全国でクマによる被害が相次ぎ、秋田県は対策のため自衛隊派遣を要請した。新潟県内でもクマの出没件数が過去最多となる中、花角知事は“最大級の警戒”を呼びかけるとともに自治体の対応状況について情報収集にあたる考えを示した。魚沼市では緊急銃猟によってクマを駆除するなど、自治体がクマ対応に追われる中、自治体には「クマを殺すな」などの苦情も寄せられているという。

知事“最大級の警戒”を呼びかけ「ただならぬ事態」

「危機感というか憂慮する事態ということだと思う。最大級の警戒をお願いしたい」

10月29日の会見で新潟県の花角知事が呼びかけたのは、被害が相次いでいるクマへの警戒だ。

花角知事
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新潟県内では25年度、これまでにクマによる人身被害は13人に上っていて、出没件数は過去最多の2114件となっている。

そのクマ対策をめぐっては、秋田県が「マンパワーが足りない」などとして自衛隊に支援部隊の派遣を要請。

こうした動きを受け、花角知事は県内の自治体の態勢などについて情報収集にあたる考えを示した。

「ただならぬ事態。通常ではない事態というところでの危機感が多くの自治体にあるのだと思っている。担当部局からも情報を集めて聞きたいと思っているが、新潟県も同じような状況があるのかというところ」

緊急銃猟で駆除も…問い合わせや批判の電話「なぜ殺す」

魚沼市では10月21日にクマ1頭が住宅地付近で目撃され、人の日常生活圏内であり、危険な状態であったことから、魚沼市は新潟県警と協力し、周辺の安全確保を行った後、午後1時12分に猟銃によりクマを駆除した。

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県内で初となる緊急銃猟による駆除となったが、この緊急銃猟について、「子グマだったのになんで殺すんだ」「麻酔銃で眠らせて山に帰せたのではないか」といった内容の問い合わせや批判の電話が魚沼市に寄せられているという。

県に対して緊急銃猟に関する批判や問い合わせはないものの、捕獲については25年度10件以上の問い合わせや批判があり、「クマを捕獲してかわいそう」「クマを殺すな」などの内容だったという。

県は現在、警戒レベルの最も高いクマ出没特別警報を発令していて、県民に対してホームページで公表している『クマ出没マップ』を活用することや住宅近くに柿の実などがある場合、早めに収穫することなどを呼びかけている。

NST新潟総合テレビ
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