5歳の子どもを餓死させた疑いで母親とその”ママ友”が逮捕された事件で、”ママ友”による精神的な支配の実態が明らかになってきた。

「精神的支配」の実態が明らかに

赤堀容疑者(一番左)、碇利恵容疑者(一番右)、碇翔士郎ちゃん(右から2番目)
赤堀容疑者(一番左)、碇利恵容疑者(一番右)、碇翔士郎ちゃん(右から2番目)
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一つのテーブルを囲んで行われた食事会。

机の上の物を触っているのは5歳で餓死した碇翔士郎ちゃん。その隣には、翔士郎ちゃんを餓死させた保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕された母親の碇利恵容疑者(39)が座っている。

向かいでその様子をじっと見ているのが、”ママ友”で碇容疑者を精神的金銭的に支配していたとみられる赤堀恵美子容疑者(48)。

2020年4月、福岡・篠栗町のマンションで5歳の翔士郎ちゃんを餓死させた疑いで逮捕された母親の碇容疑者と”ママ友”の赤堀容疑者。

赤堀容疑者は碇容疑者に対し、ある嘘を吹き込み精神的な支配を行っていたとみられている。

碇利恵容疑者 3日 福岡・西署
碇利恵容疑者 3日 福岡・西署

「子どもが太っていたら金取れない」

(碇容疑者の)夫が浮気している
赤堀容疑者はこうした嘘の浮気調査費用や、架空の離婚訴訟の費用として金を要求。

碇容疑者の収入は生活保護などで20万円前後だったが、貯金なども含めて1千万円を超える金を赤堀容疑者に渡していたとみられている。

そうした中で、翔士郎ちゃんの餓死につながったとみられる食事の支配が行われたとという。

子どもが太っていたら、夫との裁判で養育費や慰謝料が取れない。監視カメラで見張っている

碇容疑者に対し赤堀容疑者は、家の中に監視カメラを設置し、共通の知人が見張っているなどと信じ込ませていたという。

児童相談所が訪問するも危険把握できず

実はこの支配生活が行われている中で、児童相談所などは2019年から十数回にわたり碇容疑者や翔士郎ちゃんの家庭訪問を行っていたものの、差し迫った危険は把握できなかったと説明している。

篠栗町 こども育成課長:
母親から信頼する友人ということで、同席を母親本人も望んでいる。

町の職員が面会を行った際、碇容疑者は「信頼する友人」の同席を求めることがあったという。
その同席した友人が赤堀容疑者とみられる。

その際、赤堀容疑者は職員と碇容疑者の話に割って入ったり、なぜ来たのかと聞いてきたという。

児相との面会に同席…「ありえない」

面会での対応について、児童相談所で19年の勤務経験を持つ山脇由貴子さんはありえないと指摘する。

元児童相談所職員 山脇由貴子さん:
そういう人を同席させるっていうのは通常あり得ないと思います。「あなたに聞いてません」というふうにストップをかける…少なくとも面談の中ではやらなければいけなかったと思います。「私はこの人の言うことを聞いてます」みたいな状況は非常に危険ですよね。母の意思がそこには存在していないので。これはおかしいなと思わないといけない

翔士郎ちゃんは、亡くなる3カ月ほど前の2020年1月に幼稚園を退園。

碇容疑者は調べに対し、「職員に虐待を疑われるのが嫌で辞めさせた知人の女に退園を勧められていた」と容疑を認めている。

一方で赤堀容疑者は、「食の支配・管理は一切やっていない」と容疑を否認している。

(「イット!」3月3日放送)

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