警察犬にダルメシアン?!

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オオシバくん:
きょうは、警察犬の話なんだよね?

そう、きょうは、オオシバくんの仲間の話。

先日、神奈川県警に、ダルメシアンが採用されたニュースを報道されたよね。
だから、きょうは警察犬の話をしようと思う。
正確に言うと、警察の仕事を手伝っているワンちゃんのこと。
どういうことかと言えば、警察には、大きく分けると、2つのタイプのワンちゃんがいるんだ。

一つは、警察犬。
これは、事件現場から犯人を追いかけたりする刑事部の犬。
もう一つが、警備犬。
これは、爆発物を探したり、犯人を制圧したり、災害現場で生存者を探したりする警備部の犬のこと。
まるでサラリーマンのようだけど、警察犬と警備犬は、所属部署が違うんだ。
災害現場で2歳の男の子を救助した警備犬
災害現場で2歳の男の子を救助した警備犬
「奇跡の犬」と讃えられたレスター号
「奇跡の犬」と讃えられたレスター号

オオシバくん:
へ~、で、全国には、どれぐらいの警察犬がいるの?

平松デスク:
全国にいる警察犬の数は1344頭。

実は、この警察犬の中にも、2つの種類があるんだ。
一つは、直轄犬。
これは、各警察本部が、直接飼育・訓練している犬。
もう一つは、嘱託犬。
これは、一般家庭にペットとして飼われていたり、訓練所で飼育されている犬のこと。

いざ事件って場面になると、それぞれのご家庭から事件現場までかけつけていくんだ。
最近では、トイプードルやミニチュアダックスフントなども、警察犬として活躍しているよね。
まぁ、民間委託って感じかな・・・。

ところで、オオシバくん、
この直轄犬と嘱託犬、どちらが多いと思う?

直轄犬と嘱託犬

オオシバくん:
それは、警察が飼育している犬の方が多いんじゃないの?

平松デスク:
ブー。それは間違い。

実は、去年のデータだと、警察犬1344頭のうち、直轄犬は159頭。それに対して嘱託犬は1185頭。
嘱託犬の方が7倍以上も多いんだ。

オオシバくん:
なぜなの?

平松デスク:
それはお金の問題さ。

警察犬の主流は、シェパードのような大型犬だよね。
ところが、大型の犬って、飼育費用が、けっこうかかるんだってさ。どこの自治体も、財政はキツキツでしょ。
ワンちゃんのために、そんなに金はかけられない。
やっぱり、経費削減を求められている訳よ。
だから、民間のペット警察犬が、圧倒的に幅を利かせているんだ。
余談だけど、首都東京の治安をまもる、警視庁は、さすがにお金持ち。
全ての警察犬が直轄犬。自前で賄えているんだよ。
ここでも、東京偏重なんだね。

犬の営業秘密

オオシバくん:
へ~、そうなんだ。

じゃあ警備犬の方は、何頭ぐらいいるの?

平松デスク:
よくぞ聞いてくれました。

実は、警備犬の数は公表されていないんだ。
爆発物を探したり、テロリストをやっつけたり、テロ対応の役割を担っているから、全部で何頭いるのか、どこに何頭配備されているのか、などなど、秘密にされているんだ。営業秘密って感じだね。
 
そう考えると、ワンちゃんの世界の話なのに、所属部署に、民間委託、経費削減に、営業秘密、さらには東京偏重って、まるで、人間社会の話のようだね。
 

【執筆:フジテレビ 社会部デスク 平松秀敏】

平松秀敏
平松秀敏

『拙速は巧遅に勝る』。テレビ報道は、こう在るべき。
『聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥』。これが記者としての信条。
1970年熊本県出身。県立済々黌高校、明治大学卒。
95年フジテレビ入社。報道カメラマン、司法・警視庁キャップ、社会部デスクを経て、現在、解説委員。
サザンオールスターズと福岡ソフトバンクホークスをこよなく愛する。娘2人の父