埼玉・久喜市の利根川で発見

埼玉・久喜市栗橋付近の利根川で、6月末に撮影された、テンション高めな魚の映像が、FNNビデオPostに届いた。

集団で四方八方に豪快にジャンプしているのは、中国が原産の淡水魚「ハクレン」。
突然始まったと思えば、十数秒で収まり、何もなかったように波紋のみが水面に浮かぶ。

この光景を子どものころから見ている投稿者は、「6月の初めから7月中旬ごろ、新幹線陸橋近くの水門付近で目撃できます。1日に何度も見る日と、まったく見ない日がありますね」と、話した。

なぜ、ハクレンは激しくジャンプするのだろうか?
淡水魚の生態にくわしい大阪府立環境農林水産総合研究所 生物多様性センター研究員の山本義彦さんにお話を聞いた。

つられてジャンプ…?

ーーなぜジャンプするの?

はっきりとした理由はわかっていませんが、ハクレンは臆病な性格で、遊泳力が強い魚です。
そのため、驚いたタイミングに1匹がジャンプすると、周囲の魚もつられてジャンプしている可能性が考えられます。

また、産卵期で興奮した状態で、たくさんのハクレンが1カ所に集まっていることも、連鎖につながる要因なのではないでしょうか。

ーーハクレンはどこにでもいる?

大阪の淀川でも生息は確認されていますが、日本で自然繁殖しているのは、利根川水系だけです。

ハクレンの卵は、ゆっくり川を下りながらふ化するため、流れが速い川や、海から近い川では、海に出てしまい死滅します。
そういったことから、流れが穏やかで、海までの距離がある利根川が自然繁殖するのに適していたのではないでしょうか。

この記事の画像(2枚)

ーーなんだか、かわいい魚ですね。

そうですね。
大きいものは、全長1メートルに達しますが、食べるものはプランクトンですし、おとなしい魚といえます。

前述の投稿者によると、ハクレンのはねる音は、離れた場所にいても聞こえてくるほど、豪快。
そういった行動ゆえ、「性格もさぞかし、凶暴だろう」と思ってしまうところだが、実はびっくりしているだけという…ギャップあふれる魚なんですね。

FNNビデオPost
FNNビデオPost