アメリカのトランプ大統領が「カナダを51番目の州にすべきだ」と主張する中、カナダの与党・自由党の党首選挙が行われ、元カナダ銀行総裁のカーニー氏が圧勝しました。

その一方で、トランプ政権内で亀裂が浮かび上がっています。

このニュースについて、フジテレビ・立石修解説委員室長とSPキャスターのパトリック・ハーラン氏に詳しく聞きます。

トランプ政権内の亀裂ですが、政府効率化省のトップを務めるイーロン・マスク氏と、国務長官のルビオ国務長官の間に入ったのではないかといわれています。

トランプ大統領が開いた閣僚会議で、マスク氏がルビオ国務長官に対し、職員の削減を怠っていると詰め寄りました。

これに対し、ルビオ国務長官は「真実を語っていない。国務省の職員は1500人以上が早期退職に応じた」と反論し激しく衝突したと、ニューヨーク・タイムズが報じました。

この衝突が事実なのか、記者団から問われたトランプ氏は「私はその場にいたが衝突はなかった。2人はうまくやっている」と答えています。

──トランプ大統領は、「2人はうまくやっている」と言っているわけだが、マスク氏とルビオ国務長官の対立は政権運営にも影響が及びそうか?

立石修解説委員室長:
この2人はマスク氏が推し進める政府のリストラ案を巡って、この数週間、緊張状態にあったといわれています。この日の言い合いは、最終的に怒鳴り合いにまで発展したとの報道もあります。質は他にも、マスク氏のトップダウン的な手法には、このところルビオ国務長官以外の閣僚からも反発が相次いでいたんですね。これを受け、トランプ大統領は先週、「人員削減を主導するのはあくまでも閣僚であって、マスク氏は必要に応じてサポート、介入に入る」というふうに方針を転換した。これは政権発足以来、トランプ大統領が初めてマスク氏の権限を制限した形になります。

──2人とも重要なポストにいるわけだが、トランプ大統領はどちらを取るというのはあるのか?

立石修解説委員室長:
トランプ大統領は、どちらも切り捨てない考えのようです。実は、土曜日の夜はマル・アラーゴと呼ばれるトランプ氏の私邸にマスク氏とルビオ国務長官を呼んで夕食をとったとの報道もある。この2人の仲裁に乗り出した形です。当面は、大胆な発想力のあるマスク氏と、実務能力のあるルビオ国務長官ら閣僚のいいとこ取りをしながら、自分のやりたいことをやろうと考えているのではないかと考えられます。

──政権内だけではなく、アメリカ国民からもマスク氏の反発が強まっているが?

立石修解説委員室長:
この週末も、アメリカ各地で反マスク氏のデモがテスラ店舗の前などで行われていて、不買も呼び掛ける、テスラを買わないようにという呼びかけも行われてた。株価も下落傾向にあります。市民のみならず、トランプ大統領の支持者や共和党内からも「自分たちはトランプ氏に投票したのであって、マスク氏に投票したわけではない」という声が上がっていて、こうした声が今後、中長期的には2人の関係性に影響を及ぼす可能性も否定できないと思います。

──トランプ大統領就任2カ月も経っていないが、どう対応していくか?

SPキャスター パトリック・ハーラン氏:
党内からの反発は高まっていますね。特に政治家は、自分の選挙区に戻って皆さんの意見を聞く「タウンホールミーティング」を定期的に開いているものなんですが、それを最近やめていると。党内からやめるようにアドバイスを受けているといい、なぜならマスク氏に対する反発が高まっているため、タウンホールミーティングを開くとカオスになると。ですから、これが果たしてトランプ大統領の方向転換につながるか、要注目です。