刷新されない2000円札…そもそもどんな“流通意図”で発行されたのか聞いた

カテゴリ:国内

  • 20年ぶりに新しくなる紙幣の一方で、刷新されない2000円札
  • 西暦2000年と沖縄サミットを記念して発行
  • 理論的には1000円札の半分の流通量になるはずだったが問題が…

見かけなくなった2000円札

2004年に今の紙幣が発行されて以来、20年ぶりに新しくなるお札。

新しい1万円札に「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一。
5000円札には、「女子教育の先駆者」と評され、津田塾大学創始者である津田梅子。
1000円札の肖像画には、「近代日本医学の父」と言われる北里柴三郎。
紙幣は偽造防止などのため、およそ20年周期で紙幣を新しいデザインに変える改刷を行っていて2024年度をめどに発行される。

その一方で、今回刷新されないのが2000円札。表に沖縄の守礼門がデザインされているお札だ。

出典:財務省HP

最近では見かけなくなったことで話題になることが多い2000円札だが、西暦2000年と沖縄サミットを記念して発行された2000円札は、そもそも紙幣の流通において、どういった意図で発行されたものなのだろうか?
2000円札発行の理論的基礎となった研究を行った一橋大学の北村行伸教授にお話を聞いた。

利便性が高いはずであると考えた

ーーそもそも2000円札は何のために発行されたのか?

2000円札は、紙幣の流通を考えた場合、1000円より大きく、5000円より小さな桁のお札があれば利用価値が大きいのではないかと考えました。
また、実際にアメリカやイギリスなどでは100ドル紙幣や100ポンド紙幣より20ドル紙幣や20ポンド紙幣の流通が多く、より一般的に利用されていることからも、利便性が高いはずであると考えた次第です。

実際には、銀行のATMやコンビニのレジに2000円札を入れるスペースを追加するだけの投資を行うこともなく、2000円札は受け取るが、おつりとして出すという仕組みがなかったために、市中の2000円札は一度市中でつかわれてもすぐに民間銀行に戻り、そこから出ていく仕組みがなく、滞留されるということになっています。ただ、2000円札の利用価値が変化したわけではなく、また紙幣として問題があるわけではないので、今後も継続して通貨の単位としては残すつもりだと思います。

沖縄では流通している?

ーー研究段階では1000円札のようにより身近なお札になり、同じくらいの流通量になると考えていたか?

理論的には、1000円札の流通量の半分ぐらいが2000円札の流通量になるはずでしたが、ATMなどの銀行の制度的な対応で、全国ではそのようになりませんでしたが、逆に沖縄では2000円札の流通量は理論値より多く流通しているようです。


出典:日本銀行那覇支店HP

全国の2000円札の発行高(=流通量)は2005年から下がっているのに対し沖縄県内での流通量は右肩上がりである。北村教授によると沖縄県では流通促進がされていて2000円札がよく利用されているとのこと。 

ーーほとんど流通しなくなったことに対して問題や受け止めなどは?

沖縄で起こっていることを無視して、ほかの県で使われていないのだから2000円札そのものに流通しにくくなる理由があるという議論はできません


アメリカやイギリスの例から、流通するとの見込みで発行されたという2000円札だが、銀行の対応などインフラの問題もあり、全国的には当初の目論見通りにはいかなかった。
新紙幣が世間の話題となる中、今では、ある意味プレミア感のあるお札になっている。