9月4日、ツイッターに投稿されたある動物の動画が話題になっている。それがこちら!

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金網に手をかけ、愛くるしい瞳でこちらを見つめているのは、イタチ科の動物、ニホンアナグマ。

アナグマたちが次々に集まってくるこの動画が投稿されると、1週間で再生回数は245万回以上を達成。投稿したのは、岩手県にある盛岡市動物公園の公式ツイッターだ。

動物園の来園者からは、次のような声が聞かれた。

女性A:
ここの飼育員さんがSNSに発信したっていうので、(アナグマを)狙って来たんですけど。

男性A:
僕たちもあれ(アナグマの動画)を見て今日来たので。

女性B:
絶対に来なきゃなと思いました。

自分の目で同じ光景を見ようと、お客さんが続々と来園。

実は今、全国の9割の動物園や水族館が、動物の動画や写真を公式アカウントに投稿している。(全国動物園・水族館129カ所へのアンケートより)

さらに、そのうちの5割は来客数がアップしたとSNSの効果を実感しているという。(全国動物園・水族館117カ所へのアンケートより)

そこでめざましテレビの「ココ調」班は、動物の決定的瞬間がどのようにして撮影されているのかを全国で徹底調査!その撮影の裏側に迫った。

金網の前に集結!キュートすぎるアナグマ

「ココ調」班の藤井弘輝アナウンサーが最初に訪れたのは、あのアナグマの動画を投稿した岩手県の盛岡市動物公園。

アナグマの前には人だかりが!しかし…

藤井弘輝アナウンサー:
動画と大分印象が違うんですけれども…金網の前にいるどころか、寝ています…

投稿されていた映像とは対照的にほとんど動くことなく、中には眠っているアナグマもいた。

金網にくっつくあのかわいらしい姿は、どうやって撮影したのだろうか?

アナグマ飼育担当 荒井雄大さん:
夕方に飼育係が近づくと、ご飯の時間だというのがわかってそわそわし始めて、あの行動が見られるんですね

あのしぐさは、実はエサを求めて集まってきた決定的瞬間なのだという。

午後3時、運命のエサの時間がやってきた。3台のカメラを使用し、藤井アナウンサーが実況でアナグマたちの様子を伝えることに。

藤井弘輝アナウンサー:
おっと、奥から飼育員の方がバイクに乗って登場しました

藤井弘輝アナウンサー:
すると、アナグマたちが一斉に檻の方へと顔をちょこんと覗かせています。登っていくぞ登っていくぞ!すごい上に登っていく…もう間違いない、これはご飯の時間とわかったのか、あっという間に檻の左端に集まりました!アナグマがまさかの渋滞状態…

あの動画と全く同じ「アナグマの壁」の完成!

「ごはんかな?」「早く~」という声が聞こえてきそうな光景に、この瞬間を待ち望んでいたお客さんたちも…

男性A:
動画で見るより迫力ありましたね(笑)

女性B:
見に来られてよかったです。

では、この動画を投稿したきっかけは何なのか?

アナグマ飼育担当 荒井雄大さん:
飼育員は見慣れた光景でしたし、常連のお客さんもよく見てる光景だったんですけれど、通りがかったお客さんがすごく喜んで動画や写真を撮っていたので、改めてこんなに皆さんが喜ぶなら、動画を上げてみようかなと

人気の背景には、普段はあまり見ることができないアナグマの素早く動く瞬間を狙った動物園側の工夫があったのだ。

毒舌ツイート&動物たちとの仲睦まじい写真が話題

続いて訪ねたのは、高知県の桂浜水族館。

こちらの公式アカウントでは、マスコットキャラクターのおとどちゃんによる「お前ら人類、聞こえますか?桂浜水族館開館していますよ??45分経つのにノーゲストって人類が滅亡した以外に考えたくないんですけど?????」などの毒舌かつ自虐的な投稿が話題となっている。

さらに話題となっているのが…

男性B:
こんなツイートなかなか上がらないですよ

女性C:
見てみたら、ほとんど魚と触れ合っている飼育員さん

女性D:
飼育員さんと生き物たちが愛にあふれている感じとか

と、来園者たちが話す投稿がこちら!

顔を近づけて寄り添う飼育員と動物たち。この仲睦まじい姿が愛くるしいと人気を呼んでいるのだ。

投稿の立て役者は、広報担当の森香央理さん。このような写真を撮る秘訣は、1人で広報を担っている森さんの声のかけ方にあるようで…

広報担当 森香央理さん:
全力で愛し合ってください!あぁいいね~セクシー!すごいセクシ~

と、「ドピンクください」と書かれたカンペを出すおとどちゃんと一緒に撮影現場の雰囲気を盛り上げていた。

そして、取材した日に投稿された写真がこちら!

飼育員の頬にキスをするトドとの愛のあふれる1枚。これを見たユーザーからは、「尊すぎる…」「また行きます!!」と大好評。

決定的瞬間の裏側には、飼育員と動物との距離の近さと愛を映し出す工夫があった。

人気投稿を一挙公開 トド・アザラシ・トラが…!?

ここで、いま動物園や水族館の公式アカウントで話題になっている投稿をご紹介!

まずは、三重県の伊勢シーパラダイスで撮影された再生回数が約8000回を記録した映像。体重が660kgを超えるセイウチのヒマワリちゃんの得意技を撮影したものだというが…

ヒマワリちゃんの前に男性が立ち、飼育員の呼びかけで観客が「3・2・1!」とカウントすると…

ヒマワリちゃんもカウントに合わせ左のひれを大きく振りかぶって、男性のお尻を目がけて闘魂注入

そう!気合いの足りない男子にはビシッと一発、をたたき込むのがヒマワリちゃんの得意技なのだ。

続いては、京都府の京都水族館。再生回数75万回以上の動画がこちら。

まるで風船のように水に浮かんでいるのは、メスのゴマフアザラシ、ハマちゃん。これはお昼寝の最中を捉えたもので、飼育員さんが通りすがりに偶然見つけた貴重な映像だという。

そして、栃木県の那須サファリパークが20万以上の「いいね」を獲得したのは…

ベンガルトラのボルタくんが見せたしょんぼり顔

大好きな池の水を掃除で抜かれた時に見せた奇跡の1枚だった。

地上最速のチーターを捉えろ!写真撮影に密着

最後に向かったのは、静岡県裾野市の富士サファリパーク。

話題となった投稿動画ではクマがお尻を左右に動かして頭を振り、まるでダンスをしているような動きを見せている。

実はこれは、かゆい背中を木でかいている姿なのだが、かわいらしいしぐさが注目を集め、今では80万回以上再生されている。

さらに話題になっているのが、動物たちの野性味あふれる瞬間を撮影した写真のクオリティーの高さだ。

撮影しているのは、広報担当の竹内大介さん。カメラ経験はなかったが、多くのお客さんに魅力を伝えたいと独学で学び、必死に覚えたという。

撮影に同行させてもらうことになり、この日、写真の主役となる動物について聞いた。

広報担当 竹内大介さん:
チーターが全力で走る。そういった写真を撮ることができます。一発勝負です。

最高時速約100kmのチーターが走っている瞬間を撮影するのは、サファリパークの中でも最も難しいという。

果たして、躍動感ある写真は撮れるのか?

とそこへ、カメラを構える竹内さんの前にチーターが現れた。ものすごい速さで走ってくるチーターをカメラに収めようと、車内にシャッターの音が響く。

チーターが走り去ると、「はぁ…」とため息をこぼしてうなだれてしまった竹内さん。

少し納得がいっていないようではあるが、渾身のベストショットがこちら!

チーターが駆ける瞬間を見事に押さえた躍動感あふれる1枚。ガッカリする必要のない十分に素晴らしい写真だ。

広報担当 竹内大介さん:
常に動物の(行動的な)姿をご紹介できるわけではないので、こういったSNSやホームページを通じて、動物の魅力をもっともっと伝えていきたいと思っています。

そしてこれは、富士サファリパークで飼育されているアムールトラが水浴びをする瞬間を捉えた写真。

開園直後の9時半頃にトラゾーンの池に向かうと、この写真のような姿を見られる可能性が高いという。

愛くるしい姿と表情で人々を癒やす動物たち。SNSでお気に入りの投稿を見つけるのはもちろん、水族館や動物園へ実際に動物たちに会いに行ってみると、より一層楽しめそうだ。

(「めざましテレビ」『ココ調』9月11日放送分より)

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