支えているのは80代の高齢者! 推定61万人以上といわれる「中高年のひきこもり」その実態とは?

カテゴリ:国内

  • “中高年のひきこもり”が推計61万人以上にのぼると内閣府が発表
  • 「趣味の用事の時だけ外出」「近所のコンビニなどには出かける」も“ひきこもり”の定義に
  • 80代の高齢者が50代のひきこもりを支える「5080問題」

きっかけは「退職」が最多 中高年のひきこもり

先月29日、40歳から64歳までのひきこもりが全国で推定61万人以上にのぼるという、驚きのデータを内閣府が発表した。
中高年を対象とする実態調査を国が行ったのは今回が初めてだ。

深刻化する中高年のひきこもり。
「直撃LIVEグッディ!」では調査データについて詳細に伝え、さらに20年以上ひきこもり問題を取材するジャーナリスト・池上正樹さんをお招きし、中高年ひきこもりの実態についてお話を伺った。

大村正樹フィールドキャスター:
今回、初めて中高年5000人を対象にひきこもりの調査が行われました。今までは「自室から出るが家から出ない」「自室からほとんど出ない」ことを“ひきこもり”としていましたが、最近になって「趣味の用事の時だけ外出する」「近所のコンビニなどには出かける」といったものも、“ひきこもり”の範囲に入りました。 

大村:
その結果、これまで行われていた15歳~39歳のひきこもり調査結果とほぼ同じパーセンテージの中高年のひきこもりがいることが分かりました。人口ピラミッドと照らし合わせると、推計61万3000人と、驚く結果となったわけです。そのほか、具体的なデータがこちらです。

<中高年のひきこもり調査結果>
・ひきこもりの期間は7年以上との回答が約半分を占めており、長期化していることが分かる
・生計は父親か母親が生計を立てている割合が34.1%


大村:
続いてひきこもりのきっかけについてですが、中高年のひきこもりは、かつては社会に出ていた人が途中からひきこもりになってしまうというケースが多くあります。

<ひきこもりとなったきっかけ>
・36.2%…退職
・21.3%…人間関係
・21.3%…病気
・19.1%…職場になじめない


大村:
ひきこもり生活のきっかけは、「退職」が一番多いという結果です。早期退職制度を利用して辞めてみたものの、再び社会に出ることができなかったという人もいらっしゃるそうです。

池上正樹氏(ジャーナリスト):
調査では「退職」とされていますが、この中には派遣切りやリストラなど、会社の都合や時代の状況でひきこもらざるを得なくなってしまった方もかなりいるはずですよ。

安藤優子:
簡単に言うと、社会に居場所を失うことがきっかけになるということですか。

池上氏:
そうですね。今は終身雇用の時代ではなくなってきていて、一度レールを外れてしまうと元に戻れないような仕組みになっていると思います。

安藤:
なるほど、“1回休み”が通用しないということですね。
しかし、本来だったら働ける働き手の方たちがひきこもっているというのは、とてもクールな言い方ですが、経済的にも損失じゃないですか。もっときちんと取り組まなければならない問題ではないのでしょうか?

池上氏:
そうですね。従来の支援の仕組み自体が画一的な、“就労がゴール”ということだけでやってきてしまった。あるいは年齢を39歳までと上限を切ってしまっていたということで、取りこぼされる人たちがたくさんいた。支援の仕組みの失敗もあったと思います。
 

親も高齢…“8050問題” 解決の糸口はどこに?

そして、現在問題視されているのが、今回の調査で明らかとなった“8050問題”だ。

大村:
80代の高齢者の親と引きこもり状態の50代無職の子が同居しているのが “8050問題”です。
この問題に早急に手を打たないと、10年後には“9060問題”となってきます。生計を頼っている親世代が死亡すれば、生活保護受給者が増え、社会保障費など若い世代にしわ寄せがくるのではないかという問題があります。

伊藤洋一(エコノミスト):
僕が思うのは、人間って、社会と何らかのつながりがなければ自己評価できないと思うんです。
“9060問題”になったら、生きていくには60代の人が(ひきこもらずに)頑張るしかない。それを国家のお金ばかりじゃなくて、うまく社会にマークできるかということが重要だと思います。
例えばボランティアなどでいいんです。他者といろいろ関わって評価されていく中で、「君にはちゃんと社会での存在価値があるよ」と伝え、本人も納得できる形をいかに作ってくかということが重要だと思います。

池上氏:
そういうところにマッチングできるような情報なりプラットフォームなどを作って、選べるような仕組みを周囲が用意することが大事だと思います。

安藤:
自己肯定感を持てる居場所をきちんと提供できるような支援が必要だと。それは仕事に限定せず、ボランティアでもなんでもいいんだということですね。

軍地彩弓(編集者):
(大切なのは)居場所ですよね。その人がいられる場所が、家の中じゃないところにできるように社会全体の仕組みが変わらないといけませんね。



(「直撃LIVE グッディ!」4月8日放送分より)

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