いよいよ令和最初の国政選挙が幕を開けた。
安倍政権に対する肯定か否定か、政治に対する期待か不満か。様々な思いを一票に託せるチャンスである。
だがここで考えてみる。有権者はそもそも今、政治に関心を持っているのだろうか。
今回の選挙で投票行動としてどの程度表れるのか、社会の現状とともに考えてみたい。

新時代「令和」の価値観

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新しい元号「令和」が発表された4月1日、安倍首相は新時代への思いを次のような言葉で表現している。

「次の時代を担う若者たちが明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることが出来る、希望に満ちた日本を作り上げていきたい」

平成のヒット曲「世界に一つだけの花」になぞらえた「それぞれの花」とは「個性の尊重」や「多様な価値観」であり、首相の発言は令和の時代もこれを重視するという趣旨だろう。

豊かさを追い求めた昭和の時代から、平成に入って「1億総中流」がほぼ実現され、いまや人々が自身の自由や価値を追求する時代になった。

その自由は個人の裁量を拡大させる一方、人間関係やコミュニケーションをより複雑にし、各種ハラスメントなどの社会問題が深刻化しているのもまた事実である。

政治の役割は?

こうした時代に対応する政治の役割もまた、複雑になっているのは間違いない。
個人の価値観や自由を尊重すると言っても、その対象や優先順位は人によって違うからだ。

社会的地位を求める人もいれば、仕事のやりがいや得られる経済力を重視する向きもあるだろう。家族との時間やプライベートに重きを置く生き方もあれば、健康に過ごすことが最優先だという考えもある。

前述した「豊かさを求める」社会からある程度の「安定」が確保され、各々が求めるもの、その選択肢が数多くある中、どんな法律で社会を形作るか、社会がどのような法律を求めているかは、極めて難しい問題になっているのではないだろうか。

ある自民党の関係者は「国民が政治に期待していないのではない。そもそも期待するものがないんだ」と指摘する。

確かに昭和の経済成長期、田中角栄元首相から繋がる「経世会」が政界、ひいては社会全体に大きな影響力を持っていたのは、様々な開発とそれにともなう富(とみ)を分配し、さらに選挙での票に繋げるシステムを構築していたからだとされる。有権者、特に地方にとっては一票の行使が自らの暮らしを良くすることに繋がっていた時代だ。

田中角栄元首相 竹下登元首相

ところが今や分配する富はなくなり、人々の求めるものが多様化する時代となっては、かつての田中派、竹下派(的な手法)が衰退するのは当然の流れで、政治全体に変化が求められることも、また必然だと言えるのではないか。

各党ともどのような主張、政策が広く国民に受け入れられるのか、頭を悩ませているのが実情だろう。

今回の参院選は果たして…

直近の参院選の投票率は、3年前の2016年が54.70%、6年前の2013年が52.61%。有権者のおよそ2人に1人が投票に行っている計算だ。

では肝心の今年はどうなるか。統一地方選挙と重なる12年に一度の「亥年選挙」であることを先ほどの関係者に聞くと、「亥年選挙の特徴は、統一地方選で地方の組織が疲弊し、投票率が下がることだ」という答えが返ってきた。

12年前、2007年の参院選は「消えた年金問題」で投票率が下がらず(同58.64%)、だから第一次安倍政権が大敗を喫したのだという。

確かに、さらにその12年前の1995年の参院選は、投票率が44.52%で飛びぬけて低い。

統一選による選挙疲れと、価値観の多様化による政治の役割の変化。
こうした現状を考えれば、有権者が積極的に投票所に足を運ぶかどうかは決して楽観できないだろう。

今回の参院選はその結果だけでなく、新たな時代に対応する政治の役割、また政治への関心の有無を推し量る、大きなバロメーターにもなるのではないだろうか。

(フジテレビ政治部デスク 山崎文博

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