千葉県八街市の一軒家で、小型犬221匹を、劣悪な環境で飼うなどした疑いで、63歳の女が書類送検された。

悪臭・鳴き声の”苦情”に警察動く

千葉県警生活経済課によると、女は、今年3月2日、八街市の自宅で、小型犬221匹を、去勢手術などをせずに、密度が高い状態で、排泄物の処理をしないまま、劣悪な環境で飼育した、動物愛護法違反(愛護動物の虐待)の疑いが持たれている。

女の自宅の中は、小型犬で超過密状態となっていた(千葉県警提供)
この記事の画像(16枚)

事件の発端は、去年10月11日、動物愛護団体からの110番だった。「6~7年前から室内で200頭以上の小型犬を飼育している家がある。悪臭や鳴き声の苦情も寄せられている」との内容だったという。

通報を受けた県警は、その日のうちに動いた。八街市、保健所、動物愛護センターと協力し、不適切な飼育状況と判断し、この女に対して行政指導を行った。それ以前にも、自治体に対して、臭いや鳴き声についての苦情が寄せられたとのこと。

書類送検された女の自宅(14日 千葉・八街市)
女の自宅から犬たちが顔を出しているのが分かる(動物保護団体CACI撮影)

排泄物まみれ ”悪臭基準”10倍以上

県警は、その後も、文書による勧告などを3回繰り返したが、女は従わず。結局、今年3月2日、動物愛護法違反の疑いで、家宅捜索に乗り出した。その日の捜索差し押さえには、獣医も同行したという。

室内は、想像を絶する状態だったに違いない。住宅の1階と2階合わせて110平方メートルの中に、小型犬ばかりが221匹、”密接”状態だったという。悪臭もヒドかった。室内には、排泄物が、そのまま放置された状態だった。

室内は、犬の排泄物が、そのまま放置されていたという(千葉県警提供)

数値は1階が51.8ppm、2階が40.1ppmで、悪臭基準(1~5ppm)の軽く10倍以上に達していた。獣医が調べたところ、221匹のうち、目ヤニがこびりついている犬が210匹、結膜炎にかかっている犬が165匹、毛に排泄物がこびりついている犬が216匹にのぼった。

調べによると、ほとんどの犬が、何らかの病気にかかっていたそうだ。取材に対して、近所の人は、「もう臭いとか鳴き声がひどくて、とにかく、すごかったです」などと現状を訴えていた。この日の家宅捜索で、県警は、221匹のうち199匹について、女に所有権を放棄させたという。

去勢手術・狂犬病注射なし 「こんなに増えるとは」

残る22匹の中で、女の手元に残った犬は8匹のみ。残りは、女の長女や里親に引き渡されたという。女は、この8匹については、今後も飼い続けるということだが、保健所が、継続して指導していく方針だ。

調べに対して女は「まさかこんなに増えるとは」などと話しているという(動物保護団体CACI撮影)

今月14日、県警は、容疑が固まったとして、動物愛護法違反の疑い(愛護動物の虐待)で、女を書類送検した。女の説明によると、この住宅に引っ越してきた時は、成犬が14匹、子犬が7匹だったそうだ。

ところが、飼い犬の登録はおろか、狂犬病の注射もせずに、当然、去勢手術もしないまま、小型犬たちは増え続けていったという。調べに対して女は「このような環境の下で飼育していた行為が、動物虐待であると言われても仕方ない。正直、こんなに増えてしまうとは思わなかった」と供述している。

別の”多頭飼育”男は「汚すぎて」車で生活

一方、同じ千葉県の松戸市で、同じ日に、犬18匹を不衛生な状態で飼育するなどした疑いで、54歳の男が逮捕された。

家の外からも、劣悪な飼育環境をうかがうことができた(15日 千葉・松戸市)

男は、今年4月、松戸市仲井町の自宅で、秋田犬など18匹を、密度が高い状態で閉じ込め、劣悪な環境で飼うなど、虐待した疑いが持たれている。容疑は、八街市の女と同じ、動物愛護法違反(愛護動物の虐待)だ。

松戸署は、犬の鳴き声や逃走について50件以上の通報があり、その都度、指導をしてきた。しかし改善が見られなかったため、逮捕に踏み切ったという。室内には、犬の排泄物が4センチほど、庭には16センチほど堆積していたとのこと。

男は「犬は住めるが人は住める環境ではない」などと話していて、自分は、自宅ではなく、車の中で生活していたという。調べに対し「全ての犬に愛情を持っている」と供述している。容疑を否認しているため、逮捕を選択せざるを得なかったものとみられる。

男は「犬は住めるが、人は住めない」などと話し、自らは車の中で生活していたという。
記事 913 社会部

今、起きている事件、事故から社会問題まで、幅広い分野に渡って、正確かつ分かりやすく、時に深く掘り下げ、読者に伝えることをモットーとしております。
事件、事故、裁判から、医療、年金、運輸・交通・国土、教育、科学、宇宙、災害・防災など、幅広い分野をフォロー。天皇陛下など皇室の動向、都政から首都圏自治体の行政も担当。社会問題、調査報道については、分野の垣根を越えて取材に取り組んでいます。