやすく、五月病を予防しやすいのではないかと思います。この期間に、新生活に伴って抱えた4月のストレスを、うまく発散できる可能性もあります。

ーーでは10連休のGW後半にできる五月病予防はなに?
 
この10日間を思いっきりリフレッシュできる人は、それがやはりベストだと思います。「元どおりに働けなくなるのでは?」と心配になる方は、最後の3日ほどは早寝早起きなど、いつもの生活リズムで過ごされればよいでしょう。


ーーほかには?
 
一番大切なことは、GW後の次の休みをいつ取るかを決めておくことです。可能であれば、海の日よりも手前で1、2日は取りましょう。金曜日や月曜日に取って、2泊3日の少し長めの週末を過ごしてみてはいかがでしょうか。
 
今年は政府が進める働き方改革で、年間5日間の有給休暇取得が多くの会社では義務となりました。きっと職場でも取りやすい雰囲気があると思います。ぜひ、GW中に、次の休みの日を決めておきましょう。

五月病予防にはリセット、リフレッシュする時間が大切

ーー逆に、一番やってはいけないことは?
 
休みの間に、「頑張ってxxする」などと目標を立てるのはやめましょう。特に、4月に立てた勉強などの目標や日課が忙しくてこなせなかった人ほど、GWの間に挽回したり、5月分の予習をしようと考えがちです。これでは4月にたまったストレスの発散機会を失います。

根詰めてやるよりも、まずはリセット、リフレッシュする時間が大切です。そこでこの10日間の連休をよい機会として、体も心も十分に休むようにしましょう。リフレッシュできた後で頑張ることは否定しませんが、まずはこれを意識してください。

ーーもしGW明けに「五月病かも?」と思ったらどうすればいい?
 
まずは、自分の身近な人に、「最近、僕(私)調子が悪いんだけど…」などと相談しましょう。強い不安、悩み、ストレスがある時に、他人に相談すると、約9割の人が「解決するか、楽になる」というデータがあります。なお、この相談相手は、医者やカウンセラー等の専門家ではなく、家族、友人、同僚、上司などです。

今は五月病とは無縁と思っている人も、もし自分の調子が悪くなった時に相談する相手について日頃から考えておきましょう。「仕事関係ならこの人」「プライベートならこの人」などと決めておくと、いざという時に迷わないで済みます。


あと数日で終わりとなる今年の大型連休。意外にも休みの長さと五月病は関連がないということだったが、ちょっと不安な人は、残りの休みをいつもの生活リズムに徐々に戻していくのがいいそうだ。

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