与野党の熱戦が繰り広げられている参議院選挙。
今回初めて投票する18歳の有権者の皆さんにも分かりやすく、参議院選挙について解説していますが、2回目は参議院選挙の仕組みについて説明します。
47都道府県のうち「1人区」が32も!
今回の参議院選挙は、124議席をめぐって選挙戦が行われます。
124議席は、「選挙区」と「比例区」に分けられています。
各都道府県で戦う「選挙区」で74人。
全国を1つの選挙区として戦う「比例区」で50人。
候補者は、両方に立候補することはできません。
「選挙区」は、人口に比例した形で定数が1~6まで割り振られています。
「選挙の命運を握る1人区」なんて言われていますが、1人区の数は実に32選挙区もあって、これまでの選挙でも与野党が熾烈な選挙戦を繰り広げてきたことから注目されています。
比例の「非拘束名簿」って何?
一方、「比例区」はどうでしょうか?
参議院の比例区は「非拘束名簿方式」といって、まず政党ごとの当選者数を決め、その政党で誰が当選するかを決めますが、各政党の候補者名簿は事前に順位を決めていません。候補者の当選は、その人の名前での得票が多い人から順番に当選者が決定します。
政党名でも、候補者名でも、どちらでも投票できます。
例えば「富士山党」の「日本二郎」という候補者が人が立候補していた場合を例に考えます。
「富士山党」と政党に投票した場合、「富士山党」に1票割り振られます。
「日本二郎」と候補者名で投票した場合も、「富士山党」に1票割り振られます。
さらに、最終的に「富士山党」が比例区で何人と当選者が決まった後も、「日本二郎」への1票が生きてきます。候補者名で書かれた得票の数によって政党内で順位が決まって当選者が確定するので、「日本二郎」への得票数で当落が決まるのです。
ですから、比例区に立候補した候補者が「党の名前ではなくて私の名前を書いてください」と呼び掛けているのは、自分の名前で投票をしてくれないと当選する順位が上にいかないからという理由があるからです。
ただ、今回の参議院選挙から「特定枠」という順位を事前に決定できる方式が一部選択できるようになりました。これは次回、説明したいと思います。
どういう人が立候補できるの?
では、参議院選挙には誰でも立候補できるのでしょうか。
実は参議院選挙に立候補できるのは満30歳以上の日本国民と決められています。衆議院は25歳以上ですから、衆議院と参議院で立候補できる年齢が5歳も違うことになります。
参議院は解散がない分、慎重な審議が行われるため、年齢を重ねた人ほどふさわしいとみなされているという意見もあります。
しかし、選挙年齢が20歳から18歳に引き下げられる中で、投票する権利と、立候補する権利が得られる年齢の違いに疑問を持つ人や、衆議院と参議院の立候補年齢に違いがあることに疑問の声もあることから、今後変化する可能性もあるかもしれません。
第3回解説では、今回から導入された「特定枠」とは何か?
第4回解説では、開票率1%の状態でも、なぜ午後8時に当選確実と報道機関が報じることができるのか?
を解説します。
【執筆:フジテレビ政治部 与党担当キャップ 中西孝介】
【イラスト:さいとうひさし】
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MCの宮根誠司・加藤綾子が、古市憲寿・石原良純ら手加減なしの痛快ゲスト陣と共に令和の主役たちの素顔や、私たちに身近な新時代の大問題を徹底取材。怒濤の開票速報を展開しながら、各党首や候補者に「今聞きたいこと」を本音生直撃する。プライムオンラインでも、開票や全国の候補の当落の最新情報をリアルタイムでお伝えする。