新型コロナの感染者がこれまでにないスピードで増加し、5日の全国の感染者は2600人を超えました。これまでと同じように「まん延防止」や「緊急事態」という措置で対応するのか、それとも、別の考え方があるのか。「めざまし8」では、先に感染が急増しているNYの専門家に意見を聞きながら議論しました。

「急に政策を変更する必要ナシ」ウイルスの専門家が言及

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一日の感染者が2000人を上回るのは、2020年9月26日以来でおよそ3カ月ぶり。
中でも急拡大が最も懸念されているのが沖縄県です。1月5日には、623人の感染者を確認。さらに、感染者数のグラフも急上昇し、1月4日からおよそ400人増加しています。

一方で、世界でのコロナ感染の状況を見てみると、アメリカでは1月3日に、1日の感染者が100万人を超えました。しかし、ロックダウンなどの強い規制はとられていません。

ニューヨーク大学 多田卓哉博士研究員:
オミクロン株で陽性になったにしましても、陽性でも症状がなければ基本的には職場に来ても大丈夫ということで、過去に比べると非常に緩い状況にはなっていますね。

緩い規制のままだと話すのは、ニューヨーク大学のウイルスの専門家・多田卓哉氏。

アメリカでは、1月1日までの1週間に報告された感染者のうち、95.4%がオミクロン株と推定されると発表しています。ところが、これだけ感染者が増えているのに、“共存”できるというのです。

ニューヨーク大学 多田卓哉博士研究員:
幸いなことに重症化率などを見てみますと非常に低いという報告があります。ワクチンさえ打っていれば基本的には重症化などは防げると考えています。

ーー重症化率が低いから、普段通りの生活、“共存”しているといったイメージ?

ニューヨーク大学 多田卓哉博士研究員:
そうですね、はい。

その上で、重症化を抑えるためには3回目のワクチン接種が重要だと指摘。

ニューヨーク大学 多田卓哉博士研究員:
ワクチンありきで基本的には耐性ができれば、特に今回のオミクロン株なんかで言いますと、基本的にはロックダウンまではしなくてもいいですね。普通の風邪のような状態になっていくのであれば、大騒ぎする必要もないのだと思います。基本的にはマスクをして、ワクチンをして、手洗いうがいをすれば基本的には防げるとは思いますので。急に政策を変更したりする必要は無いと思います。

日本でもオミクロン株と“共存”することになるのでしょうか。
さらに、スタジオでは橋下徹氏と古市憲寿氏が日本の対応に関して議論しました。

橋下徹氏「専門家会議機能していない」

橋下徹氏:
日本の政府に置かれている専門家会議がまったく機能していない。また、日本の色々な感染症の専門家の皆さんに申し訳ないんですけれども、感染症の専門家のみなさんの意見が、国民に響いてない部分があると思うんですよ。僕感染症の専門家ではないですけど、法律の専門家、政治を経験したということで、少し論理で考えてみれば、規制強化っていうことを感染症の専門家の皆さん言うのですが、どれくらいの規制をやったらどれくらいの効果があるのかって、この2年間まったく継承されていないんですよ。中国ほどのロックダウンをやれば、これ効果があることははっきりしています。ただ、中国ほどのロックダウンというのは、強制的に自宅にとどめておくとかそういうことですよ。これはものすごいマイナスもあるし、民主国家ではできないですよね。

中国のロックダウンの効果は高いが日本での実行は難しいと言及。そして、日本が“マスクの着用義務化”をしていないことについて指摘しました。

橋下徹氏「まん延防止特定の業種の時短の効果疑問」

橋下徹氏:
もう一方は、マスクの着用や手洗いなど日本人がやっている感染対策、こういうことでは世界各国で比べてみると、日本の感染者数とか死者数は著しく少ない訳ですよね。マスクの着用とか手洗いとかきちっとやるのは効果があると言うことは分かっている訳です。ところが、まん延防止は特定の業種だけの営業を時間短縮するだけですよ。これで効果あるんですか。僕もこの番組でもずっと言い続けているんですけども、全然政治家耳を傾けてくれないんですが、マスクの着用を日本は義務化やっていないんですよ。まずこっちじゃないんですか。マスクの着用とか、感染対策、国民一般に対して、きちっとやりましょうっていうのが先であって、社会経済活動の抑制を本気でするのであれば、中国並みをやるかどうかですよ。日本の感染症の専門家のみなさんちょっとしっかり言ってくれよというのは思いますね。

一方で古市憲寿氏は沖縄県知事の発言に潜む“危うさ”に言及。

古市憲寿氏が指摘した沖縄県知事発言への違和感

古市憲寿氏:
まん延防止は言い訳な気がします。3回目接種希望者に対しては、できるだけ早く接種できるようにするとか、後はファイザー社の飲み薬を処方するだとか、病床の確保とかできることが沢山あるのに、人々の行動制限だとか、飲食店に対する自粛を求めるというのは、ちょっとなんか政治がずるい、一番やりやすいことをやっているのではないかなという気がするんですよね。橋下さんとは意見が違うかもしれないですけど、例えば沖縄県知事の発言は、少し僕危険だなと思います。確かに米軍に対する怒りは分かります。しかし、本来病気が理由で、ある集団を差別するっていうのは一番のタブーじゃないですか。それにも関わらず、アメリカ軍が由来で感染拡大がしているというのを沖縄県知事がある意味、明言してしまっている。これって欧米で起こったアジア人差別とすごく近い気がしていて、そういうことを煽るような発言というのは、ちょっと政治家としてはどうなのかな。その人々の差別意識というものの方が僕はちょっと警戒感がありますね。

なぜアメリカは一日100万人も感染者数が出ているにも関わらず、医療崩壊が生じないのかという疑問については…

ニューヨーク大学 多田卓哉博士研究員:
基本的には、一部の方はまったく病院に行かないということが一つなんですけども、この2年間、特にコロナで病院が結構圧迫されていまして。そこから病院も色々学びまして、対策を講じてきました。そして、病床を増やしたり対策をした結果、色々現時点では対応できるようになったということも一つ原因だと思います。

コロナの感染急増に改めてどう向き合うのか?重要な局面を迎えています。

(めざまし8 1月6日放送)