日本マイクロソフトが夏に試す「週休3日」は家族旅行の費用もサポート! 興味深いので詳しく聞いた

カテゴリ:ビジネス

  • 日本マイクロソフトが8月に金曜も休みとする「週休3日制」を試験導入
  • 特別有給休暇を取得でき、家族旅行などの費用もサポート
  • 「普段以上の仕事の効率化」も目的の一つ

あなたは「週休3日」と聞いてどう思うだろうか?  うらやましい、それとも収入が減りそうで心配?
4月から働き方改革関連法が施行され、GWが異例の10連休になることもあって、仕事と生活のワークライフバランスを考える機会が増えている。

そんな中、日本マイクロソフトが週休3日制を試験導入すると発表した。

日本マイクロソフト・平野拓也社長

日本マイクロソフトは今年8月の金曜日を休業日にして、全正社員およそ2,300人を対象に週休3日制を試験導入するという。
8月の金曜日は計5日あるが、この日は全正社員が有給休暇とは別に設けられた特別有給休暇を取得し、全てのオフィスをクローズ予定だ。

この週休3日制は、日本マイクロソフトの自社プロジェクト「ワークライフチョイス チャレンジ 2019 夏」で行われる施策の一つ。
ワークライフチョイス」とは、社員一人一人が、仕事(ワーク)や生活(ライフ)の事情や状況に応じた多様で柔軟な働き方を、自らがチョイス(選択)できる環境を目指すというもの。
週休3日制も単に休みを増やしただけではなく、全社員が「短い時間で働き、よく休み、よく学ぶ」ことにチャレンジし、生産性や創造性の向上を目指すことが目的だとしている。
そのため、休暇中に行ったスキルアップやボランティア、家族サービスなどの費用は、最大10万円程度まで会社が支援するとしており、家族との国内旅行費用やスポーツ施設利用料、レジャー費用なども例に挙がっている。

週休3日の会社は微増

日本マイクロソフトの週休3日制は休めてお金ももらえるが、他の企業ではどうなのだろう?

佐川急便では、2017年から一部地域のドライバーを対象に週休3日制を導入しているが、週休3日の希望者は休日が増える分、出勤日の勤務時間が2時間増える。
また、Yahoo! JAPANでは、育児や介護などを行う社員が対象で、休んだ分は無給になる。

厚生労働省による平成30年の調査では、「月に1回以上の週休3日制」を導入している企業は6.9%。
これは前年調査の6.0%に比べて0.9ポイントとわずかながら増加しているが、まだ普及しているとは言いがたい。

出典:厚生労働省

※「主な週休制」とは、企業において最も多くの労働者に適用される週休制をいう。
※「完全週休2日制より休日日数が実質的に多い制度」とは、月1回以上週休3日制、3勤3休、3勤4休等をいう。


日本マイクロソフトの今回の週休3日制の試験導入では、残りの4日の仕事時間は増やすのか?そして、全正社員が一斉に休むことで取引先への影響はないのか?など担当者に疑問を聞いてみた。

「普段以上の仕事の効率化」も狙いの一つ

――8月の金曜日は本当に全社員が休む? 仕事の電話も禁止?

「ワークライフチョイス」をさらに体感するための取り組みですので、各社員の判断に委ねられます。
本取り組みでは特別有給休暇の日程が8月の毎週金曜日と決まっていますが、この日にもともとお客様とイベントを企画しているなど業務上必要な場合や、ワーク(業務)に集中したいという社員は、予め上長と相談して、別日程に振り替えることもできますし、休みやボランティア等で出かけている社員も、お客様にご迷惑をかけることの無いよう、予め休みの間の緊急連絡方法を決めておくなど、柔軟に対応します。


――持ち回り制や交代制ではなく、金曜日に全正社員が一斉に休むメリットは?

予め日程が決まっているため、その日程に向けて社員本人と周りのお客様などと調整しやすいこと、実施後に効果測定する際にも、同時期に実施したほうが、正しい結果が出やすいことなどが挙げられます。

一点ご注意いただきたいのは、今回の特別有給休暇を単純に夏休みのように休むこともできますが、スキルアップやボランティアなど新たなことへのチャレンジを推奨する取り組みですので、「一斉に休む」とは言いづらいように思います。


――週休3日にしたことで、週4日の仕事時間が増えることはないの?

仕事量は普段と変わりません。
勤務日が1日減る(-20%)ことになりますので、普段以上に効率化して取り組む必要があり、それが狙いの1つでもあります。
普段の自身の働き方を振り返り、改善にチャレンジすることが、本プロジェクト終了後も、社員一人一人、ひいては会社全体の業務効率アップや、クリエイティビティの向上につながると考えています。


――これまで5日間でやっていたことを4日間で行うためには、どのような工夫が必要なのでしょう。

各社員の普段の働き方によりますので一概には言えませんが、例えば同じ部署の3人が参加していた会議を1人に任せるだけでも、社員1人当たりの会議数を減らすことができます。
こうした方法を考えるきっかけ作りとしても、本取り組みを活用したいと考えています。

すでに様々な取り組みを実践

日本マイクロソフトが本格的な働き方改革に乗り出したのは、本社を移転した2011年2月頃だという。
それ以来、当初は社員にもなじみが薄かったテレワークの導入をはじめ、新たな働き方の実現のため以下のような様々な取り組みを行ってきた。

・いつでもどこでも快適に働くことのできるITシステムの導入
・フレキシブルシーティング(固定席・固定電話の廃止)
・フレックスタイム勤務におけるコアタイム(会社にいなければいけない時間)の廃止
・出産・育児・介護などで一定の有給を認めるファミリーフレンドリー休業制度
・キャリアを中断したり離職した女性の復帰をサポートする、リターンシップ プログラム

――今までの取り組みで効果がないものもあった?

当社は、まずは先陣を切ってとにかくやってみる、トライしてみるという考え方で取り組んでいますので、あまりうまくいかなかった取り組みも当然あります。
ただ、効果があまり上がらなかった取り組みであっても、その結果を検証することで、他の活動やビジネスに活かすことができますので、全体として着実に進展してきていると考えています。


――日本マイクロソフトが目指す働き方とは?

いつでもどこでも働くことが可能で、ワークとライフのバランスをとることができる「ワークライフバランス」は、昨今のITシステムやクラウドサービスの普及によって、多くの企業で実現しつつあります。
当社はそこから一歩進んで、個々の社員がその時にベストなワーク、ライフを選択できる「ワークライフチョイス」を掲げています。

社員一人一人が置かれている環境はその人によって、子育てが必要だったり、介護が必要だったり、とにかく仕事に没頭したかったり、それぞれ違いますので、個々の社員がその時々でベストな選択をしてワーク、ライフに取り組むことができる考え方や仕組みを目指しています。


日本マイクロソフトは、同時期に行政主導で実施される「テレワーク・デイズ2019」(7月22日~9月6日)にも参画予定で、週休3日制は来年8月の実施もすでに決定しているという。

給料も減らずに週休3日制の取り組みがうまくいけば働く側にとってはありがたい話だ。日本マイクロソフトは今回の取り組みで、勤務時間がどのように変化するのかなどを検証するとしている。

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