富士山・鳳凰は度々採用! “隠し文字”も潜むお札の「裏面」はどう決まる?

カテゴリ:国内

  • 新紙幣の発表で表の人物たちに熱視線…でも裏面の絵柄は何か覚えてる?
  • 日本初の紙幣肖像は女性だった。1万円札の裏の鳳凰は「幸運の鳥」
  • 外国人には“北斎”の千円札が人気! 硬貨にも注目

現行紙幣の裏面に描かれているのは…?

4月9日、2024年度上期に発行される新紙幣のデザインが発表され、表の肖像に選ばれた渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎らゆかりの地では、喜びの声があがった。

新紙幣への注目が集まっているが、現在の紙幣に描かれているのは、一万円札は言わずと知れた福沢諭吉、五千円札は樋口一葉、千円札は野口英世だ。

ところが、その裏面の絵は何かと聞かれると…あなたは答えられるだろうか?

街で聞いてみると、「わからない。気にしたことがない」という声が。普段からよく目にしているはずの紙幣だが、裏はあまり意識されていないようだ。

現行の一万円札の裏は、京都・平等院の鳳凰像。五千円札は江戸中期の画家、尾形光琳が描いた「燕子花図」。そして、千円札には日本のシンボルである富士山と桜が描かれている。

今の紙幣に限らず、これまでも紙幣の裏面には日本を代表するさまざまなものが描かれてきた。

日本初の紙幣肖像は女性!1万円札裏の鳳凰は「幸運の鳥」

東京・日本橋の日本銀行のそばにある貨幣博物館には、日本最初の紙幣とされる1600年ごろから現代までの紙幣が展示されている。
初めて肖像画入りの紙幣ができたのは、明治時代の1881年のことだった。

その人物は、日本古代の第14代仲哀天皇の皇后・神功皇后。日本の紙幣の肖像画第1号は、女性だった。

日本銀行金融研究所 貨幣博物館の関口かをりさんは、「(神功皇后は)日本人の女性なのですが、西洋風の顔立ちをしています」と説明する。

実は当時、肖像画を描いていたのはイタリア人だった。そのためか、神功皇后の顔が西洋風になっているのだ。
印刷はドイツで行われた。この紙幣の裏面を見てみると、薄い模様と捺印があるだけで、ほぼ一面真っ白だった。

続いて取材班が向かったのは、古い紙幣などを扱う渋谷区の店「ルイ・ドール」。

昭和初期から現在までの約30種類の紙幣が並んでいた。こうした歴代紙幣の裏面の特徴について、店員の有賀春樹さんに聞いた。

有賀春樹さん:
日本の象徴となるものが多くて、例えば富士山のお札も多いです。富士山は4~5種類くらい。
ものによっては、湖に映る富士山を一緒にデザインした「逆さ富士」の紙幣もあります。

中には、表の人物は変わらず裏のデザインが大きく変わったケースもある。それが一万円札だ。

1984年に登場した福沢諭吉は、その20年後の2004年にリニューアルされた際も唯一、続投。しかし、裏面のデザインは大きく変わり、当初は2羽のキジだったのがリニューアル後には鳳凰像になった。

ちなみに、福沢諭吉の前の聖徳太子時代の一万円札の裏面も鳳凰だった。

有賀さんによると、「鳳凰は幸せを運ぶ伝説の鳥ということで、幸せを運んでくれるんじゃないかと昔の頭取が決めた」のだという。 

さらに、お札には隠し文字が描かれていることをご存じだろうか。

現在の千円札の裏面には、3つの桜の花の中にとても小さなカタカナで「ニホン」という文字がある。この肉眼では確認できない小さな隠し文字は、偽造防止策の1つとして散りばめられている。

外国人には“北斎”の千円札が人気! 

では、気になる裏面の絵柄はどのように決まるのか?

財務省によると、選考基準には法的な決まりはなく、日本の建物や風物的なものから採用されるとのこと。
今回、発表された裏面の絵柄については、一万円札の東京駅は「渋沢栄一が作ったときの発起人でゆかりがあったから」。
五千円札の藤の花は「日本古来からの花であり、お札の色合いに合うから」。
そして、千円札の葛飾北斎の「富嶽三十六景」も「青が千円札の色合いに合っている」という理由で決まったという。

そこで、取材班が注目したのは新千円札の裏面に描かれた「富嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」。

「富嶽三十六景」の絵が展示されているすみだ北斎美術館には、連日、多くの外国人観光客が訪れている。
新紙幣のデザイン3種類を見た40代のイタリア人女性は、「この絵は私の国でも有名なので、一番好き」と答え、20代のイギリス人女性も「これ(千円札)が私のお気に入りです。波の絵がいいわ」と言うように、実はこの絵、世界で最も有名な日本の美術作品の1つだったのだ。

この北斎効果に期待する声は、銭湯でも聞かれた。
墨田区の荒井湯では、浴場の壁には葛飾北斎の「富嶽三十六景」が描かれている。

店主の本田義勝さんは、「お客さんから『おやじ!この絵、千円札のじゃないの?』と言われた。この絵があるからとお客さんが来てくれることを期待している」と話す。

荒井湯(東京・墨田区)

硬貨の裏表は?

現在6種類ある硬貨にも目を向けてみよう。植物などが描かれた面と数字が描かれた面があるが、どちらが表と裏か分かるだろうか?

基本的には、大きな図柄が入ったほうが表でアラビア数字が入ったほうが裏。
五円玉だけは、アラビア数字の表示がないので、「五円」と描かれたほうが表で、発行年が入っているほうが裏だ。

海外ではどうなっているかというと、アメリカのドル紙幣の表面は人物の肖像画で、裏は建物になっている。20ドルに描かれているのはホワイトハウスだ。

海外旅行の際には、その国の紙幣に何が描かれているか、裏面にも注目してみてほしい。

(「Live News it!」4月10日放送分より)

Live News it!の他の記事