一番楽しかった時代は「昭和」

30年間続いた平成に代わる新元号の発表を前に、明治生まれで、人生5つ目の元号を迎える108歳のおばあちゃんを取材した。 

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明治44年生まれの108歳 、谷尾トミ子さんが住んでいるのは、鳥取県大山町。
身体の調子を「まあまあですわ。年寄りですから 」と話すトミ子さんに、明治・大正・昭和・平成を振り返っていただいた。
ーーどの時代が、一番楽しかった?

そうやなぁ…昭和かもしれませんなあ。婦人会でもいろいろ活躍したので、その時、楽しゅうございました。


トミ子おばあちゃんの一番古い写真は、昭和17年、村の祭りで親戚と写ったこの1枚。

この時、トミ子さんは31歳。農家に嫁ぎ、2人の女の子をもうけていた。

初孫が生まれたのは、トミ子さんが42歳になった昭和28年。
タバコの原料となる「葉タバコ」を作って一家を支える傍ら、近所のおばあちゃん達と一緒に女相撲をしたり、お茶目なダンスを披露したこともあった。
 
元号が変わり、平成2年になると、ひ孫が誕生。
ひ孫の子供、玄孫(やしゃご)が生まれたのは、平成26年。トミ子さん103歳の時だ。



今年、108歳を迎えたトミ子さんは、88歳の長女と65歳の孫の3人で暮らしてる。

トミ子さんの元気の秘訣は、大豆とにがりだけでつくった手作り豆腐で、60年前から「ほとんど毎日食べております」という。
食事の後は老眼鏡を取り出して、机に向う。一生懸命書いていたのは、お経だった。
104歳から般若心経の写経を始め、お経を書いたノートは何冊にもなったという。

 

天気のいい日は、家から100メートル離れた畑までを散歩するというトミ子さん。3月のある日、京都に住んでいるひ孫の和宣さんが、玄孫の明衣子ちゃんを連れてやってきた。親戚が集まって、トミ子さんの108回目の誕生日をお祝いするためだ。

「明治・大正・昭和・平成、まだここ(その次)まで生きにゃいかんねえ」と笑うトミ子さんは、新元号「令和」をどう思ったのだろうか。発表から約1時間後、トミ子さんに感想を聞いた。


「和」の字に注目したトミ子おばあちゃん

発表の瞬間は家族7人と一緒にテレビを見ていたトミ子さん。

菅官房長官が新元号「令和」の字を掲げると、すぐにペンを取って、ノートに明治・大正・昭和・平成・令和と書き始めたという。


ーー新しい元号をどう思いますか?

『和 』の字が入っていて、ようございますなあ。

ーーこの「令和」の時代も元気に過ごしてくださいね。

ありがとうございます。


「令和」の「令」の字が元号に使用されるのは初めてだが、「和」の字は今回で20回目となる。皆さんは、発表された新元号をどのように受け止めただろうか。

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