列島各地を数年に一度の“最強寒波”が襲っている。観測史上1位の積雪を記録した滋賀では、車が立ち往生し、関東地方にも大雪が降った。

滋賀・彦根市で“12月観測史上最多”の積雪を更新

12月27日の朝の滋賀・彦根市では、玄関のドアを開けると、目の前には信じられないほど大量の雪が。

笠原正道記者:
一晩で60~70cmぐらいは積もったと思われます。外に出るのが困難です。

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彦根市では午前6時に、積雪が平年の36倍である73cmに達し、12月の観測史上最多を更新。

JR琵琶湖線の一部区間は終日運休。

彦根市内では雪の重みでガレージの屋根がつぶれたり、信号機が折れ曲がるなどの被害も相次いだ。

上空から彦根市を走る国道8号線を見ると、片側車線に伸びた長い車両の列が全く動いていない。

大型トラックが雪でスリップして動けなくなり、2キロ以上にわたって立ち往生した車の列が続いていた。

影響は周辺の道路にも及び、混乱が広がった。

記者:
国道8号線につながる道です。国道8号線が立ち往生しているせいでしょうか?長い渋滞ができています。

現場周辺では入荷の遅れや従業員が出勤できないなどのトラブルで、ファストフード店や商業施設が臨時休業する事態となっていた。

立ち往生してしまったトラック運転手:
8時に八日市のIC降りて4時間半。卸先に行けない状態です。

車の立ち往生は滋賀県内の各地の道路で発生。市民が協力して救出する場面なども見られた。

滋賀のみならず記録的大雪は各地に

数年に一度の強い寒波。年の瀬を迎えた列島は西日本を中心に記録的な大雪が続いている。

兵庫・朝来市和田山では、24時間の降雪量が観測史上1位となる71cmを観測。

鳥取・智頭町でも積雪73cmと12月の観測1位を更新。駅前に止まるバスの屋根がすっぽりと雪で覆われ、市街地でも腰近くにまで雪が積もっていた。

青森県の酸ケ湯では、積雪量が一時214cmに達した。

地名伸一記者:
今日はもう(積雪の高さが)2mを超えて身長より高くなっています。

4日前の12月23日と比べると、27日までに降り積もった雪の量が一目瞭然。

首都圏や関東も最強寒波の影響が

最強寒波の影響は首都圏にも及んでいる。

東京・府中市を流れる多摩川では、27日の朝、厳しく冷え込んだ朝に見られる幻想的な風景「けあらし」が見られた。

土手を歩く人たちの息も真っ白。

60代女性:
ちょっと痛々しい感じ。霜が立ってたのですごい寒さを感じました。

東京都心では27日の朝、氷点下2度を観測。12月に氷点下2度を下回るのは45年ぶり。

上野優華記者:
午前7時すぎの池袋駅前です。手元の温度計はマイナス0.7度を示しています。

関東でも山沿いを中心に大雪となっている。

林理恵記者:
群馬・みなかみ町のバス停なんですけれども、下半分がほぼすべて雪に埋まってしまっています。

群馬・みなかみ町では、午前8時までの24時間に23cmの雪が降り、住民を困らせていた。

住民:
また一から(雪かき)やり直しみたいな、そんな感じだよね。

12月31日(大みそか)からは再び寒波が訪れるとみられていて注意が必要だ。

(「イット!」12月27日放送分より)