小学2年の女の子が本を出版し話題に

新年度が始まり、小学校に入学して友達ができるか、学校生活はちゃんとやっていけるか不安に思っている小学1年生やご両親もいると思う。

「子ども読書の日」である4月23日、新しく小学校に入学した子や入学前の子に向けた話題の本を紹介したい。
それは「しょうがっこうがだいすき」という本で、なんと書いたのは愛知県に住む小学2年の秋元ういちゃん(8)。

本を出版した秋元ういちゃん
本を出版した秋元ういちゃん
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気になる本の内容は、小学校は楽しみだけど、でもちょっと不安だという入学前や入学したての子供たちに、小学校生活が大好きになるために、小学2年生のういちゃん が贈る小学生目線のアドバイスだ。

例えば、友達と仲良くなるための心得として書かれている一節がこちら。

「ゆうきをだして、おともだちにこえをかけてみよう。
ゆうきをだすと、ともだちがふえるよ。おともだちがふえると、しょうがっこうがもっとたのしくなるよ。たのしいきもちを、だいじにして。さいしょは、ちょっとゆうきがいるよね。でも、みんなおんなじだよ。」


話題になったきっかけは、去年9月、ういちゃんが自力で書き上げた本を両親が「努力を形にしてあげたい」と出店料がかからないYahoo!ショッピングで当初100部を予定して自費出版したこと。
すると、本の内容がメディアに取り上げられ話題になり、全国から注文や問い合わせが殺到。発売から約半年経った今年3月10日時点でもYahoo!ショッピングでランキング1位を獲得し、4月22日時点で5刷8000部を突破している。

そして、4月25日(木)に出版社の学研プラスから書籍化されることになった。

そもそも、ういちゃんが本を書いたのは父親の秋元祥治さんの影響だという。祥治さんは本を出版したことがあり、その時にメディアにも出演をしているのを見たういちゃんが「私も本を書いてテレビに出たい」と、言ったことがきっかけだそうだ。
まずは、ういちゃんに電話でお話を聞いてみた。

タブレットに打ち込んだ

――なぜ本を書こうと思った?

お父さんが本を書いてテレビに出ているのを見て、私も本を書いてテレビに出たいと思ったから。1~2ヶ月かけて自分でメモにして、そこから半年くらいかけてタブレットで打ち込んだ。

ういちゃんが本を書く際に書いたメモ
ういちゃんが本を書く際に書いたメモ

――なぜテレビに出たいと思った?

目立つのが好きで、テレビに出るのが夢だった


――自分で本を書いてみた感想は?

実際に本になってうれしい


――本を出して小学校の友達の反応は?

何人かの友達に「テレビに出てるね」って言われた


―― 本ではどのようなことを伝えたかった? 

小学校の友達で困っている子がいて、困っていると学校生活が楽しくならないので、新入生が困らないように書いた。また、学校のルールなども伝えたかった

次回作についても聞いてみた

――また本を書きたい?

今、書いているところ


ーーどのような内容?

それは言えない。お楽しみ。でも少し言うと妹と一緒に書いていて、お姫様が出てくる話になる


ーー新小学1年生に向けて一言

この本を読んで学校生活を楽しくしてほしい。あと、学校にはルールとかあるので本を読んでルールを守ってほしい


電話で話したういちゃんは、とても活発な印象で、ういちゃん自身が本の内容を実践して学校生活を楽しんでいるからこそ、読者に響く本が書けたのだと思った。

そして、すでに書き始めている次回作の内容も気になるところだが、売れっ子作家になったういちゃんを、“作家の先輩”でもある父親の祥治さんはどのように思っているのか聞いてみた。

僕より売れているのですごいなと

――ういちゃんが本を書きたいと言ったときどう思ったか?

いいじゃんって思いました。純粋に応援したいと思いました


――本を書くにあたり何かアドバイスは?

内容的なことは全くアドバイスしていません。私が30代で20代に向けての本を書いたので、幼稚園、保育園の子に向けた本を書いてみたいと本人が言い出したのです

――今回、書籍化することになった感想は?

ただただ驚きです。それとインターネットってすごいって思いました。今回の書籍化まで全てインターネットで完結しているんです。Yahoo!ショッピングで自費出版してからフェイスブックやツイッターで宣伝してそれで広がったんです。

また、近所に新聞社の人がいたので取材をお願いしたら地元新聞に掲載されて、ヤフーニュースに転載されたんです。その記事を見た学研さんがういが書いた本についてツイッターで話題になっていると投稿していたので私から学研さんにメッセージを送り今回、書籍化することになりました。お金をかけずに地方に住んでる子でも本を出せるんだということを今回のことで思いました


――ご自身も本を出版されているが刺激になったか?

1つは僕より売れているのですごいなと。娘の本の関連から僕の本が出るので娘のおかげで僕が書いた「20代に伝えたい50のこと」も少し売れ行きが伸びています(笑)


子供の「本を書きたい」という思いを否定せず、やりたいことを自由にやらせてあげたことが子供の可能性を広げることにつながった。

本を自費出版してからの反響を聞いてみると、全国からたくさんの手紙が届いたという。
あるお母さんからは「子供が小学校に入学するが今通っている幼稚園から同じ小学校に行く友達がいないので買いました」との手紙が来て、その子供からも「ういちゃん本を書いてくれてありがとう」とのメッセージをもらったり、中学校の先生からは「学校だより」で紹介したいとお手紙をいただいたりしたそうだ。

まだ友達ができていないと悩んでいたり、学校生活が楽しくないと思っている子も小学2年の先輩からのアドバイスを聞いて、勇気を出したら友達がたくさんできて楽しい学校生活を送ることができるかもしれない。



プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。