世界初!自律学習する「エッジAIチップ」で広がる自動運転の可能性

カテゴリ:テクノロジー

  • スタートアップ企業「エイシング」がエッジAI「AiiRチップ」を開発
  • 端末が自律学習するため調整作業が不要 追加学習も簡単でコスト削減
  • この技術を使えば 人それぞれにカスタマイズされた自動運転も可能に

ネットを介さず端末それぞれが学習

日本のスタートアップ企業が発表した、携帯よりも小さい、カードサイズの「AIチップ」。
ここには“世界初”の技術が詰まっていた。

エッジAI「AiiRチップ」を披露するエイシング・出澤純一社長

いまや、製造工場や飲食店など、多方面で使われているAI(人工知能)。

一般的なAIは「ディープラーニング形式」といい、学習精度を高めるためにクラウドにネットにつないで学習させ、エンジニアによる調整作業が必要で、通信コストと人件費がかかっていた。

しかし、今回の「AiiRチップ」は「エッジAI」と呼ばれる技術で、ネットを介さずとも端末単独で自律学習するため、通信コストや人件費がかからないというもの。

「エッジAI」と「従来のAI」の違い

一体従来のAIと何が違うのか?デモ機を見せてもらった。

自律学習AIを使用した「倒立振り子」は…ブレず ピタリと戻る

「倒立振り子」と呼ばれる装置。
AIが、数mm秒先の状態を予測し、棒を押しても真っすぐに戻ってくるという簡単な動きをする。
 
従来の制御システムを使うと、まっすぐ戻る補正をするためのチューニングに時間が必要なうえ、指で棒を倒してみると、ふわっとした反応で真っすぐに戻らないこともあった。

「従来のAI」では反応が遅く、真っすぐに戻らないことも

一方、自律学習をするAIを使用した「倒立振り子」では、装置自体が速度や加速度を学習
どんな押し方をしても、真っすぐぴたっと戻る

「エッジAI」では反応も早く、ぴたっと真っすぐに戻る

なぜ、このエッジAIの開発に至ったのか。

エイシング 出澤純一社長:
機械自身がどんどん学習して賢くなっていく。少子高齢化で人がいない、生産性の効率化をしないといけない。また、ロボットも個体差の補正が必要だとニーズが元からあった

エイシング・出澤純一社長

補正にかかる時間を3分の1に短縮

すでに導入されているオムロンの巻き取り機械では、補正にかかる時間を3分の1に短縮し、製造過程の無駄を抑えることに成功。

このほか、JR東日本の散水除雪装置など、国内でも十数社の大手企業と共同開発をし、一部企業ではライセンス契約も取得。

ドイツの自動車メーカーとの商談も決まっている。

JR東日本の散水除雪装置

そして、エッジAIには、新たな可能性も。

エイシング 出澤純一社長:
ユーザー側で使っていたデバイスごとに学習したものを、クラウドで吸い上げて統合すると、平均化された賢いAIができる。それをわたしたちはストックしていき、皆さんに使っていただけるようにしていくのが、最終的な目標です

追加学習が簡単でコスト削減

小泉耕二氏

「エッジAI」の学習の仕組みについて、IoT/AIの専門メディアを運営する小泉耕二氏は、
「エイシングの方式 を元に説明すると、10000個のデータを使って学習したAIがあるとする。そこに更に5000個のデータを追加して再学習させたい場合、従来のやり方だと15000個のデータをもう一度すべて学習し直している。しかし、エイシング方式は、5000個だけ追加学習すればいい。だから簡単でコストも下がる」と話す。 

エイシングの学習方式

人それぞれにカスタマイズされた車が可能に

そして、この技術の活用について小泉耕二氏は、
「この技術を使えば、人それぞれのAIができるとイメージするとわかりやすい。例えば、自動運転時代がやってきたときに、車が信号で停まるとする。その時に車は決まったところでブレーキをかけてくる。自動運転なのでどの車も同じところでブレーキを踏むが、それに対してエイシングの方式であれば、ぎりぎりにブレーキを踏むのは怖いので、もう少し手前でブレーキ踏みたいという時、乗り手の考え方を学習して手前で踏んでいくようになる。もちろんブレーキなので一定の制約はないとダメだが、これが実現できたら人それぞれにカスタマイズされたブレーキのかけ方ができる車がうまれる」としている。 

(「Live News α」4月11日 放送分)

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