開園から今まで新エリアやアトラクションなど常に進化をし続けてきた東京ディズニーリゾートだが、4月18日放送の「直撃!シンソウ坂上」(フジテレビ系)では、東京ディズニーリゾートの誕生の秘密に迫った。

さらに、番組MCの坂上忍を始め、ゲストの室井滋さんや柳原可奈子さんが東京ディズニーリゾートを訪れ、オリエンタルランド8代目社長の上西京一郎さんを直撃した。

接客マニュアルは存在しない? 

東京ディズニーリゾートの魅力の一つが、常に笑顔で“神対応”とも呼ばれるおもてなしをするパークで働くキャストの存在だ。

坂上やゲストの室井滋さんや柳原可奈子さんが、“神対応のスペシャリスト”がいるというワールドバザールのお店へ。

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笑顔で現れた女性は、オープン時から36年パークで働いているという、キャストの石津君子さん。実は、オープン時から働いている準社員は二人だけだという。

坂上が「(働く際に)これだけは気をつけている、ということはありますか?」と問うと、石津さんは「いつも同じ気持ちで働いていたい。“毎日が初演”ということで働いています」と話した。笑顔で答える石津さんを見て、柳原さんは「笑顔を絶やさない、完璧なテンション。みなさん、パーフェクトな印象がありますね」と驚きを見せた。

こうしたキャストたちは、パークを運営するオリエンタルランド本社にある研修施設「ディズニー・ユニバーシティ」でキャストになるべく教育を受けているという。

オリエンタルランド キャストディベロップメント部の友清絵梨香さんは「ディズニーでは、サービスに関するマニュアルがないんです。東京ディズニーリゾートに訪れるゲストに一人一人に純粋に楽しんでいただきたいということと、素敵な思い出をお持ち帰りいただきたいというキャストの思いを届けるため、自主的に行動してほしい、ということを伝えています」と話す。

接客マニュアルは存在せず、キャスト一人一人が考えて、ディズニーの精神に基づいた接客を行う。その精神を学ぶために東京ディズニーリゾートでは、パークでの研修を含めて5日から1週間という時間を掛けている。

そんな自主性を生んだパークの名物が、清掃用のほうきと水を使って、地面にディズニーキャラクターを描く「カストーディアルアート」。これもキャスト自らが考えたもの。

また、季節のイベントに合わせた新たなキャラクターやグッズの説明会にも自主的に参加。キャラクターの設定やデザイナーの思いをしっかり学び、グッズの魅力をいかに伝えるかもキャスト自身が考えている。

“埋め立て地から夢の国へ”2代目社長の情熱

今や年間3000万人を超える人が訪れる東京ディズニーリゾートのある千葉県浦安市は、現在、ホテルやマンションが立ち並ぶ街になっている。

しかし、1960年頃の浦安は江戸川と東京湾をつなぐ水路沿いに築かれた人口約1万7000人の漁師町だった。そこに住む漁師たちは目の前に広がる東京湾で海苔やアサリをとり生計を立てていた。

この海を埋め立ててベッドタウンやレジャー施設の建設計画が立ち上がったのは1960年のこと。

漁師たちの説得に当たったのが、のちにオリエンタルランド2代目の社長に就任する髙橋政知さん。この人物なしに、東京ディズニーランドは誕生しなかったと言っても過言ではない。

その業績を称えた証が東京ディズニーランドのある場所にひっそりと残されている。

その場所はワールドバザールにあるショップの窓ガラス、英語で髙橋さんの名前が記されている。

“ディズニー・レジェンド”といわれる、アメリカのディズニー本社が並々ならぬ貢献をした人物に贈る称号で、2代目社長の髙橋さんもその一人だ。

髙橋さんは漁師たちを説得した際、立派な遊園地を作ることを約束し、この約束が髙橋さんの東京ディズニーランド建設への情熱を駆り立てることになる。

1964年、今から55年前に浦安の海の埋め立て工事が始まったが、この段階では「ディズニーランド」の誘致は白紙状態。正式にアメリカのディズニー本社と交渉が始まったのは、実は埋め立て開始から7年後のこと。その難しい交渉をまとめたのも2代目社長の髙橋さんだった。

さらに髙橋さんは、東京ディズニーランドの建設が始まると、当初の総工費は1000億円と見込まれていたが、「金を惜しむな、本物を造れ」と大号令を掛け、1800億円という破格の建設費を投じた。

そして埋め立て計画から23年が経った1983年に、夢と魔法の王国「東京ディズニーランド」が誕生し、18年後には漁師たちの海だった場所に、海をテーマにした第二のパーク「東京ディズニーシー」が誕生した。

今後も毎年進化するディズニーリゾート

今後、東京ディズニーリゾートはどんな進化を遂げていくのか。

就任して10年、オリエンタルランド8代目社長の上西京一郎さんに坂上が、新エリアの真相を直撃した。

社長を前にして緊張する坂上だが、まずは「2020年の春にオープンするという新エリア」について質問。
上西社長はクレーンが見える工事中のエリアを指しながら、「あの場所にはディズニー映画『美女と野獣』をテーマとしたエリアを始め、『ベイマックス』をテーマにしたアトラクションや、ミニーマウスと会えるグリーティング施設が2020年の春を予定にオープンします」と説明。

また、映画『美女と野獣』のアトラクションについて、上西社長は「その物語に沿って(深皿をモチーフにした)乗り物に乗り、体験することができるアトラクションです」と解説。

現在作業中だというこのアトラクションをちょっとだけ公開してもらった。

アメリカの技術者たちの手により、CGで作られた主人公のベルが最新技術を駆使した仕掛けによってリアルな動きを再現。映画のさまざまなシーンのベルに会うことができる。

さらに、上西社長は「今年7月に東京ディズニーシーに新しい大型のアトラクション『ソアリン:ファンタスティック・フライト』がオープンします。そして2021年には映画『トイ・ストーリー』をテーマにした5番目のディズニーホテルがオープンし、2022年に東京ディズニーシーの拡張プランがオープンする予定になっています」と新たな進化を明かした。

「毎年じゃないですか!」とその進化のスピードに坂上が驚くと、映画『ファインディング・ニモ』に出てくるキャラクター・ドリーの声を務めた室井さんは恐る恐る、「ニモとドリーの物語のアトラクション『ニモ&フレンズ・シーライダー』は大丈夫でしょうか…?」と質問。

すると、大西社長は「大変、人気を博しております」と笑顔で答えると、「ありがとうございます」と室井さんはホッとしていた。

多くの日本人を虜にし、成長をし続けてきた東京ディズニーリゾート。

坂上が「社長がお仕事をされる上で一番大切にされていること」について聞くと、「ウォルト・ディズニーの言葉に、『ディズニーのテーマパークは永遠に完成しない』という大変素晴らしい言葉があります。ですから、私たちもゲストの期待を超えるように、常に進化し続けていくパークであるように挑戦していかなければならないと思っています」と話した。

36年、延べ7億5000万人を超える人々が訪れた東京ディズニーリゾート。そこにはたゆまぬ向上心と止まることのない進化があった。

(「直撃!シンソウ坂上」毎週木曜 夜9:00~9:54)

直撃!シンソウ坂上
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