シリーズでお伝えしている「地球を守ろう」。

11日は、食糧不足の救世主となるかもしれない、ある野菜についてお伝えする。

地球温暖化などの影響で、農業をめぐる環境が厳しくなる中、砂漠や塩分がまざった水でも育つ、「砂漠のスーパーヒーロー」とも呼ばれる野菜を取材した。

国土の80%を砂漠が占めるUAE(アラブ首長国連邦)。

農業に過酷な気象条件の中、栽培の取り組みが行われているのが、この青々としたシーアスパラガス。

暑い気候で不足しがちなミネラルや、ビタミンなどの栄養素を多く含み、さっとゆでるだけでサラダにしたり、炒め物など、いろいろな料理にアレンジできることから、ヨーロッパや北米の食卓で広く親しまれている。

乾燥地帯では、地下水に塩分が溶け込みやすく、農業に不向きといわれるが、シーアスパラガスは塩分を含んだ水でよく育ち、砂漠での栽培にも適している。

ドバイにあるNPO(民間非営利団体)では、砂漠に適した食用植物を調査し、気候変動に対応するための農業の研究を行っている。

ICBA(国際塩水農業センター) ディオシニア・リラさん「塩水を使って、これまでとは違う作物の栽培に力を入れる必要があるのです」

研究施設では、食用の魚を、塩分が含まれた地下水で養殖し、その塩水をシーアスパラガスの栽培に“再利用”する試みも行っている。

魚のふんが肥料となり、シーアスパラガスの生産量は3倍に。

年に2回、収穫ができ、大規模な生産が見込める。

ICBA(国際塩水農業センター) ディオシニア・リラさん「間違いなく、シーアスパラガスは砂漠地帯での食料の安定供給をある程度助けることができるでしょう」

シーアスパラガスに寄せられる大きな期待。

このシーアスパラガスを広めるため、ドバイ郊外にあるレストランでは、実際にシーアスパラガスを使ったメニューが提供されている。

サリコルニアを使った、バーガー、ジュース、クッキー、パンなどがそろっている。

シェフのルカ・コブレさん「海外にも輸送しやすい商品を開発できれば、シーアスパラガスは、どんどん普及していくでしょう」

食用だけでなく、バイオ燃料としてのポテンシャルもあるというシーアスパラガス。

真の砂漠のスーパーヒーローとなるのか、その可能性に注目が集まる。

このシーアスパラガスは、バイオ燃料として、原料としても将来性があり、2019年には、世界で初めて、UAEからシーアスパラガス由来のバイオ燃料で飛行機が飛んだという。