プロ野球で新たな歴史を作り続ける東京ヤクルトスワローズ村上宗隆22歳。

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9月9日(金)神宮球場での広島戦では今季53号となる本塁打をバックスクリーンに放り込み、「シーズン52本塁打」で並んでいた1963年野村克也(南海)と1985年落合博満(ロッテ)を抜き歴代単独6位、日本選手として単独2位となった。

5打席連続HRなど今季は記録ラッシュ

1週間前の2日の試合では、日本人選手では松井秀喜さん以来20年ぶりとなるシーズン50発。「22歳7カ月」での大台到達は王貞治さんの記録「24歳3カ月」を上回り史上最年少となった。

その試合後のヒーローインタビューでは「また、明日明後日と常に成長したいなと、常に打ちたいなと思ってるので、そこが僕の目標なので応援よろしくお願いします」と残り試合でも本塁打量産を期待させた村上。8月にはプロ野球新記録となる5打席連続本塁打を放つなど、リーグ連覇へ首位を走るヤクルトの至宝は記録ラッシュだ。

【今季達成した主な記録】
プロ野球新記録:5打席連続HR
史上最年少記録:通算150号
球団新記録:14打席連続出塁

そんな村上の目の前に迫る大偉業が「令和初の三冠王」。打率・本塁打・打点の3部門を制した者に与えられる称号「三冠王」。現在、村上はその全ての部門でトップを走っている。

打 率:①村上宗隆.338 ②大島洋平.324 ③佐野恵太.317 
本塁打:①村上宗隆53本 ②岡本和真/丸佳浩25本
打 点:①村上宗隆128  ②大山悠輔81 ③牧秀悟77
※9月10日試合前時点

東京ヤクルトスワローズの残り試合は9月10日試合前時点で19試合。いよいよ18年ぶりの三冠王誕生が現実的になっている。

村上のバッティングの凄さを深掘りするために福岡へ

訪ねた相手は「平成唯一の三冠王」松中信彦氏(48)。

2004年(平成16年)のプロ野球・福岡ダイエーホークス選手時代に、
打率3割5分8厘、本塁打44本、打点120
と圧倒的な数字を残し、史上7人目の三冠王に輝いた。(この時は最多安打、最高出塁率を含め打撃五冠)

左:福岡ダイエーホークス時代の松中氏 右:三冠王に輝き、笑顔の松中氏
左:福岡ダイエーホークス時代の松中氏 右:三冠王に輝き、笑顔の松中氏

村上の特徴は「引いた状態で構える右肘」

そんな松中氏の自宅で三冠王誕生へのポイントを聞いたー

村上の打撃をどう分析している
「“無駄な動き”がない。バッターとして一番理想的な、いろんなボールに対してミスがない」

無駄のないスイングとは具体的には?
「構えた時の一番の特徴が、右肘がすごく引いた状態で構えるところ」

村上の構えを解説する松中氏
村上の構えを解説する松中氏

右肘を極端に引く村上の構え。このフォームがもたらすメリットとは?
「例えると、弓を精いっぱい引っ張ってキープしている状態」

「普通は、構えた状態からいったんバットを引く動作が入るんですけど、村上選手はもうマックス(バットを引いた状態)でボールを待っている。もう発射すればいいだけなので、色々なボールに対して対応ができる」

左:一般的な選手の構え 右:村上選手の構え
左:一般的な選手の構え 右:村上選手の構え

右肘を引いた状態をキープすることで、様々なボールに対応することができている村上。それは人並み外れたパワーがあってこそのもの。

「様々なボールに対応できる」村上の打撃フォーム
「様々なボールに対応できる」村上の打撃フォーム

「体の体重移動を使わないとボールに強いパワーを伝えられないんですけど、村上選手は体が強いので右肘を引いた状態からでも100%のパワーが出せる。だから誰でも真似できる打撃フォームかというと、できない」

本塁打と打点の2冠獲得は確実な状況だが、残るタイトル「打率」を制するポイントはどこにあるのか?
「後ろのバッターと我慢です」

後ろのバッターが打てず、村上選手が『俺が打たないといけない』という気持ちになってくると、厳しいボールに手を出して凡打になっていく。これから四球でもいいという配球になってくるので、そこさえ我慢できれば打率は落ちない。村上選手がどれだけ我慢できるか。この2つがクリアできれば三冠王をとれると思います」

リーグ連覇そして記録への重圧に打ち勝った時、新時代の三冠王に村上がなるー

「村上君が三冠王をとってくれたら、歴代三冠王8人の中の二人が熊本出身という(笑)。すごくワクワクしながら楽しんでいます。頑張ってほしいなと思いながら見させてもらっています」 

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9月10日(土)24時35分から
9月11日(日)23時15分から
フジテレビ系列で放送