「受け子」「掛け子」「ハコ屋」「道具屋」も一網打尽!海外へアジトを移す詐欺グループを捕まえろ

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  • 特殊詐欺事件の摘発がすすむ日本
  • 詐欺グループはアジトを海外へ
  • 細分化される詐欺グループ!「ハコ屋」「道具屋」とは?

日本人詐欺グループはなぜタイを拠点にしたのか?

タイで摘発された日本人詐欺グループ

オオシバくん:
タイに、日本人の振り込め詐欺グループの拠点があったんだってね?

平松デスク:
まさか、振り込め詐欺グループが、海外に渡ってアジトを作っていたとは思わなかったよね。
厳しい捜査網が敷かれている日本から逃げ出したんだね。

オオシバくん:
それは、どういう意味?

平松デスク:
以前にも話したと思うけど、日本のお巡りさんたちは、今、むちゃくちゃ一生懸命、振り込め詐欺グループ退治を進めているんだ。
その結果、バンバン逮捕者が出ている。
特に、逮捕されているのが、『受け子』、『出し子』、『見張り役』さ。
去年1年間に、特殊詐欺事件で検挙された2747人のうち、受け子、出し子、見張り役などは1817人にものぼるの。
およそ65%を占めるんだ。要は、末端のメンバーは、逮捕されるリスクが高いということ。

「アジト」摘発は詐欺グループにとって最大の危機

摘発の際に押収された数百枚に及ぶ詐欺マニュアル

オオシバくん:
でも、タイに拠点を構えているメンバーは、受け子じゃないでしょ?

平松デスク:
そう、彼らは、『掛け子』さ。
アジトに集まって、アポ電をかけ続けて、言葉巧みに相手をだます役割。
掛け子、アジトを摘発されると、一網打尽にされることになる。
一気に、10人以上も逮捕されることもあるのさ。
ちなみに去年1年間で、日本国内で摘発されたアジトは61件。検挙された掛け子は245人にのぼっているのさ。

詐欺グループにとっては、アジトを摘発されることが、最も嫌なんだよ。
大量に逮捕者が出る上に、名簿やノウハウも押収されるからね。
だから、彼らは、警察に見つからないアジト探しに懸命なのさ。

オオシバくん:
どういうアジトがあるの?

平松デスク:
例えば、都心の高級マンションをアジトにしたり、普通の会社を装って、オフィスビルを拠点にしたり。
高級ホテルやラブホテルを転々としたりするケースも。
その他には、物静かな伊豆の別荘地に拠点を構えたこともあった。
それどころか、ワゴン車やキャンピングカーを利用して、移動しながらアポ電をかけ続けていた連中もいたよ。
ちなみに、去年、カラオケボックスのアジトも1件摘発されてるよ。

押収せれたマニュアルより

オオシバくん:
へ~、カラオケボックスも。でも、どうやってアジトは摘発されるの?

平松デスク:
まぁ、色々あるけど、、近所の人や不動産業者の通報がキッカケで、アジトが見つかるケースは多いよ。確かに、若い男たちが、昼間っから、マンションの部屋に、頻繁に出入りしていたり、大量の弁当を抱えた男が、ウロウロしていたら怪しまれるよね。大量のピザの宅配が摘発の発端だったこともあった。

いずれにしろ、そんな世間の目も、警察の目も光っている日本から逃れて、タイに渡ったんだろうけど、結局、現地でも、不審がられて通報されて、逮捕されちゃったんだね。どこの国でも、怪しい奴は警戒されるのあさ。

アジトを斡旋する『ハコ屋』の存在も

オオシバくん:
じゃ、日本国内でアジトを作るのはもう無理じゃない?

平松デスク:
ところが、実は、アジトとなるマンションの部屋をオフィスなどを斡旋する『ハコ屋』と呼ばれる奴らが存在するんだ。ちゃんとした不動産業者が、ハコ屋になるケースもあるよ。ハコ屋ついでに言わせてもらうと、あの連中の世界には、口座や携帯電話などを調達する『道具屋』と呼ばれる連中もいるんだよ。あとはメンバーを勧誘してくる『リクルーター』とかもね。

受け子、出し子、掛け子、見張り役、ハコ屋に、道具屋、リクルーター。現金回収、運搬役に、指示役などなど。特殊詐欺グループは、役割が細分化され、巧妙化している。そしていつまで経っても黒幕は逮捕されないのさ。

警察の取り締まりだけでは悪者はいなくならないことを、私たち一般市民も肝に銘じるべきだね。

摘発されたグループは電子マネーを振込の手口として悪用していた

【解説:フジテレビ 社会部デスク 平松秀敏】
【イラスト:さいとうひさし】

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