「天ぷらの衣をはがした客を店側が強制退店」これってマナー違反? それとも店側のやりすぎ?

カテゴリ:話題

  • 「天ぷら店で衣をはがして食べたら店から追い出された」ネット投稿で議論
  • “強制退店”はやり過ぎ? 500人アンケートの結果と他店の職人の意見を紹介
  • 店側が法的に退店を促すためには「ルールを周知し認識させること」が必要

“衣はがし”は「我々に対する侮辱です」

今インターネット上で、ある食べ物が大激論を巻き起こしている。

それが、天ぷら。騒動の発端は、インターネット上に投稿された1つの相談からだった。

【“天ぷらの衣はがし”騒動】

①投稿者は天ぷら店で女性たちと合コンをしていた
②そこで、女性たちが天ぷらの衣をはがして食べ始めた
③その様子を見た店主がテーブルに近づき「お客様、失礼ですがご退席を願います」「あなた方の行為は我々に対する侮辱です。当店が自信と誇りを持って提供する天ぷらをこのようにして食すことを我々は望んでいません」「代金は結構ですので、ご退席してください」と伝えてきたという
④半ば強引に店から追いやられ、合コンは中止になってしまった

この場にいた投稿者自身は「私は店主の気持ちも理解できます」とつづっていたが、合コンを企画した男性は「合コンを台無しにされた」と腹を立てていたという。

この退店トラブルは、店側の行き過ぎた対応だったのだろうか?
「直撃LIVEグッディ!」では街の人500人にアンケートを実施し、スタジオで紹介した。

倉田大誠アナウンサー:
スタジオの皆さんにも、お店側の強制退店が「あり」か「なし」か、聞いてみたいと思います。お手元の札を上げてください!

倉田大誠:
「あり」3人、「なし」3人と、きれいに割れましたね…こんなにきれいに割れることも珍しいですね。では、安藤さんから理由を聞かせてください。

安藤優子:
だって、天ぷら店は、あの衣をいかにサクッと揚げるかに命を懸けているわけじゃないですか。神経を使って出した天ぷらの衣をはがされたら、本当に悲しい気持ちになると思います。「だったら、うちに来ないでください」「これ以上は結構ですから、食べないでください」と言いたくなる気持ちは分かりますよ。それに強制退店と言うけれど、この投稿が本当だとすれば「失礼ですが退席ください」と言っていて、料金も取っていないわけでしょう。そこまで横暴なやり方だとは思いません。

倉田大誠:
一方で尾木さんは「なし」という意見ですね。

尾木直樹(教育評論家):
おっしゃっていることはすごくよく理解できるの。だけど、私が店主だったら「こんな思いで作ってるんですよ」と説明して、いかに心のこもったものか、コミュニケーションをとる。「出ていけ」なんて言うのは最悪の対応だと思います。ちゃんとコミュニケーションをとれば「そうだったのごめんなさい、じゃあいただくわ」って、女の子たちも食べると思うわ。

高橋克実:
その尾木ママの話はね、おとぎ話みたいなものだと思いますよ。

スタジオ:
(笑)

高橋克実:
安藤さんの言う通り、お金をとってないじゃないですか。天ぷら店に来て衣をはがすなんて、そんなの素揚げ屋ですよ。こういう話の一番の問題点は、作っている人が心を込めて作っているわけじゃないですか。それを食べる側が、なぜそんなことができるんだろうと思いますよ。

宮澤智アナウンサー:
私も天ぷら大好きで、衣あってこその天ぷらだと思うので、はがすならそもそも天ぷら店に行かなければいいとは思います。でも、食事中であるという状況と、外食という特別な環境を取り上げられてしまうのは悲しいかなと思って、退店命令はやり過ぎかなと…

広瀬修一フィールドキャスター:
グッディ!は視聴者の皆さまにもアンケートをとっているので、見てみましょう。スタジオでは3対3で真っ二つでしたが…

やり過ぎorそうでない    500人の意見は?

広瀬修一:
視聴者の皆さまも、お店の対応について「やり過ぎだと思う」が248人、「やり過ぎではない」が252人と、ほぼ真っ二つという結果となりました。

広瀬修一:
その理由も紹介します。

【「やり過ぎだと思う」派】
・理由を聞かないで追い出してしまうのは良くない
・食べ方はその人の自由、店の勝手な都合

【「やり過ぎではない」派】
・邪道だと思う、職人に対して失礼
・店側もお客さんを選ぶ自由はある

この議論に対して、田村勇人弁護士は独特の見解を述べた。

田村勇人弁護士:
僕も天ぷら店で自ら衣をはがすことはしませんけど、皆さん固定概念にしばられすぎだと思います。食べ物や料理って、常に進化しているものなんです。新しい食べ方からいいものが生まれたりもする。他人がやっていることを、退店させるほど怒るという精神は、あまり理解できないですね。

安藤優子:
そういうお店もあっていいんじゃないですか?

田村勇人弁護士:
最初から「うちは頑固一徹です」と言っていればいいと思いますよ。普通に天ぷら店に行って、衣をはがしたところで「ふざけるな!」って言われたら、聞いてないよ~って思います。

広瀬修一:
法的な見解を飲食業界の法律問題に詳しい牧野孝二郎弁護士に伺いました。

ルールを周知し認識させることが必要

【店側はどのような対策を取ればいいか】

・店内の分かるところに張り紙をする
・メニュー表などに注意事項として記載する
・HPなどの店舗情報に注意事項として記載しておく
・座席への案内時に注意事項として伝える

⇒ルールを認識させていれば退店させることが可能

広瀬修一:
逆に、こういうことをしなければ「認識されていない」ということになるわけで…

田村勇人弁護士:
これは他人に強制していいかどうかの問題ですからね。皆さんが常識だと思っていることを、全員が共有しているわけではない、という寛容な精神を持って、この社会を生きていかないとダメだということです。

安藤優子:
でもそうしたら、お店の壁が張り紙だらけになっちゃいますね…

広瀬修一:
さらに、今回の問題とは関係のない他のお店の天ぷら職人に話を伺いました。


【天ぷら店の職人の意見】

「北の杜 市」オーナー市川憲男さん:
一人前の職人になるまでに10年かかると言われている。“衣”は今まで修行してきたものの結晶。はがされるのは悲しい気持ちに…

「天正」店主 渡辺典人さん:
極端に衣をはがす人は年に数人。丹精込めて作っているのでむげにされるのは寂しい。天ぷらは、衣と素材のハーモニー。自分の腕が及ばなかったのかという意味で反省。

安藤優子:
やはり、お店側としては悲しい気持ちになりますよね。なんにしても、食べるものに対して感謝の気持ちを持つことは、とても大切なことだと思います。

(「直撃LIVE!グッディ」4月11日放送分より)

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