天皇皇后両陛下の最後の地方訪問が4月17日から始まった。
最後の訪問地は伊勢神宮だ。

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両陛下 “最後の地方訪問”伊勢神宮へ

4月17日午後1時過ぎ。東京駅に集まった大勢の人々。
両陛下は車から手を振って応えられた。

天皇皇后として最後の地方訪問となる伊勢神宮参拝のため、東京駅に到着された両陛下。

安倍首相も見送る中、皇位とともに歴代天皇が受け継ぐ「三種の神器」のうち「」と「勾玉(まがたま)」を皇居から持ち出す「剣璽動座」は5年ぶりに行われた。

伊勢神宮の最寄り駅 近鉄・宇治山田駅では、午前中から大勢の人が両陛下のご到着を待ち受けていた。

大阪から来た女性「やっぱり最後と聞いただけで、胸がドキッとするような寂しさを感じます」
名古屋から来た女性「最後に感謝の気持ちでお出迎えできたらなと思います」

そして、午後5時前、両陛下は宇治山田駅に到着された。

両陛下の初めての伊勢ご訪問は60年前の4月17日

両陛下の初めての伊勢ご訪問は、奇しくも60年前のきょう4月17日だった。

当時、陛下はモーニングにシルクハット。
皇后さまは花模様の入った白い裾長の参拝服。

天照大神を祀る伊勢神宮内宮を訪れ、結婚の報告をされた。

そんなお二人の姿を一目見ようと、集まった人々はまさに押し合いへし合い。

今明かされる60年前の皇后様の“秘話”

皇后さまと本の編集などを通じて親交のある末盛千枝子さんは、この時、皇后さまが初めて“あること”に気づかれたという。

それは、両陛下を乗せた列車を、人々が見送った場面でのこと。

末盛千枝子さん:
お召し列車が通るわけじゃないですか。そうすると、その道端でいろんな人たちが旗を振ったり手を振ったりしていますでしょ。列車が通り過ぎてから皇后さまが振り返ってご覧になったところ、そのお二人が元々知っている人同士だったかどうかはわからないけれども、あ、もう一人あちらにも手を振っている人がいると気が付いて、良かったねという感じでお二人が手を振り合っていたというのをご覧になったらしいです

皇后さまが気づかれたのは、集まっていた人々の間で自然と生まれた結びつきだった。

末盛千枝子さん:
その時に皇后様は、「皇室にいるということはこういうことなんだ」と思われたらしいんですね。人と人とを結びつける、きつい結び目ではなくて、緩やかだけど、なんとか人と人とを結びあわせるような、そういう存在が求められているのではないかとお思いになったらしいんですね

人と人とを緩やかに結びつける存在でありたいという思いを刻まれた皇后さま。

両陛下は18日、伊勢神宮を参拝し、13日後に控える退位を報告される。

(「Live Nesw it!」4月17日放送より)