新元号「令和」を“各党トップ”はどう見た? “党首コメント”に垣間見える「立場」に注目!

カテゴリ:国内

  • 全政党“トップ”の「令和」評価を分析
  • 「ポスト安倍」新時代のリーダー候補は…
  • 野党の中でも“批判”と“絶賛”

新元号「令和」に各党“トップ”がコメント 

4月1日、平成に代わる新たな元号「令和」が発表された。

安倍首相は会見で、「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つという意味が込められている」と説明。日本最古の歌集『万葉集』の「梅花の歌」の序文から引用したことから「厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人一人の日本人が明日への希望と共に、それぞれの花を大きく咲かせることができる、そうした日本でありたい」との思いを述べた。

安倍首相の会見(4月1日)

街の声を聴いてみると、新しい元号について受ける印象、感想は、まさに人それぞれだ。
一方、政治の世界での新元号に対する発言は「個人的な感想」を超えて、その政治家、その党の立場が表れていた。政党の“トップ”たちの新元号発表をめぐる発言から、その背景を読み解きたい。

高評価の与党…連立パートナーへの配慮も 

政権を支える与党は、もちろん「令和」に対し好意的だ。

自民党総裁でもある安倍首相に代わって党務を預かる二階幹事長は、「素晴らしい元号だ」「日本古来の万葉集の中からとったというのは、たいへんよかった」などと評価したうえで、「国民のみなさんとともに心から祝したい」と述べた。

自民党・二階幹事長(4月1日)

公明党の山口代表も「奥行きのある素晴らしい元号になった」と歓迎。さらに、菅官房長官による新元号の発表直後、まだ会見が行われている最中に、安倍首相本人から電話連絡があったことを明らかにした。政府として新元号をめぐる情報の管理を徹底しつつも、連立パートナーに対しては最大限の配慮をした形といえる。山口代表の表情の明るさの所以は、そのあたりにもあったのかもしれない。

公明党・山口代表(4月1日)

「ポスト安倍」の反応は対照的 

一方、5月に始まる「令和」の元号の下、この国の“トップ”になる可能性がある「ポスト安倍」として名前があがる2人の受け止めは対照的だ。

自民党の岸田政調会長は、記者団に対し、「自民党の次のリーダーは新しい時代をリードしていくうえで重要な役割を担っていかなければならない」としたうえで、「私自身もさらに自らを鍛え、政策を磨き、次の時代を担えるように努力しなければいけない」と決意を述べた。さらに、「令和」発表とほぼ同時に、官房副長官から電話で連絡を受けていたことを明かした。

自民党・岸田政調会長(4月1日)

これに対し、昨年9月の総裁選挙で安倍首相と争った石破元幹事長は、「違和感がある。『令』という字の持つ意味をきちんと調べて、国民に説明する努力をしなければいけない」と新元号への評価は今一つだった。さらに、新元号と「ポスト安倍」についての質問に対しては、「別に年号が変わるから意識するわけではない、それは関係ない」と“素っ気ない”コメントにとどまった。

自民党・石破元幹事長

「ポスト安倍」の2人だが、現在の安倍首相との距離や自身の処遇の違いが、「令和」をめぐる発言にも表れているように見える。

野党で厳しく批判したのはどの党? 

「何でも批判」というイメージがありがちの野党だが、新たな元号については必ずしも批判一辺倒というわけではなかった。

野党の“トップ”である立憲民主党・枝野代表は、「令和」の時代について「平和で、国民生活が穏やかであることを祈念したい」との談話を発表し、表立った批判はしなかった。ただ、「新しい時代を迎える中、国民から負託を受けた政党として、それぞれに幸せを実感できる社会経済、『まっとうな政治』の実現を目指す」と党のキャッチコピーで結んでいる。

立憲民主党・枝野代表

国民民主党の玉木代表の談話では、「『令和』の時代が、平和と繁栄の時代となることを望む」と新元号を歓迎したうえで、お代替わりについても言及。「御即位に伴う諸行事がつつがなく執り行われ、国民のみならず、世界中の人々が寿ぐものとなることを祈念する」とした。

国民民主党・玉木代表

こうした中、野党で新元号発表に最も厳しい目を向けたのは共産党だ。志位委員長は会見を開き、元号制度ついて、「もともと君主が時間も支配するという思想に基づいたものだ。日本国憲法の国民主権の原則にはなじまない」と指摘。「国民が元号を慣習的に使用することに反対するものではない」としながらも、将来的な廃止も視野に「国民の総意で解決されるべきだ」と主張した。

共産党・志位委員長(4月1日)

社民党の又市党首は、「令和」の「令」という字が「命令」の「令」でもあることについて、「安倍政権が目指す国民への規律、統制の強化がにじみ出ている感が否めない」との見解を披露した。

社民党・又市党首(4月1日)

野党でも“絶賛”…「第三極」らしさの2党 

一方、野党の中で“絶賛”ともいえる評価を示したのは、日本維新の会と希望の党だ。

維新の片山共同代表は、中国の古典ではなく日本の「万葉集」を典拠としていることに「たいへんよろしゅうございました」とご満悦。又市氏が批判した「令」の字についても、「調べてみると、めでたいこと、よいことという意味もある」と述べ、「令夫人」「令息」といった敬語表現を例に挙げて説明した。

日本維新の会・片山共同代表(4月1日)

また、希望の党の松沢代表も、「平成」と「令和」を組み合わせると「平和」になることなど、4つの理由を次々とあげて「ひじょうによかった」と称えた。

松沢氏が会見の中で、「令和」という新時代に向けて、「自民党の利権政治も駄目だが、反対ばかりの抵抗野党でも駄目だ」と述べたように、他の野党とは一線を画す「第三極」路線の両党ゆえの“絶賛”という反応だったともいえそうだ。

希望の党・松沢代表(4月1日)

どうなる?「令和」時代の政界

最後に、「平成」の政治史が記されるとしたら、二度の政権交代を実現させた“激動の平成政治”の中心人物として描かれるだろう自由党・小沢代表。会見では、去りゆく「平成」という時代について、「議会制民主主義の定着までいかなかった」と二大政党制の確立ができなかったことに無念の思いをのぞかせたうえで、「令和時代への橋渡し、過渡期という時代だったのだろう」との見方を示した。

自由党・小沢代表(4月1日)

果たして、「令和」時代の政治はどうなるのだろうか。

“トップ”たちの立場はどう変わるのか。
「ポスト安倍」レースを制するのはいったい誰か。
バラバラとなっている野党は再結集できるのか。

「令和政治」の行方は、まだ誰にもわからないが、7月の参院選が「令和」最初の政治決戦の場になることは間違いない。

(フジテレビ政治部・古屋宗弥)

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