セブンーイレブンは、数年かけて沖縄限定の商品を開発

コンビニエンスストア大手のセブンーイレブンが、沖縄県に初進出。7月11日午前7時に、県内で14店舗が一斉にオープンした。
セブンーイレブンの進出を受け、迎え撃つかたちとなるファミリーマートやローソンも、自社の強みを活かした取り組みを加速させている。
“沖縄コンビニ戦国時代”を勝ち抜くための、各社の戦略を取材した。

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沖縄テレビ 大城良太アナウンサー;
ずらりと並べられた目新しい商品の数々!これらは明日セブンーイレブンの店頭で並ぶ沖縄限定の商品です。
中には沖縄県産のシークワサーを使った杏仁豆腐や沖縄定番のポークたまご、そしてゴーヤーチャンプルーといった、沖縄でしか買えない商品13点もあります。

セブンーイレブン沖縄 久鍋研二社長;
まず私たちの自信のある商品、13アイテムとクオリティを追求した商品を、是非召し上がって頂きたいと思っています。

セブンーイレブンの強みは「中食」といわれる惣菜や弁当。エリアごとに味を変えていて、今回の沖縄出店にあたっても数年かけて現地調査を行い、県民が好む味を追求してきたという。

セブンーイレブン沖縄 久鍋研二社長;
沖縄の美味しいところを何度も食べさせて頂きまして、沖縄の方に喜んでもらえる味というものを、この1年ずっと研究し続けてきました。

更に大手メーカーとの共同開発品や、プライベートブランドの商品も充実していて、その品質に自信を覗かせる。

セブンーイレブン沖縄 久鍋研二社長;
いい商品と思って頂ければ、必然的にセブンイレブンを使って頂くお客様は増えていくと思っています。

観光客の増加など、好調な沖縄経済を背景に県内に進出するセブンーイレブン。
スーパーマーケットを手掛ける金秀など、県内の企業ともフランチャイズ契約を結び、5年間で250店舗の開店を目指している。

沖縄が迎える“コンビニ戦国時代”

これにより、沖縄は人口10万人あたりのコンビニの店舗数が56となり、九州・沖縄地方で最も多くなる。

沖縄国際大学 宮城和宏教授;
店舗数では、九州・沖縄の店舗が変わらないと考えれば、人口あたりの店舗数が、九州・沖縄で、沖縄がダントツのコンビニ数になる。

沖縄国際大学の宮城教授は、九州・沖縄地方トップのコンビニ激戦地区で生き残るためのキーワードは「グループ企業との連携」だと話す。

沖縄国際大学 宮城和宏教授;
沖縄ファミリーマートは「りうぼう」、ローソン沖縄は「サンエー」との合弁会社ということで、地元密着地域色を前面に出す。そういうところで、ニーズをとらえているということもあると思う。

ファミマは"地元ノウハウ”生かした「刺身」と「焼きたてパン」

県内最大の325店舗を展開する沖縄ファミリーマート。
2年前から、りうぼうストアの指導のもと冷蔵ケースを導入。これまで温度管理が難しかった刺身を91店舗で取り扱うことで、単身の男性客のニーズを掴んでいる。

また、4年前に吸収合併したココストアが持つパンの製造のノウハウを活かし、焼き立てのパンを21店舗で提供。収益が取れる体制を築いている。

沖縄ファミリーマート広報マーケティング室 岸本国也室長;
ノウハウないと絶対にできることではないですので、本当の意味での地域密着を追求していく、それに尽きるかなと思っています。

ローソンは“高級志向”にも応える

一方、県内で232店舗を展開するローソン沖縄の商品棚には、少し高価なワインやチョコレートが。
業務提携するサンエーで扱う、高級スーパー・成城石井の商品を専用コーナーを作って展開している。

ローソン沖縄 古謝将之社長;
我々の特徴として、今後も継続してさらなる支持を頂けるように取り組んでいきたいと思っています。

「人手不足」への対応は?

すでに熾烈な争いが展開する一方で、共通の課題に挙げられるのが「人手不足」。

沖縄国際大学 宮城和宏教授;
人をうまく雇用しながら満足度を高めて、あとは加盟店の支援をどうやってしていくのか。そういう点も人材確保・維持の上では重要ではないか。

セブンーイレブン沖縄では、異例のオープン3か月前からスタッフを募集。
沖縄初出店という期待感から順調に人が集まり、早い段階から接客やレジの研修も行ってきた。

また既存の2社では、人手が少なくても効率よく働けるように設備投資をしている。
沖縄ファミリーマートの一部の店舗ではセルフレジなどを導入している。ローソン沖縄では。去年から全ての店舗で会計をスピーディかつ正確にするため、自動釣銭機を導入している。

沖縄国際大学 宮城和宏教授;
業務の見直しや設備投資をして、どうやって生産性を上げていくかのか、そういう経営改善努力というのが求められるのではないか。労働環境が改善して賃金が上がってくると、全体の需要も拡大するので、さらに商売的にはやりやすくなって好循環に向かっていく。

業界の勢力図に大きな影響を与えるセブンーイレブンの進出。
利用者、そして働くスタッフにも「選ばれるコンビニ」になるため、業界全体が転換期を迎えている。

(沖縄テレビ)

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