「ヘビより毒!」この時期に注意しなければならない意外な食べ物とは

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  • 「ヘビより毒」という言い伝え
  • 0.25グラムで中毒に…死の危険も
  • こんなサトウキビには注意!

「ヘビより毒」という言い伝え

黒砂糖の原材料となるサトウキビ。沖縄などでよく見かけるが、生絞りのジュースを飲んだことがある人も多いだろう。中国南部ではジュースにして飲むこともあれば、皮をむいて果物のように丸かじりでも食べられている。

4月上旬、中国では「清明節」という祝日があり、先祖のお墓参りをする風習があるが、なんと「清明蔗、毒過蛇(清明のサトウキビは、ヘビより毒)」という言葉があるという。どういうことなのか。

サトウキビを食べてこん睡状態に

今年2月浙江省の王さん一家は郊外の山登りに出かけた。
「暑かったので、果物を食べながら山を登りました。その時、サトウキビの芯が赤く変色しており、変だと思いましたが、妻は捨てるのは勿体ないと思い、ほとんど彼女が食べました」王さんの夫が振り返る。
山道を下りる際、王さんと家族は吐き気と胸の痛みに襲われ、すぐに最寄りの病院に行ったが、王さんは肺水腫、呼吸不全に陥った。その後ICUに運ばれ治療を受けたが、多臓器機能が衰弱し、予断を許さない状況だという。医師はサトウキビ中毒と診断した。

実は中国ではこのような中毒が毎年のように起きている。

2017年4月浙江省の女性は買ってから一晩たったサトウキビを食べ、腹痛、嘔吐の症状が出て、意識がもうろうとし、失禁していた。幸いなことに家族がすぐにみつけ、病院に搬送し、応急手当を受けたことで、危機を脱することが出来た。
2016年4月、山東省の男性は、サトウキビを食べる際、少し苦みを感じ、酒かすのような味がしたが、気にせずにそのまま食べてしまった。するとその晩、発熱、下痢などの症状に苦しんだ、などのケースが報じられている。

わずか0.25グラムで中毒に

サトウキビの何が悪かったのか。医師は「輸送方法、保存方法や環境が悪いとカビが繁殖し、大量の毒素を発する可能性がある」と語る。
サトウキビのカビは神経毒を発生し、体内に取り込まれると、早ければ10数分、遅くとも10数時間で発症し、中枢神経系に大きなダメージを与え、脳浮腫、頭痛、重度のけいれん、などの症状が出ることがあり、最悪呼吸不全に陥り死に至る。命を取り留めても、言語障害や運動障害などの後遺症を残すこともあるという。

中国メディアによると、中毒を起こす用量は、体重1キロあたり、12.5mg。
つまり、体重60キロの成人であれば、0.75グラムで、体重20キロの子供であれば、わずか0.25グラムの摂取で中毒を起こす恐れがあるというのだ。

サトウキビの収穫は主に秋から冬にかけてであり、不適切な貯蔵や輸送条件によって、カビが生えることがある。さらに春になって気温が上がり始めると、更にカビが生えやすくなり、中毒が発生してしまうというのだ。このため「清明のサトウキビは、ヘビより毒」という言い伝えが広まったとみられる。

こんなサトウキビには注意!

ではどのようなサトウキビが危ないのだろうか。

写真のように断面の中心がピンク色や褐色に変色したものはカビが生えている可能性があり、危険だという。また断面の繊維質が干乾び、菌糸の斑点があるようなものは長時間放置されたもので、食用に適さないとされる。
しかし、このような食中毒の事例は日本ではほとんど聞かれない。主に品質管理の問題であるほか、国土の大きい中国とは輸送時間など流通状況が大きく異なるなどの理由があるのだろう。過度な心配は必要なさそうだが、万が一変色したサトウキビに遭遇した場合は、絶対に口にしないよう気を付けなければならない。

傷んだサトウキビ(左)と正常なサトウキビ(右)

【執筆:FNN北京支局長 高橋宏朋】

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