モフモフの手から放たれる連続パンチ

猫とともにペットの代表格として愛されている犬。
思いがけない行動や豊かな表情で人の心を癒し、時に励まし、ともに人生を歩むパートナーともいえる存在だ。

中でも柴犬は、日本人に古くから親しまれ、飼い主への忠誠心がとても強いと言われている人気の犬種。ピンと立った耳に丸くうるんだ瞳が印象的などこかクールな顔立ち、くるんと丸まった尻尾が特徴。
その柴犬が、猫パンチならぬ「高速の柴パンチ」を披露する動画がインスタグラムで公開され、いま多くの犬ファンの視線をくぎ付けにしている。

その動画がこちらだ!


バシッ!と手を付いて…
バシッ!と手を付いて…
この記事の画像(12枚)
反対の手もバシッ!
反対の手もバシッ!

バシバシバシバシッ!と響く音は、柴犬が放つパンチによるもの。
1匹の柴犬が、柵の手前に設置されたアクリルの板に、魅惑の肉球を惜しげもなく押し付けている。

…とそこへ、一心不乱にパンチを繰り返している柴犬の後ろにいた別の柴犬が、「柴パンチ」に目を止めてこちらに駆け寄ってきた。

「おっ、なんか楽しそうなことやってる!」
「おっ、なんか楽しそうなことやってる!」
真似っこ?
真似っこ?

そして、先にパンチをしていた柴犬をちらりと見てから、同じように「柴パンチ」をし始めた!

叩くタイミングが完全にシンクロし、リズムを奏でる姿は、まるで打楽器を演奏しているようだ。
2匹の柴犬によるかわいらしくも力強いパンチの振動で、アクリルの板も激しく揺れる。

仲良く「柴パンチ」バシバシバシバシッ!×2
仲良く「柴パンチ」バシバシバシバシッ!×2

中盤には、途中参加の柴犬が大きく口を開けてポーズをとり、続けて最初にパンチを繰り出した柴犬もガブっと口を開いた。
その後もリズミカルに「柴パンチ」を続けるが、後半には飽きてしまったのか、途中参加の柴犬の方はパンチをやめて、休憩スタイルに入ってしまった。

ガブっと口を開くポーズも披露
ガブっと口を開くポーズも披露
「ちょっと休憩~」
「ちょっと休憩~」

最初に始めた柴犬は最後まで凛々しい顔で続けていた「柴パンチ」。こんなに可愛らしい攻撃なら、受けてみたいと思う人もいることだろう。

投稿者の宮崎県の豆柴桜庵(@mameshiba_sakuraan)さんは、ペットとして飼いはじめた柴犬の魅力の虜となりブリーダーの資格を取得。
飼育・出産・販売を手掛け、自身で経営するペットショップの犬舎で暮らす柴犬たちの愛らしい姿を写真や動画におさめ、インスタグラムに投稿している。

この「柴パンチ」もそんな日常で見られるひとコマだが、なぜ柴犬たちはこのような行動に出たのだろうか?そして、「柴パンチ」はこの2匹だけが会得している技なのか?お話を聞いた。

テンションがあがった時の感情表現

ーー息ぴったりの「柴パンチ」を披露する2匹は兄弟?

兄弟ではなく、2匹とも1歳の女の子です。最初に「柴パンチ」をしていたのは「桜莉(さり)」、次にパンチを始めたのが「あんず」という名前です。


ーーなぜこちらに向かってパンチをしているの ?

撮影しているのは私で、隣にちょうど幼稚園から帰ってきた5歳の娘がいました。
お腹が空いていたわけではなくて、私たちが近寄ってきたことがうれしくて、遊んでとアピールしています。柴パンチは、うれしくてテンションが上がった時に見せてくれる、感情表現です。

目にもとまらぬ速さの「柴パンチ」
目にもとまらぬ速さの「柴パンチ」

ーー「柴パンチ」を見て、どう感じた?

可愛いな〜と思いました。あと、すごく速いと思いました。
当犬舎は近くに短大など大学が2校あり、そこの学生さんや当犬舎のお客さんなどは、柴パンチを見ると「可愛い可愛い!」と言って、すごく喜んでくれてます。娘は見慣れているので、笑いながら「可愛い」と言ってる感じです。


ーー口をあけるポーズの意味は?

おそらく、テンションが上がりすぎてフェンスに噛みつこうとしたのだと思います。
その手前に設置されたアクリル板の壁に阻まれて、思うようにできていませんが…アクリル板は、宮崎は暖かいので真冬でも雪が降ることはありませんが、冬の風から犬たちを守り、少しでも寒くないようにと思って設置しました。
当犬舎では、仔犬の頃にしつけてありますので、人に噛みつくことはありません。犬同士がケンカしていても、フードを取り上げても、娘はひとりでドッグランで毎日遊んでいますが、噛みつかれることはないです。


ーー「柴パンチ」をするのはこの2匹だけ?

仔犬販売が主な業務のため仔犬が産まれた時はたくさんいますが、現在は18匹の柴犬がいます。
よく柴パンチをするのは、全体の3割くらいの子だと思います。


タフなのでこのくらいでは疲れない

(左)走る柴犬たち (右)娘さんとも仲良し
(左)走る柴犬たち (右)娘さんとも仲良し

攻撃力はそこまで高くはなさそうだが、相手をときめかせる“破壊力”を持つこの「柴パンチ」は、そばに人がいる時にだけ見せてくれるそうで、撮影を終えて立ち去ると、動画の最後までパンチを続けていた「桜莉」も拳を収めたという。

時には、風で道路を舞っているビニール袋などを取ろうと必死でパンチをすることもあるといい、人の他にも興味を引くものに対して、興奮状態になると出る行動なのだろう。
また、20秒以上に渡って高速で繰り出される「柴パンチ」にも、「柴犬はタフなのでこのくらいでは疲れないと思います」ということだ。

「当犬舎の柴犬は、犬同士のケンカはありますが、みんな人懐っこいです」という言葉通り、お客さんが来ると近寄ってきて、柴犬たちでお客さんの取り合いをするほどだという。
今回「柴パンチ」を披露してくれた2匹も例外ではなく、プロ野球のキャンプ地にも近いこともあって、オリックスのコーチが「桜莉」に会いに来たことがあるそうだ。

元気いっぱいの柴犬たちに癒されること間違いなしのインスタグラムの投稿をぜひのぞいてみてほしい。「柴パンチ」の他にも、思わず笑顔になってしまう可愛い柴犬たちが迎えてくれるぞ。


「いきものディープランド」特集をすべて見る!
「いきものディープランド」特集をすべて見る!
プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。