コロナ禍の3度目の夏となるが、今年の夏休みの予定はすでに決まっているだろうか。久しぶりの海外旅行を計画している人もいるかもしれないが、フェスに出かける人も多いのではないだろうか。

昨年までは中止や規模を縮小しての開催もあったが、今夏はコロナ前に近い形での開催を進めている。さらに、現時点ではフジロック・フェスティバル、ロック・イン・ジャパン・フェスティバル、ライジングサンロックフェスティバル、サマーソニックの“夏の4大フェス”が揃って開催を予定していることから、楽しみにしているファンも多いことだろう。

そんなフェスでの参加で気になるのは、やはり感染対策だ。withコロナのフェスはどのようになるのか? そして楽しみ方は? 各事務局に聞いた。

フジロック「昨年同様、来場者は公式アプリの登録」

7月29日〜31日に新潟県の苗場スキー場で開催されるフジロック・フェスティバル。コロナの感染拡大の防止で20年は延期、21年は「コロナ禍で開催する特別なフジロック」を掲げ、ステージ数を半分にするなど会場のレイアウト変更を施すなどをして開催した。

今年は、昨年同様に来場者にはフジロック公式アプリの登録のほか、政府の基本方針にのっとり、来場時の検温や小まめな手洗い・消毒、十分な距離間隔の確保などへの協力を求めて感染対策に努める。なおマスク着用については、「屋外において、人と近く(目安2m以内)で会話をするとき以外はマスクを外してもよい」との厚労省の方針に合わせ、「屋外でお客様同士距離があり発声や会話がない場合は、感染のリスクが少ないためマスクを外して熱中症の予防やリフレッシュをしてください」としている。

チケットは発売中で、コロナ以降は開催が近づくにつれて売れる傾向にあるとのことで、まだまだ伸びていくと想定している。

(画像提供:フジロック・フェスティバル事務局)
(画像提供:フジロック・フェスティバル事務局)
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――開催に向けての準備でいま、大変なことは?

昨年開催時のようなコロナピークではありませんが、一方でおさまっているわけではないこの状況下でお客さまにより快適に楽しんでいただく環境をどう整えられるのか、模索しております。


――海外アーティストも出演されるが、特別に求める感染対策はある?

水際対策については国の方針に則って行います


――今夏の開催への事務局の思いを教えて。

7月の「いつものフジロック」への通過点!

感染状況に応じた感染防止対策を講じたうえで「いつものフジロック」を取り戻すために、スタッフ一同「音楽と自然、そしてコロナとの共生」をテーマに、創意工夫を図り安心・安全で快適に過ごせる環境を整えています。7月、大自然に恵まれた苗場の地で音楽を体験することを楽しんでいただける空間を、皆さんと一緒に創り上げられることを楽しみにしています。


――来場者にはどのように楽しんでほしい?

お客さまには、コロナ感染防止を心掛けながら、大自然に囲まれた空気のきれいな場所で良い音楽、おいしいご飯・お酒を楽しんでいただきたいです

ロッキン「混雑緩和のため入場時間指定チケットを導入」

8月6、7、11〜13日と5日間、千葉県で開催されるロック・イン・ジャパン・フェスティバル。20、21年は中止となり、3年ぶりの開催となる。待っていたファンも多く、チケットは6月10日に全券種が完売となったという。

開催に向けてのコロナ対策は、政府や千葉県のガイドラインに則った基本的な感染症対策に加え、会場周辺の混雑緩和のため、入場時間指定チケットを導入。ステージ前方エリアは事前抽選の入れ替え制として、参加者同士の密集を回避するとのことだ。また熱中症予防を考慮したマスク着用に関しては、政府による屋外での着用についての考え方と一般社団法人コンサートプロモーターズ協会のガイドラインに準ずる方針だ。

なお会場の千葉市蘇我スポーツ公園は広く、ステージエリアの総面積は約90,000平方メートル。各ステージエリアが隣接していることから移動もスムーズで、近距離かつ広い動線を密にならずに移動することができるという。

(画像提供:ロック・イン・ジャパン・フェスティバル事務局)
(画像提供:ロック・イン・ジャパン・フェスティバル事務局)

――開催に向けての準備でいま、大変なことを教えて。

今年からROCK IN JAPAN FESTIVALは、新たな会場である千葉市蘇我スポーツ公園で開催します。弊社主催のイベント「JAPAN JAM」でも使用している会場ですが、新たにエリアを拡大するなど、新しいフェスを一から作り上げるような感覚で多くの課題と向き合いながら準備を進めています。

熱中症対策と感染症対策を両立させることも課題の一つであると認識し、そのため、マスク着用などのルールに関しても、政府や自治体のガイドラインに則り、適切に設定できるよう検討を重ねています。


――今年の開催への思いを聞かせて。

昨年の夏、収容人数を例年の半分以下にし、出来る限りの感染対策も講じたROCK IN JAPAN FESTIVALを中止にせざるを得なかったことは、とても残念であり、私たちにとって大きなダメージでした。会場を茨城県ひたちなか市の国営ひたち海浜公園から千葉市蘇我スポーツ公園へ移転したことも、イベント業界を取り巻く、厳しい状況に向き合った結果の重い選択でした。

千葉市蘇我スポーツ公園は、広大でフラットなグラウンド状の空間に複数のステージを建てることが可能です。ROCK IN JAPAN FRESTIVALは日本最大の野外ロックフェスティバルとしてのスケールはそのままに、都心からのアクセスが良くなり、より気軽に参加できる都市型フェスへと進化することになります。新たな開催地で、新時代のロック・フェスとしてRCOK IN JAPAN FESTIVALをスタートさせたいと思っています。


――来場者にはどのように楽しんでほしい?

今年、ROCK IN JAPAN FESTIVALは、その20年の歴史を引き継ぎながら、新しく前に進んでいきます。自然との一体感、シームレスに演奏を楽しむことができる高いエンターテインメント性、飲食エリアやトイレ、グッズ売り場、すべてへのアクセスが簡単な利便性、そうしたものが一体となった祝祭空間として最高のものを目指します。

ぜひ参加者の皆さんには、ルールを守りながら、自由で開放的な空間を楽しんでいただけたらと思います。

ライジングサン「来場者には公式アプリの登録」

8月12、13日に北海道で開催されるライジングサンロックフェスティバル。20、21年は中止となり開催は3年ぶり。今年は会場レイアウトや収容人数を見直したが、入場券はすべてが完売。

コロナ対策においては自治体と政府のガイドラインに沿って、対策や運営方法を策定。マスクの着用、咳エチケット、大声での会話や歓声の禁止、間を空けて並ぶなどの基本的な感染対策の徹底に努めることに加え、来場者はRSR2022公式アプリの登録が必要となる。

なおマスク着用に関しては、熱中症対策の観点から「一時的にマスクを外して体温調整をする場合は、周辺に人がいない所でお願い致します」としている。

(画像提供:ライジングサンロックフェスティバル事務局)
(画像提供:ライジングサンロックフェスティバル事務局)

――開催に向けての準備の中でいま、大変なことは?

地方でも、少しずつイベントやお祭り等が開催されるようになり、エンターテインメントの分野も徐々に活気をとり戻してはおりますが、日々状況が変化していますので、運営スタッフの体調管理等には十分に留意しながら準備をしております。また同時に、運営体制につきましては来場されるお客様が、安心してお楽しみいただけるよう、日々協議検討を重ねております。

 
――今夏の開催への事務局の思いを教えて。

3年ぶりの開催となりますが、これまでとは違いお客様のフェスの楽しみ方(スタイル)は大きく変化していると思っています。

フェスティバルやLIVEでは、今まで普通だと思っていたアーティストと一緒に歌うことや声援を送ること、 仲間とワイワイする時間等にも制限がかかりました。しかしそんな状況も段々と緩和され、新たなルールのもと、やっと野外フェスティバルを開催することができること、そして3年ぶりにお客様の笑顔に会えることが、本当に何よりも嬉しいことだと思っております。
 

――来場者にはどのように楽しんでほしい?

まだまだ通常通りとはいかない状況ですので、会場内のルール等も増えていますが、 お互いを思いやる気持ちをいつもより少し多く持っていただき、 新たなルールで開催する新しい形の RSR(野外音楽フェス)という非日常の空間を思いっきり楽しんでいただければと思っております。 

サマソニ「感染状況を見つつガイドラインを作成中」

8月20、21日に東京(千葉)と大阪で開催されるサマーソニック。20、21年は東京五輪開催の関係で、代替フェスとして「スーパーソニック」を企画。しかしコロナの感染拡大で20年は全て中止、21年は大阪会場が中止となり東京会場のみ開催となった。

サマーソニックとしての開催は3年ぶりとなる中、東京会場のチケットは完売、大阪も残り僅かな状況だ。

またコロナ対策については現在の感染者増の状況を見ている段階で、「感染対策ガイドライン」を作成中だが、手洗いや消毒などの基本的な啓発と状況に応じた必要な対策を講じていくという。

(画像提供:サマーソニック事務局)
(画像提供:サマーソニック事務局)

――開催に向けての準備の中でいま、大変なことは?

屋外のエリアの暑さ対策など、快適に楽しんでいただけるような環境づくりを心掛けています。


――海外アーティストも出演するが、海外からの出演者に求める感染対策は?

昨年とは状況が違いますので、基本的には国内で我々が行っている対策と同様の事をお願いすることになります。


――今夏の開催への事務局の思いを教えて

3年ぶりの開催という事で、スタッフも気合十分です。夏の風物詩、サマソニのあの雰囲気を最大限楽しんでいただけるよう準備を進めています。


――来場者にはどのように楽しんでほしい?

まだ本来の自由な空間には100%戻すことは出来ないかもしれませんが、お目当てのアーティストのライブを十分楽しんで、さらに新しい音楽の発見もしてもらえたら嬉しいです。


再び感染拡大の兆しがみえる中、今後の感染状況に応じて対策変更の可能性はあるとしている。夏の風物詩となったフェスを楽しみにしている人も多いことだろう。事務局からの情報をチェックしつつ、参加者は感染対策には十分に留意し、コロナ禍のフェスを楽しんでほしい。