気候変動対策を話し合うCOP29が今週から始まりました。

温暖化対策の遅れは深刻で、トルコの湖にはフラミンゴの大量の死骸が。
何が起きているのでしょうか。

トルコのイスタンブールから車で6時間。
辺り一面、真っ白な雪景色のように見えるんですが、全て塩なんです。

トルコで第2の大きさを誇る湖で観光地としても有名な「トゥズ湖」。

観光客は「どこもかしこも塩で不思議」「砂漠みたいで何となく怖い」と話していました。

多くの塩分を含む湖で、塩の生産も行われています。
ここで作られた塩は、トルコで生産される塩の約6割を占めています。

地表に出てきた塩をトラックに積む作業を行っている様子も見られました。

塩を採るためには、地下にある塩が水を介して地上に上がってくる必要があります。

しかし、湖の水は25年前と比べて10%ほどにまでに激減し、業者も対応を求められていました。

コユンジュ塩・地質エンジニアのドーアンさんは「この地域は干ばつがひどく雨が少ない。そのため地下水を利用している」と話します。

水が足りず、塩を採るために地下水をくみ上げて、人工的に湖を作り上げているといいます。

また、湖から水が消えた原因は干ばつだけではありません。

トゥズ湖があるコンヤ地方は穀倉地帯で、麦などを育てるには大量の水が必要です。

地質エンジニア・オズデミルさんは「地球温暖化で水が不足し、農家には違法に井戸を掘っている人がいる。地下水の奪い合いになっている」と話し、干ばつに加えて、違法な井戸から大量の地下水をくみ上げ続けた結果、トルコでは240の湖のうち約8割が消滅しました。

フラミンゴの繁殖地としても知られるトゥズ湖。
3年前、湖の水が干上がったため、生まれたばかりのヒナなど約5000羽が餓死しました。

こうした事態を避けようと、専門家は水が少ない環境で育っている植物の遺伝子を分析し、その遺伝子を移植して水が少なくても育つ麦などを新たに生み出そうとしています。

セルチュク大学理学部・ウイサル教授は「水が全くないのは無理だが、できるだけ水を使わない農業を発展させるべき」と話します。

今、地球規模の温暖化対策が求められています。

フジテレビ
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国際取材部
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