4月はAV出演強要やJKビジネスの被害防止強化月

進学や就職などにより大きな環境変化が生じる方が最も多いのがまさにこの4月。見知らぬ土地で新しい生活を始める人も少なくないだろうが、そこでトラブルに巻き込まれてしまうことがしばしばある。私自身も、上京したばかりのころ、一人でいた際にトラブルに巻き込まれそうになったことがある。ぜひ身近な問題として、自分や家族・友人が危険な目に遭わないよう身を守っていただきたいが、ここでとりあげるのは若い女性が被害に遭いやすく、政府が対策に力を入れようとしている、AV出演強要や女子高生に接待などをさせるJKビジネスに関する問題だ。

この問題を担当する内閣府の片山さつき男女共同参画担当相は2日の記者会見で、「AV出演強要やJKビジネスの問題が、進学や就職に伴うこの季節にとりわけ危ない。転居とか、大きな環境変化が起きまして、こういうときを狙ってくる」と語気を強めて語り、警戒を呼び掛けた。

片山さつき男女共同参画担当相の記者会見(4月2日)
片山さつき男女共同参画担当相の記者会見(4月2日)
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政府は2017年から、この4月を「AV出演強要・『JKビジネス』等被害防止月間」と定めている。今年は被害防止の啓発に、HKT48の指原莉乃さん(26)を起用した。片山氏は「若い方から見て良い相談相手のお姉さん的なイメージがある」とその起用理由を明かしている。

指原莉乃さんを起用したポスター
指原莉乃さんを起用したポスター

現在のJKビジネス被害の実態は

警察庁の「JKビジネス」の営業に関する実態調査によれば、2017年12月現在で店舗数は131店。一時期の大規模な摘発によって減少しているのではないかと思うかもしれないが、実は同年6月調査の114店舗から増加してしまっている。地域別では、東京都が全体の約6割を占め、大阪府が全体の約3割を占めているのが実情だ。 

また、AV出演の強要に関して言えば、2017年の1年間で4件、スカウト行為にまで範囲を広げれば97件105人の検挙を行ったという。 

内閣府のホームページにはこんな実体験も載せられている。 
『SNSで「学校帰り・週1回でもOK!」、「お客様の隣でおしゃべりするだけ!」、「男性スタッフ常駐なので、安心!」というバイト募集広告を見つけた。時給もいいし、応募してみようかな。と面接に行くと、店長に服を脱ぐように言われ、写真を撮られたり、性行為を強要された。』

内閣府男女共同参画局のHP
内閣府男女共同参画局のHP

こんな話はいくつもある。まず「おいしい話には必ず裏がある」ということを改めて強調しておきたい。 
 

被害を未然に防ぐために…些細なことでもぜひ相談

今回政府は「AV出演強要」や「JKビジネス」に関連したトラブルに遭った際には、警察相談専用窓口「#9110」などに相談するよう呼び掛けている。もちろんプライバシーに配慮し秘密は厳守するとしている。 

内閣府の作成したポスター
内閣府の作成したポスター

片山氏は会見の最後に、「この月間を通じて1人でも多くの方にこの問題を考えていただきたい。気がついたらすぐにご連絡をということで効果を高めてまいりたいと」と発言した。 

自分だけではなく、家族や友人が被害にあわないために、より一層の注意と、コミュニケーションを増やすことが大切となる。 
 
(政治部 官邸クラブ 杉山和希)
杉山 和希
杉山 和希

義理と人情とやせ我慢を大事に取材に励みます
報道局政治部 首相官邸&麻生派担当。1992年岐阜県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、2015年フジテレビ入社。「情報プレゼンターとくダネ!」ディレクターを経て現職