新たな「ウォーターゲート事件」になるか?! やはりFBIがトランプ選挙をスパイしていた

カテゴリ:ワールド

  • 「確かにスパイ活動が行われた」と司法長官が明言
  • ウォータ事件と酷似しているが、スパイの主体は民主党
  • 「ロシア疑惑」の真犯人は誰だ?

ウォーターゲート事件を彷彿とさせる証言

議会の公聴会で発言するウィリアム・バー司法長官

 「確かにスパイ活動が行われたと私は思います」

 ウィリアム・バー司法長官は、米上院歳出小委員会で10日(現地時間) に行われた聴聞会でこう明言した。 同長官は、トランプ大統領に対する「ロシア疑惑」をめぐって連邦捜査局(FBI)など司法当局の対応を検証していることを明らかにした上で述べたものだったが「スパイ」という言葉に聴聞会場は凍りついたように沈黙が5秒ほど支配したという。

つまり、司法長官は2016年の大統領選挙の際に、FBIなどがトランプ選対をスパイしていた疑惑を当局として初めて明らかにしたわけで、すでに司法省の監察官が調査を初めているとも語った。

大統領選をめぐる「スパイ」活動と言えば想起するのが「ウォーターゲート事件」だろう。

スパイの主役は民主党

ホワイトハウスで行われたニクソン大統領の辞任会見(AFP=時事)

1972年のニクソン大統領の再選選挙の際、ウォーターゲートビル内の民主党全国委員会本部に盗聴器を仕掛けようとした侵入犯が捕まったことが端緒となったこの事件、実は共和党あげての陰謀で当時の司法長官や大統領首席補佐官などが関わり、元中央情報局(CIA)工作員などを使って民主党候補の選挙運動を妨害していたことが分かり、最終的にはニクソン大統領の辞任で幕を閉じた。

具体的には、当時民主党で有力視されていたエドムンド・マスキー上院議員が人種差別的だという偽の文書をマスコミに送りつけて同上院議員の出馬を断念させたり、代わりに候補者に選ばれたジョージ・マクガバン上院議員の選挙妨害のために盗聴をはかったものだった。

今回バー司法長官が「スパイ活動」と言ったものも、トランプ候補の失墜をねらった怪文書「ロシア文書」が民主党全国委員会やクリントン選対の資金で作られたり、その文書を根拠にFBIが裁判所から許可を得てトランプ陣営の盗聴を行なったことなど「ウォーターゲート事件」と酷似している。違うのはスパイの主体が共和党ではなく民主党だというぐらいだ。

なぜヒラリー氏は追及を逃れた?

リンゼイ・グラム上院議員

バー司法長官の発言に勇気付けられた共和党側は「ロシア疑惑」で守勢に立たされたうっぷんを晴らすように攻勢に転じており、上院司法委員長のリンゼイ・グラム上院議員は「だいたい(ヒラリー)クリントンがこの問題で追求を逃れていることがおかしい。一般人だったらとうに牢獄に繋がれているはずだ」とまで言っている。

 「ロシア疑惑」が根拠なしとなった今、その疑惑をめぐる新たな「疑惑」の捜査が始まるかどうかが注目されるところだ。

【執筆:ジャーナリスト 木村太郎】

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