15年ほど前は、町から子供の声が消えていたという岡山県奈義町。 

この記事の画像(8枚)

「人口がどんどん減ってきていて、“未来にもっと減る”のはデータでは出ているので、それに歯止めをかけるにはどうしたらいいのか」と奈義町まちづくり戦略室の遠山健一朗さんは悩んだという。

短時間でも働ける仕事を

そこで町役場と町民が一体となり、“みんなが幸せに暮らせる”方法を考え出した。

町民の意見を聞いて作ったのは、子育て中の母親やシニア世代に短時間で出来る仕事を紹介する場所「しごとスタンド」。

取材に訪れた日は、玉子屋さんからホームページに載せる商品撮影の仕事が来ていた。

求められているのは、プロの腕前ではなく主婦目線。「子どもを撮っていただけなんですけど…」と恐縮する女性だが、主婦らしさを交え、商品の撮影をしていた。

みんな「働く場所がない」と考えていたが、意外にも落ち葉の枝集めや芋の洗浄、裁縫と仕事はあった。

目指すは誰もが楽しく暮らせる町

さらに、「ちょいワルじいさんプロジェクト」という、引きこもりがちな高齢男性を外に連れ出すためのさまざまなイベントを実施。

「ちょいワルじいさんプロジェクト」の作戦会議では、同じような年齢の人たちが集まり、意見が活発に飛び交っていた。

“活気のある町にしたい”その思いが町民一人一人に根付いた結果、10年で出生率が2倍になった。

誰もが楽しく暮らせる町を目指す奈義町。

遠山さんは「いろいろな魅力を持った方に来てほしいと思います。若い人やお年寄り関係なく、自分の好きなことで活躍できる町になればと思います」と話した。

遠山さん、そして奈義町の人たちの思いが、未来の大きな力になるかもしれない。


SDGs

SDGsとは、2015年9月の国連サミットで、全会一致で採択された「持続可能な開発目標」。
https://www.fujitv.co.jp/futurerunners/sdgs.html