ゴーン容疑者4度目の再逮捕は「一種の口封じ」!? 元特捜部弁護士が舞台裏を解説

カテゴリ:国内

  • 特捜部の事件で、保釈中に再逮捕され身柄を拘束されるのは異例だが…
  • 「きわめて合理的な判断」今回は捜査中の“オマーンルート”事件での逮捕
  • 逮捕前日のツイート「11日に会見をする」は弘中弁護士の策だった?

東京地検特捜部は4日、日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者を会社法違反(特別背任)の疑いで再逮捕した。

ゴーン容疑者は、日産の子会社「中東日産」から、オマーンの友人がオーナーを務める販売代理店に支出したお金のうち、約5億6000万円を私的に流用し、日産に損害を与えた疑いがもたれている。
ゴーン容疑者が逮捕されるのは、これで4回目。特捜部の事件で、保釈中に再び逮捕され身柄を拘束されるのは異例のことだという。

「直撃LIVEグッディ!」では、元東京地検特捜部検事の高井康行弁護士に、異例の再逮捕となった理由について解説していただいた。

「捜査中にもかかわらず保釈が認められたことの方が異例」

立本信吾フィールドキャスター:
ゴーン容疑者は3月6日に保釈されたわけですが、29日後となる4月4日、再逮捕となりました。高井さん、保釈中の逮捕は異例ということですが?

高井康行弁護士:
一般的には、保釈中に余罪その他で再逮捕するというのはそんなに珍しいことではありません。ただ、特捜の案件としては珍しいと言えます。
何故かというと、特捜の案件の場合は、そもそも追起訴予定だと検事が言っている時に裁判所が保釈を認めてしまうことがめったに起きないからなんです。捜査中だと言っているにもかかわらず保釈が認められたことの方が異例なんです。

立本信吾:検察側からは「そもそも保釈がおかしかったんだ」という声も上がっており、裁判所と検察庁には、ゴーン容疑者に対する見解のズレがあるようにも感じられます。


【ゴーン容疑者に対する見解のズレ?】(元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士によると)

・3月6日の保釈は、東京地裁が決定。監視カメラの設置やインターネット規制などの条件を弁護人側が提示し、受諾。
⇒検察側が猛反対をするも、押し切ってゴーン容疑者を保釈した

・一方、4月4日の逮捕は東京地検・特捜部が着手。東京地検としては、再逮捕される可能性があったのに保釈が決まった時は、寝耳に水状態だったと考えられる。

安藤優子:
一般の感覚から見ると、裁判所が保釈をしておいて、また再逮捕の逮捕状をOKと判断するのは、なんだか整合性が取れていないように思えてしまうのですが、いかがですか?

高井康行弁護士:
全然そうは思いません。保釈をしたのは、すでに起訴されている事件については罪証隠滅のおそれが少ないと判断したからなんです。ところが今回の“オマーンルート”については捜査中で、すでに起訴された事件とは状況が違うわけです
ですから、すでに起訴されている事件については罪証隠滅の恐れが少ないと判断した裁判所が、まだ起訴前の捜査中の“オマーンルート”については罪証隠滅の恐れがあると判断する。
これは当然の話であって、きわめて合理的な判断・考え方だと思います。

「逮捕を回避するため記者会見を設定したとも捉えられる」

逮捕前日の3日午後2時ごろ、ゴーン容疑者は「4月11日木曜日に記者会見をします。」と自身のツイッターで表明をしていた。
その後の再逮捕について、ゴーン容疑者の弁護人である弘中惇一郎弁護士は「一種の口封じになった」とコメントしている。


安藤優子:
ツイッターにこういったことを投稿することは、保釈の条件として許されているのですか?

立本信吾:
当時の保釈条件、インターネットなどに関するところでは「弁護士事務所の特定のパソコンのみ使用可能」「携帯電話のインターネットの接続は禁止」とされていました。
我々の認識としては、すべてのインターネット接続ができないような状況なのかなと思っていたんですが、3日の弘中弁護士の会見では「私の事務所の特定のパソコンなら、インターネットを使えると思っている。何に使ったかを全部裁判所に報告することになっている」と発言しました。

倉田大誠アナウンサー:
インターネットに制限があるのに、SNSはしていいのか?と思ってしまいましたが…

高井康行弁護士:
「思っている」と微妙な言い方をしていますね。つまり、弘中さんの解釈では、条件違反ではないけれども、別の立場に立てば、裁判所に立てば、条件違反だと言われる余地があるということですよね。 

安藤優子:
弘中弁護士は、再逮捕について「口封じだ」と言っているんですよ。つまり、会見をつぶしたという理解だと思うのですが、そういう意向は検察側にあるのでしょうか。

高井康行弁護士:
弘中さんの言い方は非常に面白いですね。
これは僕の受け止め方ですが、時系列的にみると、3日の朝刊が「立件へ」と打ちました。これは実質的に「逮捕へ」ということですね
その後、14時になってツイッターで「記者会見をします」と広く知らせました。「にもかかわらず、逮捕して会見つぶしをした」と言っているわけです。
となると、うがった見方をすると、「立件へ」という記事を読んで、これは逮捕間近だと予測し、その逮捕を回避するためにわざと記者会見をぶつけたと
要するに、検事が「記者会見つぶしだ」と言われるのを嫌がって、逮捕を見送ることを期待してわざとぶつけたのかということを勘繰りたくなる、非常に面白いものの言い方でしたね。

安藤優子:
そのためのツイッターだったんのではないか、というのが高井さんの見方なんですね。これからの捜査、取り調べが長くなる可能性もありますか?

高井康行弁護士:
20日で終わるでしょう。多分これで起訴して捜査終結と。平成の時に始めた捜査は平成の時に終わる、これが捜査の美学ですよ。

安藤優子:
なるほど。4月いっぱいで決着を見るのではないかと。

(「直撃LIVE!グッディ」4月4日放送分より)

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