サッカーJ2Vファーレン長崎は、次節はいよいよ新たな本拠地となる長崎スタジアムシティ「ピーススタジアム」での初戦を迎える。これまで選手やチームを鼓舞してきた応援歌「V-ROAD」には、長崎ならではの想いが込められている。
チームとサポーターを一つにする「V-ROAD」
試合中、ひと際大きくスタジアムに響き渡るチャント「V-ROAD」。
この記事の画像(7枚)V・ファーレン長崎の応援には欠かすことができない曲だ。「勇気をもらえる」とサポーターに絶大なる支持を得ている。その想いは選手も同じ。
フアンマ デルガド選手は「自分にとっては試合の時がきたと感じる曲だ」と話し、マルコス ギリェルメ選手も「子供も歌っているし、自分も一緒に歌ったりする」と語る。秋野央樹選手は「自分たちとサポーターをひとつにしてくれる曲で、自分たちにしか味わえない感覚にさせてくれる曲」という。
曲を作ったのは、ロックバンドFUNKISTのボーカル・染谷西郷さん。
染谷さんがV・ファーレン長崎と出会ったのは、チームがJリーグに参入した2013年だ。試合前にスタジアムでミニライブをすることになったのが「V-ROAD」誕生のきっかけだった。
FUNKISTボーカル 染谷西郷さん:
初めてライブすることになったとき、ただライブして終わりはもったいないと勝手に応援歌を作って当日披露しようと。自分たちで勝手に作った応援歌がV-ROADだった。
「V-ROAD」はその後、しばらく表に出ることはなかったが、再び脚光を浴びたのは2017年。経営不振でチームの存続が危ぶまれた年だった。
FUNKISTボーカル 染谷西郷さん:
せっかく勝っていたのにJ1に行けそうなのに、サポーターが来なくなったなどいろいろあったときに、サポーターが『もう一回長崎をひとつにしたい。何かないかな』と探していたら、5年前にトラスタで俺たちのテーマ曲を作ったバンドがいたぞと映像を見つけてくれて、それでこの曲を歌おうとV-ROADがチャントになった。
長崎をひとつに
サポーターたちの願いをのせた「V-ROAD」の応援歌は大きな旋風を巻き起こし、チームはその年、悲願のJ1昇格を決めた。
誕生から11年。今ではサッカーのみならず、甲子園で全国各地の高校がチャンステーマで演奏するなど、広がりをみせている。長崎のために作った「V-ROAD」に、染谷さんは歌詞に平和への思いを込めているのだ。
FUNKISTボーカル 染谷西郷さん:
一番の勝利は“あなたといられること”。一番の勝利は“あなたと歩むこと”。やっぱりサッカーって勝利が大事だし、勝負の世界だし、でも長崎は世界中のどこよりもサッカーを応援できる喜びやその意味をを知っている町だと思う。だからこの歌詞に全部をこめたというか、“一番の勝利はあなたと歩むことなんだよ”というのが、長崎にもらった思い。
次節いよいよ新スタジアムで「V-ROAD」
シーズンも残り5試合。昇格争いも大詰めを迎えるなか、V・ファーレンは次節、新たな本拠地・長崎スタジアムシティの「ピーススタジアム」で初めての試合に臨み、J1昇格に望みをつなぐ。
FUNKISTボーカル 染谷西郷さん:
新スタジアムでV-ROADを聴いたらそれは泣いちゃいますね。新スタジアムに行くことで平和公園が近くなったりとか、長崎県外の人や海外の人も、もう一度平和の町長崎にふれてもらうきっかけになると思う。トラスタでみんなが大事にしてきたものをしっかりもって、新スタジアムに行けたらと思う。
(テレビ長崎)