桜田“失言“に与党内からも非難の嵐 長老が発した6つの「た」の警告

  • 桜田氏は「自爆テロリスト」与党内から怒りの声
  • 自民党の派閥領袖からも厳しい声が相次ぐ
  • 政界の長老が語った6つの“た”

桜田発言に山口代表は「怒りを禁じ得ない」

4月10日に自民党議員のパーティーに出席し、その議員について「復興以上に大事」と発言したことで、2時間後に電撃的に更迭された桜田前五輪担当大臣。
安倍政権は、2012年に第二次内閣が発足して以来、東日本大震災からの復興を「最重要課題」と位置付けていただけに、与党内からも桜田氏について「歩く自爆テロリストだ」との怒りの声も挙がっている。

自民党議員のパーティーで議員が「復興以上に大事」と発言した桜田前五輪相(4月10日)

公明党の山口那津男代表も辞任劇から一夜明けた11日、「(桜田氏の)発言は被災地の皆様に対する気持ちを逆なでする不適切なものであり、到底許されるものでない」と語気を強めて批判した上で、「怒りを禁じえない」と声を荒らげた。

公明・山口代表(4月11日)

公明党としては、4月5日には、安倍首相や麻生副総理を「忖度した」との発言の責任を取り塚田一郎参議院議員が国交副大臣を辞任したのを受け、4月8日に行われた政府と与党の会議でも、政府に対して「緊張感をもって。気持ちを引き締めて」と要請していた。その矢先の桜田氏の辞任劇だけに、怒り心頭の状態だ。さらに自民党各派閥の会合でも厳しい声が相次いだ。

派閥領袖からも相次ぐ政権与党への警鐘 

ポスト安倍の1人、岸田政調会長は自身の派閥の会合で「あってはならない発言であり、まことに残念なことであります」と述べた上で、先週の塚田国交副大臣に続いて「失言」による辞任が続いたことについて、「この政権、与党における気の緩みがあるのではないか、こういった指摘を我々は全員でしっかり謙虚に受け止めて、わが身を振り返り、気を引き締めていかなければならないのではないかと思う」と政府・与党一体となって気を引き締めるように促した。

自民党・岸田政調会長(4月11日)

また、もう1人のポスト安倍候補、石破元幹事長も「色んな発言があり、その都度こんなことは二度とないようにと言われるわけですが、『本当にそうだよね、自民党は反省してやっているよね』というのを見せないとそれは全然得心しないことになると思う」と述べて、繰り返される失言などを受け、国民が自民党をどう思うかという危機感を露わにした。

自民党・石破元幹事長(4月11日)

また、石原伸晃元幹事長は、統一地方選挙の後半戦が行われている最中の失言に、「後半に臨むところに水を差されたということは否めないのではないか。我々全員が気を引き締めていかなければ、長期政権であるだけに、いつ国民の皆様方が愛想をつかすか。危機感がやっぱり足りない」と警鐘を鳴らした。

自民党・石原元幹事長(4月11日)

政界の長老からは6つの『た』のアドバイス 

二会派の会合で挨拶する伊吹元衆院議長(4月11日)

一方で、辞任した桜田氏の出身派閥の二階派では、政界の長老である伊吹元衆議院議長が、「失言のたぐいはあまり触れるのも愉快なことではない」とした上で、出席した国会議員達に対して、今回のような失言を防ぐうえで、6つの「た」を心にとめてほしいと語った。
 
1. 自分の「立場」を考える
2. 「タイミング」を考える
3. 「正しいこと」を言う時は気を付ける
4. 「他人の悪口」を言ってはいけない
5. 「たとえ話」には注意する
6. 「他人の会合・旅先の会合」の発言は注意

まるで学校の先生のようではあったが、こうしたことを長老が口に出さなければならなくなるほど、政治家の緊張感の欠如、自覚のなさが露呈している現実もあるのではないかと感じた。 

失った信頼を政権はどう回復させることができるのか 

11日午後の本会議でも、野党からは桜田氏の発言について「桜田前大臣の発言で、これまで与野党に関わらず全ての政治家が発言してきた「被災された皆様に寄り添う」「復興に全力を尽くす」という言葉が信頼を失いました」などの厳しい質問が飛んだ。 

質問する国民民主党・関健一郎議員(4月11日・衆院本会議)

菅官房長官は答弁で「被災地の皆様のお気持ちに寄り添いながら、復興に全力を挙げていく。これが安倍内閣のゆるぎない方針であり、被災地の皆さんには深くお詫びを申し上げる次第でございます。全ての大臣が復興大臣であるとの認識を再確認し、内閣全体で信頼を回復し、復興に全力を傾けてまいります」と語った。

答弁する菅官房長官

安倍首相が毎月のように被災地を訪問し、被災地の復興に全力で取り組む姿勢をどれだけ見せても、大臣の一言がそれを大きく壊してしまう。この信頼回復に向けて安倍政権は全力で取り組む必要がある。

ある被災地出身のベテラン政治家は「呆れるほかない」として、桜田氏の発言を嘆いていた。言葉を生業にしている政治家だからこそ、言葉で一生を棒に振ることもあるだろう。それくらい政治家の言葉には本来重みがあるはずなのだ。桜田氏、そして与野党問わず全ての政治家は6つの「た」を、まずはしっかり心にとめる必要があると思う。

(フジテレビ政治部 与党担当キャップ 中西 孝介)

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