原油や原材料などの価格高騰による「物価高」の影響を受けた倒産が7月だけで31件と急増している。

帝国データバンクによると、原油など原材料の仕入れ価格の上昇や、取引先からの値下げ圧力などで価格が転嫁できないことから収益が維持できずに倒産した「物価高倒産」は、7月だけで31件と、ひと月としては最多となった。

今年1月から7月では116件に達していて、早ければ8月にも去年1年間の138件を上回り、年間の最多件数を更新する可能性が高いということだ。

業種別では、燃料高の影響が大きい「運輸業」(33件)がトップで、木材・資材高の余波を受けた「建設業」(27件)、「卸売業」(18件)と続く。

「物価高倒産」の約8割を負債5億円未満の中小企業が占めていて、帝国データバンクは、この物価高は、「確実に中小・零細企業の体力を奪っており、今後は『卸売』や『小売』で『物価高倒産』がさらに増加するおそれもある」と指摘している。

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